百ゼロ思考から起こる問題~習い事編
前回の続きです。
百ゼロ思考から極端な考えに陥り、パニック等を起こしたとしても家庭内であれば、その場で適切な対応をとることもできますが、親がついていない習い事ではそうもいきません。
習い事の先生には長女が発達障害(自閉症スペクトラム障害)であることは伝えていませんが、精神的に幼い面があり、年齢相応の言動をとることが難しい場合があると伝えています。
そのため、幼い言動が出やすいと理解を得ていますが、長女が突然百ゼロ思考に陥り極端な言動をとると、驚いてしまうようです。
注意され、ふてくされてのドロップアウト
ある日のこと、長女の習い事である英語教室へ迎えに行くと、先生が深刻な顔をして、私に話しかけてきました。
先生の話によれば、最近、長女が自分の英語力に自信をなくしていること、そして授業中、姿勢の乱れや靴を脱ぐ等が目立ち、注意をしたが直らなかった。
そうこうするうちに、長女が授業に全く参加しなくなってしまったとのこと。
新学期に入る前までは長女が積極的に楽しんで授業に参加していたので、失った自信を取り戻して以前のように授業に参加して欲しいと先生は考えているようです。
長女に事情を聞くと、「姿勢の悪さ等について先生に注意され続けていくうちに、嫌な気持ちがいっぱいになって授業に参加したくなくなった」そうです。
時系列にまとめるとおそらくこんな感じ。
- 自分の英語力に自信をなくし参加意欲が下がっていることが姿勢に影響する(もともと体幹が弱いうえに、ネガティブな気持ちが姿勢に影響しやすい)。
- 授業に集中できないために、上靴を脱ぐ癖が頻繁にでる。
- 先生に注意される。
- 注意される度に参加意欲は下がり、姿勢の悪さや上靴を脱ぐ癖が悪化。
- 3.と4.のループ。
- 先生に対して悪感情が生まれ、思考がゼロに振り切り授業に参加しなくなる。
要は、英語もできないし、先生には注意されてばかりで腹立つから参加しなーい!
というところだと思います。
腹立つけれど、しぶしぶ参加するとか、気が向いたら参加する等中庸的な態度は一切せず、全く参加しなくなるのが百ゼロ思考たる所以…。
あまり難しく考えずに精神年齢3歳と思うだけでも良いかもしれません。
ゼロ思考に振り切らないために
(1)英語力に自信を失っている問題
上を見ればきりはないけど、楽しく授業に参加できる程度の力はあるので、これは何らかのキッカケがあれば大丈夫。そして、先生も長女には褒め言葉が効くと理解しているのでその部分は先生に任せても良し。
(2)姿勢の問題
生来的に体幹が弱いため、姿勢を常に良くすることは難しいし、今回の場合、参加意欲の低下が姿勢に表出しているため、何度注意されても劇的に改善することは難しい。
そこで、先生には「長女が生来的に体幹が弱く、注意されても姿勢保持が難しい場合がある」と伝え、理解を求めた。
(3)上靴を脱ぐ問題
1年生になってようやく家庭外での指しゃぶりをやめた長女が、注意喚起程度で上靴を脱ぐ癖をやめることは難しい。
そこで、「簡単に脱げない靴=ハイカットスニーカー」に上靴を買い換えることに。
この癖は長女に他者意識が育たなければやめることは難しいと考えています。
けれども、他者意識が育つのを待っていては、先生に注意ばかりされ続け、今回のように無駄に参加意欲が下がってしまう…。
そうであれば「脱げない靴」を履かせ、注意されない状態を作れば良いと考えました。
*娘にはこの商品のように相当ごついハイカットスニーカーを購入。とても気に入ってくれています。
(4)授業に参加しない
百ゼロ思考であるゆえに、気分を害すれば参加拒否という極端な行動をとる長女。
けれども、教室を出ることもせずにただ、不機嫌な態度を見せ続けるものだから、先生も手を変え品を変え長女を参加させようと考えてくれたと思います。
プライドはいっぱしにあるから、長女が授業に参加しないなら教室から追い出しても効果がありそうですが、そういうことはしない英語教室なんですよね…。
これについては、長女に他者意識が芽生えたり、自他の別がつかなければ大きく改善されないかも知れません。
しかし、地道に「社会の暗黙のルール」を伝えることには大きな意味があると考えています。
そこで今回はこのように長女に伝えました。
①どんなことがあっても授業に参加するのは、誰もが言われなくてもわかる当然のルールであり、英語教室に参加するならば守る必要がある。
②上記①のルールは大抵の1年生は守ることができる。そして、ルールを守ることができない人は赤ちゃんみたいな人だと思われる。
③先生は(長女に)楽しく授業に参加して欲しいと心から思っている。そのため、お母さん(私)にどうしたら良いか相談しているので、先生のことは悪く思わず、先生の気持ちに応えてあげて欲しい。
どこまで長女に理解できるかは疑問ですが、自分が納得できるルールは遵守するので、地道に伝えていくつもりです。
*「世の中のルール」について口で長々と説明するよりは4コマ漫画形式のこの本の方が娘も理解しやすいようです。
おわりに
無理に英語教室に通わせなくても良いのでは?と思うこともありますが、実際は楽しく能動的に参加している時の方が圧倒的に多いのが現状です。
それゆえ、長女が極端な思考に陥り、不適切な言動をとっても、先生は注意すればいつも通りに戻るだろうと思うんでしょうね。
学校とは違い、英語教室は少人数制で、何かあればすぐ報告もしてもらえますし、どう改善していけば良いか熱心に話も聞いてくれます。
そのため、長女の特性問題把握にはなかなか良い環境なのでしばらく続けて、長女の成長に繋げていきたいと思います。