にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

子どもの言葉の遅れの原因と作業療法

現在4歳になる次女は、今年2月に受けた発達検査の結果から言うと1歳程度の言葉の遅れがあります。

 今のところ、通園する保育園では、言葉が下手なりにもお友だちとコミュニケーションは取れているようで、保育士さんには「お友達と仲良く遊べていますよ!」とは言われますが、実際は言葉が通じない・聞き取れない場面が多々あることでしょう。

このまま、言葉が遅れたままだだといつかは

「お友達と仲良く遊べなくなるのでは?」

「入学したら、授業が理解できないのでは?」

と不安に思う毎日です。

 

感覚統合療法とは〜発達の木

次女は週1回作業療法を受けています。

先日、担当作業療法士(以下「OT」と言います。)に

「次女ちゃんの言葉の遅れは感覚統合の問題と関係あるのでしょうか?」と尋ねたところ、OTから見せて貰ったのが次の「発達の木」の図です。

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出典:http://www7b.biglobe.ne.jp/~kotobuki-fukurounoie/sensory-way.html

次女は、現段階では上図の木の根っことなる基礎的感覚のうち「聴覚」が何らかの原因で不安定であること、今は「第1段階」または「第2段階」の感覚についてのトレーニングを重ねている段階であり、「話しことば」は「第3段階」の発達に位置づけられるそうです。

つまり、今は木の根っこに近い基礎部分の感覚について発達を促す必要があるということです。

↓これは、上図の「発達の木」と同内容が表になったものです。

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出典:感覚統合療法とその部屋のあり方について

一つ一つの感覚(上表の下部)はお互いにつながりあい,「脳の最終産物」(三角の頂点)に向かって発達します。例えば,子どもたちが学校で行う教科学習の能力も,身体をたくさん動かし,いろいろなモノと触れ,関わることを通してなされる感覚統合の発達が基盤となっています。

次女が「話す能力」を獲得するには、基礎から一つ一つ段階を経て各感覚を成長させる必要があるようです。

 

 作業療法

では、次女が今受けている作業療法の具体的内容について。

今のところ、身体を動かす遊びと机上の遊びの二つに分かれますが、身体を動かす遊びとしてメインとなるのが、ブランコ遊びです。

OTはこのブランコ遊びで「(前庭感覚に)刺激を入れると、机上の遊びで集中できるようになる」と言います。

実際、ブランコ遊びで存分に体を動かすと、次のプログラムとして行う机上の遊びの集中時間が長くなるようです(机上の遊びは上図の「発達の木」で言うと「注意力」の訓練になるそうです。)。

*小学生のお子さんが作業療法で体を動かすトレーニングを行った後、学校の授業に参加すると、授業への集中力が高くなる効果があるとOTが言っていました。

 

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★ブランコ遊び

 

机上の遊びは塗り絵や点繋ぎ、輪ゴム・粘土遊びが多いようです。

次の商品は実際に作業療法で利用しているものです。

わごむパターンボード

わごむパターンボード

 

 

 感覚の訓練は自宅でもできます。

その一つに、風船を床に落とさないように、空中に向けて風船にタッチする遊びがあります。

風船を目で追う、空中から落ちてくる風船にタッチする距離感覚、風船にタッチする時の力加減等いろんな感覚の訓練になるとOTに勧められました。

その他にも自宅でできる訓練はいろいろあるので、書籍を参考にすると良いでしょう。

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

発達障害の子の感覚遊び・運動遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう1 (健康ライブラリー)

 

 

 感覚統合障害について詳しく書かれた本です。

とても勉強になりました(お勧めです!)。

 

ちなみに、長女も普段座る姿勢が猫背気味で、お尻をあちこち動かしたり、足を座面にのせたりと、落ち着きがなく、正しい姿勢で座ることができません。

これは、「姿勢保持に必要な筋緊張が弱い」ことに原因があるそうで、長女も作業療法を行っています。

ninono0412.hatenablog.com

 

おわりに

 冒頭にも書いたように、次女の言葉の遅れは「発達の木」が示すように、一つ一つ感覚の成長を促していけば、いつかは「話す能力」に繋がるかもしれないと見通しのようなものがたち、少し安心しました。

次女の成長を信じて、気長に作業療法等の療育を続けていこうと思います。

 

また、次女の言葉の遅れは、口唇や下の動かし方が下手なことも原因の一つかもしれません。

口唇や舌も筋肉の運動なので意識しなければできません。手とか足など見える部分は目で確認して行えますが,見えないところは頭の中にある身体の地図(ボディ・イメージ)を使わなければなりません。
たとえば,私たちは目を閉じていても,じゃんけんの手の形ができます。しかし,ボディ・イメージが未熟な場合,それはとても大変なことです。

参考:感覚統合療法全編

「ボディイメージ(身体知覚)」は「発達の木」で言うと第2段階です。

「話しことば」が第3段階であることを考えると、発達段階としてはボディイメージを掴むことが話す能力を獲得するより先のようですね。