発達障害児の中学受験と自立支援
現在小2の長女(ASD&ADHDの診断あり)について中学受験を考えています。
まだ時期も時期なので学校見学もまだですし、本人が私立中学とは何かをさっぱり理解していない(汗)ので、実際に中学受験するかどうかは未定の段階。
それでも、本当に中学受験するのであれば長女の特性にあった塾を探したいと思い、最近中学受験塾選びを始めました。
大手集団塾
私たちの住む地域では中学受験をする層は非常に少なく、中学受験専門塾も多くはありません。
そして、中学受験専門塾の多くは四谷大塚と提携しており、基本四谷大塚のカリキュラムに沿って学習を進めるようです。
いろいろ調べましたが四谷大塚の「予習シリーズ」という中学受験用教材は歴史も古く中学受験の標準テキストとして高い評価を受けており、その地位を確立しているとか。
そんな優れた教材があるのであれば、仮に長女が講師や塾と多少相性が合わなくても合格に向けた学習を進められるかもしれないと思い、四谷大塚系列の塾(集団塾)の説明会へ行きました。
その感想→
(1) 他者意識に乏しい長女には競争意識が芽生えにくい?=学力が伸びない
集団塾の利点のひとつに「同じクラスの仲間と切磋琢磨し、時には競い合いながら学力を伸ばすことができる」という点があると思います。
そのために毎週テストがあり、テストの成績順位が掲示されるところ、他者意識に乏しい長女はその利点を享受することが難しいかもしれないと思いました。
(2) 人との距離が近い=落ち着いて勉強できない?
また、大手塾はどこもそうなのかも知れませんが、その塾の机は小さく、隣の人との距離がとても近い。
そして、今どのクラスも定員オーバー気味らしく、こんな近い距離に人がいたら長女は落ち着かないだろうし、勉強に集中できないだろうと思いました。
(3) 集団に紛れて無意味な時間を過ごしてしまいそう=集中力が途切れやすい?
そして、わからないことがあっても、集団に紛れてただただ時間を過ぎるのを待つだけの無意味な時間を過ごす様子が目に浮かぶようでした。
説明会の後はこのようにネガティブな妄想ばかりが頭に浮かぶだけだったので、とりあえず長女に「集団塾」と「個別塾」のどちらが良いか聞いてみました。
すると迷わず「個別塾」が良いと長女は答えました。
知らない人がいるというだけで落ち着かない気持ちになるようです。
念のため「集団塾」だと友だちができるけど「個別塾」だと友だちと仲良くなる機会はないと説明しましたが、それでも「集団塾」は漠然と抵抗があるようです。
*一般的な「中学受験塾」を知るうえでとても参考になりました。
個人個別塾という選択
中学受験専門の個別塾で家から通える範囲の塾は3つあるかないか。
その中で合格者数や合格率をホームページで公開している塾はなんと1つしかありません。
合格者をコンスタントに出していない塾を選ぶ気にはなれませんので、そうなると選択肢となる塾はひとつに絞られます。
その塾は個人塾でブログも定期的に更新しており、塾の様子や塾長の考えをブログで知ることができます。
この塾は教科ごとの担当制でマンツーマン指導。講師は専任とアルバイト学生。
今のところ選択肢がほとんどなく、その塾は説明会もないので、思い切ってその個人塾の春期講習会に申し込みました。
塾長との面談
春期講習会申込後、塾で面談がありました。
面談相手は塾長と長女の担当講師。
内容は生活環境の確認と主に塾に関係する雑談でした。
その間、長女は私の隣に座り、出されたお菓子をぼりぼり食べ、話しの途中にも関わらず私に話しかけたりとひたすら「自由」!
最後に塾長は長女のことが「よくわかった」と言ってくれました(トホホ)。
【塾長の話の要点】
- 子どもの特性をみて学習内容・進度を決めていく。いつ学力が伸びるかはその子によって違う。
- 子どもの特性によって合う学校、合わない学校があるので、受験校選びで親に意見することもある。
- 同じ部屋で複数人(通常4人程度)勉強することになるが、必要に応じて個室で勉強してもらうこともできる。
- 塾にお菓子を持ってきても良い(長女喜ぶww)
- まずは塾で勉強することを楽しんでもらいたい
個人塾の場合、塾長の考えに共感・信頼できるかどうかが決め手になるところ、ひとりひとりの個性を尊重した教育方針をたてることを重視している点に好感を持てました。
一方長女は塾について「勉強するところ」という理解しかなかったところ、そこに「お菓子を持っていって良いところ」というのが加わり大喜び...(トホホ)。
一般的に上位校に合格させるのであれば、大手塾のカリキュラムで勉強することに間違いはないようですが、そもそも長女が目指す中学校は上位校とはならないはずなので、そういう意味でも今後大手塾を選ぶ可能性はないかもしれません。
中学受験と子どもの自立支援
子どもの特性に寄り添った教育方針を考え・学習計画を立てることが子どもの自立支援に繋がると考えています。
そして、その手段として「中学受験の学習サポート」があるかも知れない…と思っています。
その理由は
- 受験勉強をする子どもの様子・成績等を通して子どもの特性(適性)を的確に把握することで特性にあった職業選びに繋がる進路へ導きやすくなる(はず)
- 公立よりも私立中高一貫校の方が進路指導が手厚く(推薦入試に強い等)、キャリア教育に力を入れている→早いうちから職業意識が芽生えそう
- 具体的な目標を立てにくい高校受験勉強に苦労しそうなので、親がサポートしやすい中学受験をした方が、早いうちから勉強の習慣や基礎学力をつけることができ最終的に大学受験に役立つ(はず)
自分も夫も中学受験の経験はないですし(汗)やってみないとわからないことだらけなので大きなことは言えませんが、今のところ発達障害特性のある長女にとって中学受験はメリットがありそうだと考えています。
おわりに
これまで、長女は家でこつこつと通信教材や私が選んだ教材で家庭学習を続けてきました。
しかし、長女の苦手な読解問題や文章題については長女が理解できるよう私が教えることは難しく、わからない長女を怒ってしまうことさえあります。
これでは、親子関係が悪化するだけで中学受験をすることさえ叶いません。
そのため、中学受験はともかく長女の勉強面での良き支援者(塾)を見つけることが必要だと考えています。
また、塾の春期講習会の終了後、塾長から講習会のフィードバックをしてもらえることになっています。
6日間の講習会の成果は如何ほどか、塾長からはどのようにフィードバックがあるのか非常に楽しみです。
次女の卒園〜元気で明るく育つのが一番です
先日、次女の卒園式がありました。
次女がこの保育園に入園したのは、ちょうどADHDの傾向があると病院で診断されたばかりの頃です。
そのため、この保育園と次女との思い出は発達障害の診断とセットになりがちなのが残念。
「保育園に入った頃はこんなに小さくて可愛かったよね♡」と思うのが一般的ですよねぇ。
その頃、私は自分の娘が発達障害と診断されたことに混乱していた時期だったこともあり、様々な情報を集めてはその情報にネガティブな気持ちになっていた毎日だったと思います。
例えば「保育園に入所決定した子どもが発達障害だと知った保育園がその子どもの入所を断った」という昔のニュースを知って、いてもたってもいられなくなり、区役所や次女の保育園の園長に次女は入所できるのかと確認をしたこともありました(もちろん入所できました)。
あの頃は随分気の休まらない毎日を送っていたと思います。
バタバタの卒園式朝
長女が2年前に同じ保育園を卒園したこともあり、次女の服も自分の服も2年前と同じという適当母。
そんな適当ぶりなので当日朝も出発が遅刻ギリギリの時間に!
保育園に着いた時に気づけば、雪の降り積もった寒い朝だったにも関わらず、次女は上着を何も着ていないし、夫もまさかのノーネクタイで場に相応しくない色のワイシャツ着ていました...(まさかのクールビズ!)。
やっぱり、ADHDな家族を引率するのであれば余裕を持って準備しないとダメですねぇ。
卒園式の次女
卒園式の次女は緊張気味でしたが、特に気になる行動をとることもなく随分と成長したと感慨深いものがありました。
それでも次女らしさを発揮した場面はあって、園長先生のお祝いの言葉で「学校へ行く道はもう覚えたかな?」という問いかけに「まだ覚えてなーい!あっ…(声を出さない方が良いことに気づいた)」と反応し、笑いを誘っていました。
そんな様子を見ていると、今まではADHDな次女が保育園で楽しく過ごせているのか成長しているのかと心配ばかりしていましたが、
「こんなに元気に立派に成長して本当に嬉しいなぁ」という気持ちしかなく、「健康に明るく育ってくれるだけで十分だわ」という気持ちでいっぱいになりました。
おわりに
とは言っても小学校入学すれば保育園とはまた違う厳しい環境に置かれる次女。
また心配したり、怒ったりせずにはいられない毎日が始まります。
けれども何かの折に「健康で明るい次女であれば十分だ」と卒園式の気持ちを思い出すことができれば、穏やかな気持ちを取り戻すことができるかもしれない!
と思いブログにしたためました。
そして、次女がこれまで保育園で伸び伸びと楽しい時間を過ごすことができたのは保育園の先生方のおかげです。
各担任の先生、園長先生には感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。
最後に
何はともあれ、次女ちゃん卒園おめでとう!
これからも一緒に頑張ろうね!
ADHDとASDの併存〜実行機能の障害からドッチボールでヘマをする
先日、帰宅した2年生長女が「学校であった悲しいこと」を話してくれました。
体育の授業でクラス対抗でドッチボールをした。
そのゲームでは、チーム全員が投球するとプラスポイントがつくというルールがあったのでチーム全員が投球しようというクラス内の取り決めがあった。
しかし、そのルールを長女はすっかり忘れていた。
そのため、自分がボールを取り投球しようとした時にチームメイトから別の子にボールを回すよう言われ、自分が投球したい気持ちがあったので頭が混乱し、ボールを持ったまましばらく立ち尽くした。
それに困ったチームメイトが長女のボールを取り、別の子に渡した。
ゲーム終了後、多くのクラスメイトが「相手チームに負けたのは長女のせいだ」と長女を責めた。
この出来事で気になる点は
(1)長女がプラスポイントがつくための取り決めを忘れたこと
(2)おそらくゲーム中、チーム全員にボールが回るようにボールを回す動きがあったと思うのですが、それにも気づいていなかったこと
(3)別の子に回すように言われた時に自分が投球したいという気持ちが勝っていたこと
(4)言われた意味がわからなくても、場の雰囲気を読んでとりあえず言われた通りにできなかったこと
といったところです。
(1)から(3)は「まぁしょうがない」と思えますが、(4)ができなかったのは長女にとって大きな困りごとであると感じました。
ASDとADHDの併存
長女は自閉症スペクトラム障害(以下「ASD」といいます。)の診断があります。
障害の程度は大きくなく、概ね無理なく通常学級で過ごすことができています。
けれども、今回の出来事のようにちょくちょく対人トラブルを起こします。
そのため、長女の主治医(児童精神科医)は時折ADHDの併存を指摘していました。
けれども、ADHDの診断がある次女に比べれば、長女のいわゆるADHD特性は生活に差し支えがあるとは思えず、障害と言えるのか疑問に思っていました。
けれども、今回の出来事を主治医に報告したところ、
「実行機能が上手く働かなかったんだね〜」と言われ、やっぱり長女はADHD特性で困っているんだと理解するに至りました。
実行機能の障害
ADHDの病態として、実行機能と報酬系という脳機能の低下が考えられているそうです。
実行機能の障害とは
- ルール・決まりを理解していない
- 過去の経験を生かせていない
- 未来(将来)を考えて計画できない
- やるべきことを記憶するのが苦手
- 活動に必要な記憶の保持ができない(ワーキングメモリ)
- 目標に向かって行動するようにプランができない
- 運動・衝動のコントロールがへた
報酬系の障害とは
参考:「ADHD・アスペルガー症候群 子育て実践対策集」司馬理英子
- 目的ある行動のための動機づけが困難
- 自分が楽しい、興味があることでないと動機づけがしにくい
ストラテラ
今回のことに限らず、この1ヵ月ほどいくつか対人トラブルを起こしていた長女。現在「ストラテラ」(ADHD治療薬)が処方されています。
主治医いわく、長女の場合緊急性がないので「インチュニブ」「コンサータ」「ストラテラ」の中から「ストラテラ」を選んだとのこと。
「ストラテラ」は飲み始めから徐々に量を増やし、3段階にかけて適切な服用量にします。
そのため、一般的に安定した効果が得られるまでには6〜8週間かかるそうです。
長女は服薬始めたばかりなので(約2週間)、効果はまだ出ていない状態です。
効果が出てきたらブログで報告しようと思います。
おわりに
このようにいろいろ心配事がある長女ですが、今回の出来事では成長したと思う側面もあります。
以前は「悲しいことがあった」と私に報告することはできなかったと思います。
悲しいことがあっても何故そういうことが起きたのか理解が及ばず、この状況について後から人に話すことはできませんでした。
しかし、今回は長女なりに、過去の出来事の整理をし、自分の何が良くなかったのかを考えることはできている様子です。
長女担当の言語療法士に今回の出来事を話すと
「相変わらず3歩進んで2歩下がるという感じですね!」
私「・・・・・(苦笑)」
インチュニブ増量の効果と聴覚過敏
次女がインチュニブの服薬を初めて早数か月。
最近の服薬に関する状況について書きます。
次女のインチュニブ開始用量は1mgでした。
次女の体重(約20㎏)によって定められた「用法・用量」は次の通りです。
・開始用量 1mg
・維持用量 1mg
・最高用量 2mg
参考:インチュニブ患者向け医薬品ガイド
https://www.shionogi.co.jp/med/products/drug_a/qdv9fu0000015c1k-att/INT_PG201705.pdf
しばらく維持用量1mgのままでしたが、特性からくる問題が頻発したため年明け早々主治医の判断で最高用量の2mgへ変更することになりました。
増量による変化
服薬当初の変化よりも大きな変化がありました。
①集中力が上がる
一人静かに読書(絵本等)する時間や一人遊びする時間が格段に増えました。
今までだと何をやらせても早々と飽きてしまうのが常でしたが、黙々とひとつの物事に取り組むようになりました。
②指示が通りやすくなった
今までは「耳が聞こえないんだろうか?」と思うほど次女に指示が通ることはありませんでした。
今でもすんなり応じるばかりではありませんが、すぐに指示通り動かないにしても、指示が全く聞こえていない(または忘れてしまう)ことはなくなりました。
つまり、次女に声かけする回数が格段に減りました。
また、次女がすぐに指示通りできないと思ったら「少し待って~」と言うようになりました。
③過去の出来事を話すようになった
これまでは殆ど過去の出来事について話すことはありませんでした。
けれども、最近では
気になったことを尋ねる、印象深かったことを報告するようになりました。
また、思い出し笑いをするようにも!
先日も、次女が保育園で花の寄せ植え体験で学んだことを話してくれました。
「しばらくして(寄せ植えの)花が枯れてきたら、枯れているお花を切ったらお花がまた元気になるんだよ!」
私「・・・・(驚いて声が出ない)」
夫「インプットとアウトプットができてる!!(驚)」
服薬前、次女の世界には「過去」は存在せず、「今この瞬間」しかなかった(刹那的人生…)ことを考えると、これはもうえらい違いなのです。
ようするに、服薬前はアウトプットをするためのインプットがなかったのかもしれません...。
その一方で、初めて服薬によるデメリットが出ました。
③聴覚過敏
ある日次女の担当保育士さんから
「(保育園の活動中)鍵盤ハーモニカをクラスで練習している時に、突然耳を塞いでポロポロ泣き出してしまったんです」
と報告がありました。
これまでも、大きな音がすると手で耳を塞ぐことがあったので、聴覚過敏が多少あるかもしれないとは考えていました。
けれども、このように音のために泣き出したことは一度もなく、とても驚きました。
次女に事情を尋ねると
「鍵盤ハーモニカをみんなでやると、とてもうるさいのが嫌だった。だから、カスタネットをすることにした」
つまり「自分も含めグループで鍵盤ハーモニカを演奏すると音に耐えられないので、自分は鍵盤ハーモニカを演奏するグループはやめて、カスタネットを担当することにした」
という話のようです。
泣いてはしまったけれど、自分なりに対処法を考える余裕はあったようなので少し安心しました。
この件を主治医に相談したところ
「ADHDの子が服薬するようになると音に過敏になる例はある。これに対処するには減薬という方法もあるが、そのうち音に慣れて気にならなくなる例もある」
とのことでした。
「なるほど」と思いました。
前述した通り次女に指示が通りやすくなったのも、今まで気づかなかった音(声)に気づくようになったからだと考えると、過敏に音に反応してしまうのも無理はありません。
今、次女は音のシャワーを浴び続けるというこれまでにない世界を体験しているのだと思います。
それが、ストレスとなっているのであれば、減薬による調整が必要になるでしょう。
脳内の情報伝達が増えた状態とは?
”インチュニブは脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられています”
参考:「インチュニブを飲んでいるみなさまへ」シオノギ製薬外
このようにインチュニブには脳に情報が届きやすくなるという効果があるようですが
前述したメリットもデメリットもまさにこの効果が影響していると思います。
けれども、服薬を初めて数ヶ月という期間の中では
次女の脳内での情報伝達が適切に調節されている状態とはどのような状態なのか
正直わかりません。
でも、現在これまでにない勢いで言葉・情報を獲得しインプットやアウトプットをしていく次女を見ていると、やはりこれまでは障害(ADHD)があるために脳内に適切に情報が届いてなかったのかな?とは感じます。
4月になれば次女は小学生。
入学までには、薬の調整も含め
次女にとっての脳内での情報伝達が適切にされている状態がどのようなものか
ある程度答えを出したいと思います。
シングルタスクと視機能の弱さ
次女がインチュニブ の服用を始めて1ヵ月が過ぎました。
主治医や言語療法士等医療支援者の目論見通り、言語療法、作業療法の訓練は落ち着いて取り組むことができているようです。
各訓練に落ち着いて取り組むことができるようになったため、「本来できること」と「苦手なこと」がはっきりし、次女の課題をはっきりさせることもできました。
課題が明確になるとそれに焦点を当てた訓練もできます。
特性から苦手なこと
【作業療法での課題等】
体を動かしている時に、必要に応じてその動きを調節することが非常に苦手。
おそらく「必要に応じて」のタイミングで次の行動に移るための脳から体への指令がスムーズに伝達されないのだと思います。
球技系の運動は苦手であること間違いなし!
次女と同じ特性を持つであろう夫は、球技は壊滅的にできなかったけれど、ドッチボールは得意だったそうです。
よくよく話を聞くと、ボールを受け止めることはできたので、いつまでも内野に居続けることはできたと…。
うん。
1つの行動であればできるんだよねww
【言語療法での課題等】
並行作業が苦手(同時に2つのことができないシングルタスク)。
次女は、音読をさせると勝手読み、行等の飛ばし読みがとても多い。
その原因は「注意欠陥」と「視機能」の問題であるとのこと。
視機能の弱さから、読書の際、次の行に視点を移動させることが苦手です。
さらには、飛ばし読みをした時に次女本人は全く気づかない。
通常、飛ばし読みをした時に話の辻褄が合わなくなるため気づくのだそうです。
でも、次女はひたすら「読む(音読)」という作業しかできないため、音読している話の内容が全く頭に入っておらず「飛ばし読み」をしたことに気づかない(超シングルタスク!)。
家庭でできること
体の動きの調節ができないことについては、いろいろ不便であったり、球技が苦手で体育の授業を楽しめなかったり等いろいろあるだろうと思います。
それについて自己理解し「得意なことをがんばろう!」という気持ちを次女が持つことができたら上出来です。
今のところ作業療法は続けていくつもりなので家庭では特性の自己理解を促したり、得意なところを伸ばす手助けが必要だと考えています。
また「注意欠陥」の問題(シングルタスク等)は訓練したから治るというものでもないのですが、視機能についてはビジョントレーニングが一定の効果があるかもしれないので家庭で地道に続けていこうと思います。
発達の気になる子の 学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング (発達障害を考える・心をつなぐ)
- 作者: 北出勝也
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2015/05/08
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*うちではこの本を使っています。
また「文章を流暢に読めない」という特性は学習全般に大きな影響を及ぼすので、次女の特性にあった学習方法を地道に探っていくつもり。
文字馴染みが非常に悪く、読んで理解する、試写することに苦労がいる次女。
なるべく苦労を少なくして、学習に対する壁を少しでも取り除いてあげる必要がある。
先日、就学後は「板書」に苦労する可能性が高いため「視写」の練習はどうかと担当作業療法士に相談しました。
けれども、「試写」は次女にとって難しい学習方法なので今はまだ「なぞり書き」の訓練で良いとのことでした。
今は地道に迷路のワークをやっていこうと思います。
迷路のワークは集中力・思考力・運筆力もつくということで願ったり叶ったりですし、何より本人が楽しく取り組むことができるので非常にオススメのワークです。
他人の生活音に過敏でイライラする長女の課題
長女が授業中「だまれ!」と隣の子に怒鳴ったと学校から連絡がありました。
なんでも、算数のテストの見直し中だったらしく、
隣の子が「あーそうなんだー。わかったぞー。」
と大きな声で独り言を言った時にイライラが極限に達したらしい。
担任の先生の話によれば、長女はその時見直ししていた算数のテストの出来が悪く、それで不機嫌だったのではないかとの話でした。
悪意のない生活音
「生活音」とは、例えば独り言、鼻をかむ音、ガムを噛む音、イヤホンで音楽を聴く音、貧乏ゆすりの音、鼻息…。
誰かと同じ室内にいれば、当たり前に耳に入ってくる音。
長女はこれが気になりやすい性質なのかもしれません。
自分が集中したい場面においては特に。
また、不機嫌な場合には特にこれらの音に過敏に反応するのでしょう。
けれども「生活音」を発する側は無意識ですし、悪意がある訳ではないので、自分の思いを伝えるには工夫が必要です。
そこを「だまれ!」と言ってしまうところが長女の社会性のなさ。。
長女の課題が浮き彫りとなりました。
漢字テストで一番になりたい
長女によると、学校生活で1日に1回程度は何かの音でイライラすることがあるそうです。
例えば「漢字テスト」の時。
これを担任へ伝えると、このように話していました。
「(長女は)漢字テストで大体一番に書き終わるんです。けれども、一番でない時やテストに間違いがあったりすると不機嫌になってしまう時があるので、一番でなくても良いこと、間違いがあってもそれで「だめ」ということにはならないことを少しずつ伝えていきたいと思っています。この先どんな場面でも「自分が一番」ではないことがたくさん起こると思うので。」
長女はどうしても漢字テストを一番に終わりたくて、テストに集中するけれど、そこに自分にとって邪魔な音が入ってくるとイライラしやすいんですね。
そして、百ゼロ思考もあるため自分の思う通りに事が運ばないと更にイライラ……。
*百ゼロ思考〜何事も「0か100か」「善か悪か」等はっきりさせてしまう思考方法
「自分を邪魔する」という感覚
私も、長女のように自分が集中したい時、他人の音に過敏になります。
学生時代、自習室でおそろしく筆圧の高い人のペン音にイライラして、気が狂いそうになった感覚を今でもリアルに思い出せますww
その時は、その筆圧の高い人をひどく無神経な人だと思っていました。
けれども今思えば「お互い様」の精神に欠けていたり、「自習室は筆圧の高い人が使うべきではない!」的なマイルールが強かったのかもしれません。
人の物音が気になるなら、自習室で勉強しなければいいんですよね。
そういう風には全く考えられなかった私は自他の別が曖昧だったと思います。
そして、問題の長女も日頃自他の別が曖昧だと思うことがよくあります。
自分中心に物事を考えるので
集中したい時に他人の発する音=自分を邪魔している
という構図になってしまう。
そして、それが他人への批判的・攻撃的な言動に繋がってしまうのです。
長女の課題
(1)集中したい時に他人の物音に過敏になりやすいことを自覚する。
環境が許せば、ノイズキャンセリング搭載の耳栓等を使うのも1つの方法だと思います。
(2)イライラを解消するスキルを身につける。
放課後デイの活動で「イライラの解消方法」を考えてきた長女。
「深呼吸をする」方法でイライラを解消したいと考えたようです。できるかな〜。
(3)お互い様の精神を学ぶ。
自他の別が曖昧だと「お互い様」という感覚が欠けがちです。
他人の言動に迷惑だと感じる時があっても「自分も他人に迷惑をかける時があるのだからしょうがない」という考え方ができるよう徐々に伝えていきたいと考えています。
インチュニブ2週目の効果
とうとうインチュニブ(ADHD治療薬)服用開始から2週間が経ちました。
とは言っても1週目を過ぎても、家庭では大きな変化はみられず事細かに次女の様子を見る意欲は格段に失せましたww(←おい!)
保育園担任の話
服薬後の次女の保育園の様子を次女の担任に確認しました。
担任「特に変わった様子はないですねぇ…」
やっぱり。
家で大きな変化がないのであれば、保育園で変化があるということもないだろう。。
そして、もともと多動や他害で問題となっていた訳でもなし(「多動」の特性はあります)。
また、保育園なので我慢して着席していなければならない状況もありません。
けれども、次女が困っていることが一つあります。
遊びの途中でハイテンションになり過ぎて友だちに対して一方的な関わり方や衝動的な行動をしてしまい、友だちとトラブルになること。
これについては、服薬を始めた後もちょこちょこ問題になっています(泣)。
「衝動性」に効果はある?
以前ブコメで同じくインチュニブを服用しているお子さんの保護者の方から
「衝動性には効果がないと思う。」
と教えて頂きました。
現在、保育園児次女の困り事は「衝動性」がメインなだけに「衝動性」にインチュニブが効いていないのであれば残念です。
けれども、ひとつ衝動性が抑えられるようになったのかな?と感じた出来事がありました。
ある日、大きな公園へ遊びに行った日のこと。
大きな公園は気兼ねなく体を思いっきり動かして遊ぶことができて良いのですが、普段次女は一瞬目を離すとどこかへ行ってしまいプチ迷子になることが良くあります。
けれども、その日はいつものように親から離れていってしまいません。
「どうしたの?」と聞くと
「迷子になったら困るから一緒に来てよ!」と次女が言うのです!
後先考えずに行動を起こさず、親から離れた場合に起こりうるデメリットを考えられたことに本当に驚きました。
作業療法と言語療法の様子
もともと病院での作業療法及び言語療法の訓練に次女が落ち着いて取り組めず、訓練の効果が定着しにくいということが主治医の投薬判断のきっかけでした。
服薬1週目の段階では、次女に大きな変化はなく、各訓練はいつも通り捗らなかったようです。
しかし、服薬2週目の言語療法の後、言語療法士から
「別人のようでした。さくさくと訓練できました!」
と言われました。
やはり「訓練」という学びの場では一定の効果はあったよう。
(家では別人のように感じるほどの変化はありませんがww)
主治医からも
「前だったら、(次女)ちゃんが近くにいたら(騒がしくて)スグにいることがわかったのに、服薬後はすぐには気づかないくらい大人しくなったねぇ」
と言われました。
そう言われてみると、大人しく待つことが増えた気もします。
つまり、服薬後は以前より落ち着きある行動がとれるようになり、学びの場では学ぶことに集中しやすくなったようです。
服薬前、主治医は服薬が必要な理由について次のように説明しました。
一般的に就学前は、いろんな分野で学びや体験を深め入学に備えるものだけど、今の次女ちゃんの状態だと、何かを学んでもすぐ忘れてしまいその場限りになっている可能性がある。
けれども薬を使う事によって学んだことを定着化させる効果がある。
次女の場合、主治医が期待する効果は出ているようです。
今後
次女は服薬後、学びの場(作業療法等)で落ち着いて学ぶことができるようになりました。
そうであれば主治医が言うように
「薬を使うことによって学んだことを定着化させる効果がある。」
ことを期待して今後も様子をみていこうと思います。
児童デイサービスや保育園では、衝動的に行動しがちな次女に丁寧に人との関わり方を指導してもらっているので、その指導効果もあがってくると良いのですが。
おわりに
服薬前は服薬の子どもへの影響は如何ばかりかと不安な気持ちでいっぱいでした。
けれども、次女の場合、びっくりするような大きな変化もなく、(今のところ)マイルドで限定的な効果の表れ方です。
主治医が言った
「(薬を)飲んでみないと(薬がその子にどのように作用するかはっきりと)わからない」という言葉を実感しています。
今のところ、次女は週1回作業療法等のため通院しており、その度に主治医の診察を受けることもできるので、今後も次女の様子を主治医に報告・相談し、継続的に次女の投薬について(必要の有無も含め)考えていきたいと思います。
日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査&日本感覚統合インベントリー
先日次女が「日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査」を受けました。
作業療法の訓練内容に反映させるために年に1~2回受けています。
この検査は、感覚運動、言語、非言語的認知能力など、発達全般にわたる全26項目の評価項目によりなる就学前幼児(2歳9カ月~6歳2カ月)を対象とした発達スクリーニング検査です。
その結果、項目により結果の差異は非常に大きく出ました。
苦手なこと
特に低かったのは「巧緻性」の検査で、2歳程度の結果だったようです。
詳細は分かりませんが、積木を積上げる検査で次女は非常に少ない数の積木しか積み上げられなかったそう。
手先の器用さ、巧みに指先を使う能力、集中力、判断力etc…について顕著に凹んでいるとのことでした。
また、他の検査項目から同時並行作業が著しく苦手であることも判明しています。
上記の結果は、前回の検査結果と大きく変わらないとのことだったので、これまで作業療法で重点的に訓練しても大きな発達はなかったようです(はぁ~)。
改善したこと
眼球運動能力が向上したそうです。
以前は指示される方向に眼球だけ動かすことができなかったところ、指示される方向へ眼球を動かせるようになったそうです。
眼球運動能力もできるできないがあるんですよ。
知ってました?
確かに、私も寄り目をすることは苦手なところ、簡単に寄り目や白目ができる人がいることを考えると不思議ではないのかも知れません。
今後の訓練と服薬
作業療法士の話によれば
「現在は、本人の特性の関係で落ち着いて訓練に取り組むことが難しいため、本人が苦手とする訓練は行っていない。
けれども、ADHD治療薬の効果が出てくれば、特に苦手な分野について訓練ができると思う」とのこと。
現在就学前で様々な学びの時期であるところ、次女は何かを学んでもすぐ忘れてしまいその場限りになっている可能性がある。けれども薬を使う事によって学んだことを定着化させる効果がある。
という主治医の説明が投薬に踏み切った理由の一つではあるけれど、直截的に「薬を使えば訓練できる」と言われるとモヤモヤします。
薬の効果が出て、落ち着きを取り戻せばスムーズに訓練はできるかもしれないけど、その訓練の効果は将来的に服薬の有無に関わらず定着するのか?
そんな疑問が頭に浮かんだりもしますが、服薬の効果も含めて何事もやってみないと分からないのがこの世界の話なので、とりあえず様子を見ていこうと思います。
JSI:日本感覚統合インベントリー
上記検査と同時期に「JSI:日本感覚統合インベントリー」という発達障害児を対象とした感覚統合検査を受けました。
この検査は、発達障害児(者)の感覚情報処理の問題(感覚統合障害)を評価するために開発した行動質問紙に保護者等が回答記入する形式の検査です。
簡単に言うと本人のどの感覚(前庭感覚、体性感覚、視覚等)が過敏または鈍感なのかを評価する検査です。
評価は「Green」「Yellow」「Red」の三段階評価です。
Green:典型的な状態(健常児の約75%に見られる状態)
Yellow:若干、感覚刺激の受け取りに偏りの傾向が推測される状態(健常児の約20%に見られる状態)
Red:感覚刺激の受け取り方に、偏りの傾向が推測される状態。すなわち、ある刺激に対して過敏だったり鈍麻である状態(健常児の約5%に見られる状態)
*サマリーシート
次女の評価は、8項目のうち2項目がRed、残りの項目がYellow。
約1年前に同じ検査をした時はRedの評価は1項目でした。
総合点も20点程度増え、感覚過敏の程度が上がっているようです。
感覚的な問題が次女の行動に影響を及ぼし、服薬という主治医の判断に繋がったのかもしれません。
この検査はネットから検査の書式をダウンロードすることができ、三段階評価も行えます。
質問用紙
http://jsi-assessment.info/jsi-r2002.pdf
サマリーシート(スコア換算表)
http://jsi-assessment.info/summary2002.pdf
評価することで医学的な判断はできませんが、感覚的な特徴や特性を捉えるために使用しても良いかもしれません。
おわりに
次女のミラー幼児発達スクリーニング検査、日本感覚統合インベントリー双方の結果はあまり喜ばしい内容ではありませんでした。
検査結果というのはシビアですね。
「発達障害は治らない」という現実を突きつけられます。
現状を把握するための検査なので当然なのでしょうが。
「(検査結果をみると)入学したら、体育や図工はなかなか難しいかもしれません」
と作業療法士に言われました。
「そんな言い方しなくても…」と思います。
スキーだって上手だし、かけっこも早くはないけど一生懸命走れる。
なわとびもそんなに上手ではないけど楽しんでいる。
絵もそれなりに上手に楽しんで描ける。
苦手なこともあるけど、得意なことだってあるのだから次女なりに楽しく学校生活を過ごせるのではないかと考えています。
インチュニブ1週目
次女がインチュニブ(ADHD治療薬)の服用を始めて1週間が経ったのでその経過について書きます。
1日目
インチュニブは「傾眠」(眠気が出る)の副作用があるため、1日1度の服薬は夕食後です。
そのため、服薬1日目と言うのはこの記事では服薬開始日の翌日ということになります。
この日は夕方に近所の友だちが自宅に遊びに来てくれました。
次女が友だちと遊ぶ時はいつも、仲良く遊びたい気持ちが高まるあまりハイテンションになり、行き過ぎたちょっかい行動をしてしまうことがあります。
この日も2人が仲良く遊べるか心配で見張っていたのですが、終始仲良く迷路遊びをしていました。
友だちの帰宅後、次女の気配がないことに気づき様子を見てみるとお昼寝中!
自宅で夜以外に寝ることは、この何年もなかったので、「傾眠」の副作用が現れたのかもしれません。
2日目
長女の用事の付き添いで車で待機中に昼寝。
これも「傾眠」の副作用か?
眠気のため気だるそうな様子はありますが、自分の要求を伝える時は一方的でいつも通り。
3日目
担当保育士に服薬を始めたことを伝えました。けれども保育園では特に変わった様子はないとのこと。
本人によると保育園での昼寝はできたそう。
次女は保育園での昼寝では、なかなか寝ることができず、騒いでしまい注意されることが度々あるようです。
そのために保育園に行き渋りがあることを考えると「傾眠」の副作用は現時点ではかえって好都合。
この日は帰宅後も眠そうな様子がありました。
でも、自分の要望を主張する時の「状況の読めなさ」「説明の通らなさ」は変わらず。
4日目
服薬後初めて行った児童デイサービスでは特に変わった様子はないとのこと。
自分の要求を叶えるために強い主張することは変わらず。
5日目
服薬前は朝のお支度がなかなか終わらせることができない日も多かったけれど、服薬後は何度も注意しなくても終わらせることができています。
保育園での昼寝も1時間半程度したとのこと。
これまでの経過から「傾眠」の副作用は確実に出ていると思います。
保育園の帰り、遊びの途中で帰ることが納得できず、玄関で帰りしぶりし、先生の助力で何とか玄関を出ることができました。
また、自宅での姉妹喧嘩は相変わらず激しいけれど、姉へのちょっかい行動は多少少なくなったかもしれません。
6日目
自宅での朝学習は積極的に取り組みました。
けれども「やった分だけおこずかいが貰える!」モードにスイッチが入ると服薬前にも勉強への集中度が格段に上がることはしばしばあったので、薬の効果と言えるかどうかはわかりません。
保育園では、昼寝をして夢を見たと話すので今日もよく寝れたようです。
けれども、具合悪いところはないかと次女に聞くと、頭がドクドクするとのこと。
服薬と関係があるかはわかりません。
今日も姉妹喧嘩は相変わらずひどい…。
7日目
この日は病院で作業療法、言語療法を行う日です。
それぞれの療法士によると、大きな変化は特になかったとのことでした。
診察ではインチュニブを継続することが決まり、2週間分処方されました。
と言うのも、たまたま次女が廊下で主治医に話しかけられた時に、緊張した面持ちで主治医に挨拶をしました。
主治医
「(以前と比べ)随分変わったね~。前は誰に対しても態度が変わらなかったじゃない。
情報が頭の中に留まるようになったんだよ。」
と、薬の効果を感じているようでした。
居眠りや昼寝等をするようになったので「傾眠」の副作用が出ているかもしれないと主治医に報告したところ、
主治医
「今まで、寝る暇もなく過活動な状態であったけれど、薬のせいで落ち着いたってことじゃない?」
「傾眠」の作用は、血圧が下がることが原因だと理解していたのですが、それとは意味合いが違うような?
1週間を振り返って
インチュニブは服薬後1~2週間後に効果が現れる薬と知っていながらも、日々次女に変化はないかと気にする毎日でした。
結果的に、明らかに変化が認められたことは「傾眠」しかなかったので、引き続き様子をみていくことになります。
幸い次女は薬の服用が好きなようですし、1日1錠夕食後に飲むため親子ともに負担 は大きくありません。
しかし、どんな変化があるかとドキドキしながら様子を見た1週間。
たいした変化もなく拍子抜けしました…。
6歳の子がインチュニブ(ADHD治療薬)飲み始めました
次女(ADHD診断あり)が6歳になりインチュニブを飲み始めました。
①何故服薬することになったのか
②インチュニブはどんな薬?
③服薬後の本人の変化(次回以降に書きます)
等について書いていこうと思います。
★目次★
成長と共に特性の表れ方が目立ってきた
今年の夏頃から次女の様子が大きく変わりました。
これまですぐ忘れていたことが記憶に残るようになり、またこれまで気づかなかったことに気づくようになりました。
そのせいか、特性が原因と思われる問題がぐんと増えました。
どんな問題が増えたのか?
(1)人との関わり方が一方的なため、友だちや姉とのトラブルが増えた
(2)感覚過敏の程度が大きくなり頻繁に何らかの不快感を示す(偏食等)
(3)ひとつのことに集中できる時間が短くなったため、朝のお支度ややるべき事を最期まで終えることができない
(4)刺激に弱く、すぐに別のことに気を取られるので指示が通りにくく、また状況を無視した行動をしがち
これらの問題について主治医に報告したところ、主治医はADHD治療薬を勧めるようになりました。
けれども、次女は、発達障害に理解を示す保育園に通園しているためか、前よりトラブルは増えたものの本人が大きく困っている状況とも思えませんでした。
そのため、保育園の担任、児童デイサービスのスタッフにも相談しましたが、投薬を勧める意見はなく一旦判断を保留することに。
とは言っても、全体的に次女の生活の質は落ちていく一方でしたし、週1度行う作業療法、言語療法では「(次女が)前より訓練に集中しなくなった」と言われるようになりました。
主治医が投薬をすすめる理由
作業療法士等から主治医へ、次女の最近の訓練状況が詳しく報告されたのをきっかけに、主治医がはっきりとADHD治療薬を勧めてきました。
【主治医】
(1)一般的に就学前は、いろんな分野で学びや体験を深め入学に備えるものだけど、今の次女ちゃんの状態だと、何かを学んでもすぐ忘れてしまいその場限りになっている可能性がある。
けれども薬を使う事によって学んだことを定着化させる効果がある。
(2)おそらく就学後は服薬の必要性が今以上に出てくる可能性が高い。
薬の効き方には個人差があるので、本当に困る状況になってから服薬するよりも、今から服薬を始めて、適切な使い方を見極めていった方が、就学後に始めるよりも余裕をもって対応しやすい。
(3)お友達との関わりでトラブルが頻繁におこると評判も悪くなり、次女にとって過ごしにくい環境が生まれてしまう。
という説明を受けました(大意)。
現在、次女は就学後に苦労しないようにと作業療法、言語療法を週1回受けています。
そして、週2回児童デイサービスに行き、主に小集団内でのソーシャルスキル等を学んでいます。
また、注意力や集中力のコントロールに困難のある次女は学校の授業に付いていけない恐れがあるので週1回学研教室に通い、国語と算数の先取り学習を行っています。
こんなに次女が毎日頑張って学習・訓練をしているのに、これらの成果が出ずその場限りになってしまうのは、大きな問題だと思いました。
投薬を決断した理由
ADHD治療薬に関することはこれまで散々調べてきました。
発達障害の子への支援の1つとして欠かせないものだと認識しています。
けれども、薬を使うことは本人の心身に大きな影響を及ぼすことです。
仮に投薬することによって大きなメリットがあったとしても、副作用というデメリットもあります(もちろん総合的にメリットの方が大きいケースが多数だと思います)。
それを本人の意向を確認できない状態で決断することは、不安が大きく、とても勇気のいることでした(現在次女は自分の状態を言語化することは難しいです)。
けれども、次女の主治医及び医療関係者(作業・言語療法士)が使った方が良いと方向性を示す中で、曖昧な理由で判断を保留し続けることは意味がないことだと判断しました。
そして、毎日のように療育等を受けている次女が、特性のために極端に学びの効果が小さい状況に陥っているのであれば、それについて支援が必要です。
インチュニブとは?
小児のADHD治療薬の選択肢として
がありますが、次女は「インチュニブ」を服薬することになり、1週間分処方されました。
インチュニブとは?
【参考】「インチュニブを飲んでいるみなさまへ」シオノギ製薬他2017.5
- 小児のADHD治療薬で、「不注意」「多動性」「衝動性」の改善が期待されます。
- 1日1回の服薬(決まった時間)
- 脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられている
- 1㎎と2㎎の2種類の錠剤がある
- 血圧低下・低血圧や叙脈による自覚症状があらわれることがある(「頭が痛い」「ふらつき」「めまい」等)
- 眠気による自覚症状があらわれることがある(「眠くなる」「体がだるい」「ぼーっとする」)
参考にした上記資料によれば、
ADHDの人は、脳内での情報伝達が適切に調節されていない可能性がある
↓
インチュニブは脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられており、これにより、ADHD症状の改善が期待される
と書かれていました。↓
また、主治医の(ざっくりとした)説明によると、
飲み始めてから効き始めるまでの期間は
ストラテラ(1カ月位)<インチュニブ(1週間位)<コンサータ(すぐ効く)
と、真ん中ぐらいの効き方だそうです(個人差有り)。
おわりに
服薬を始めてから、まだ3日目とあって次女に大きな変化は今のところみられません。
けれども、眠気があらわれているようで、1日目2日目の両日、隙間時間に昼寝をしました(この数年昼寝は滅多にしたことがないのに!)。
今後、大きな変化が出たら記事をアップしようと思います。
★なお、この記事は発達障害の治療としてADHD治療薬を積極的に勧める趣旨の記事ではなく、あくまでも個人的な記録として書いています。
とうとう次女がADHD治療薬を使うことに。
— にのの (@ninono0412) 2017年10月14日
たまたま使い始めた日に髪を切った次女が節子っぽくなったため、副作用のせいか眠気でウトウトしている様子が、もう死期が近い節子とダブってめちゃくちゃ切なくなってしまったけれど、それ違うから!という…