にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

発達障害の孫に対する祖母の理解と考え

娘たちには、私の母、夫の母と2人の祖母がいます。

2人とも娘たちのことをとても可愛がってくれ、イベント毎にプレゼントも贈ってくれることもあり、娘たちはおばあちゃんのことが大好きです。

そんなおばあちゃんたちが、孫が発達障害だと知った時の話をしたいと思います。

私の母の場合

次女が「言葉に遅れがある」と三歳児健診で指摘され、病院でも発達障害ADHD・注意欠陥・多動性障害)と診断されたので、療育を受けている・・・

と説明すると、母は「言葉が遅れているとは感じないけどねぇ」

と不思議そうにしていましたが、健康診断で指摘されたのであれば、言葉の訓練はする必要はあるのだろうと、母なりに納得したようでした。

 

一方、ASD(自閉症スペクトラム)と診断された長女について

発達障害と病院で言われたので療育に行っている」と話すと、

「ちょっと何かあると、発達障害と言って、そう扱うことが長女ちゃんにとって本当に必要なの?」

と納得いかない様子で私に話しました。

長女の場合は特に「いずれ診断が消えるかもしれない」と主治医に言われているぐらいですし、身体的な発達の遅れや特性もなく、長女を発達障害と言われてすんなり納得する人はまずいません(多くの方が経験されることだと思います)。

その後、母のほうから、娘の発達障害について聞いてくることもなく、時は流れました。

 

そして、つい先日の話です。

 母がNHKのハートネットテレビで「発達障害」がテーマだったと話し始めました。

www.nhk.or.jp

どのような内容の番組であったかまでは聞いていませんが、長女の普段の様子と発達障害の特性が類似していると理解できる内容だったのでしょう。

いつも以上に孫に対する接し方が上手だし、丁寧なので、不思議に思っていましたが、そういうことだったのかと、納得。

そして、以前は「発達障害」という言葉を口にするのは抵抗があるようでしたが、「発達障害」が何であるかを大旨理解したため、「発達障害」と抵抗なく口に出せるようになったようです。

 

その後、母は自分の幼い頃の話を、始めました。

私も初めて聞いた話だったので、随分驚きました。

母は中学受験を経験した後、国立の教育大学に進学して小学校教諭になったという経歴の持ち主ですから、幼い頃から優等生タイプだったと勝手に思っていたので。

母は、長女が発達障害と似た特性があることは認めつつも、自身の幼い頃と今の長女に共通点があることから、いずれ長女の問題行動はおさまる可能性があると考えているようです。

そして、長女について「発達障害」だと、思い詰めて考えない方が良いと私に伝えてくれたのでした。

 

折しも今は、「発達特性よりも、心理的即面(「愛着」等)から長女の言動を理解した方が良い」と専門家からアドバイスを受け、長女の気持ちに寄り添った関わり方ができるよう心がけているところです。

ninono0412.hatenablog.com

 

とは言っても、程度はどうであれ長女に発達凸凹はあるとは思いますが、母の伝えたかったことに、当たらずと雖も遠からずの側面があるのは事実ですし、母の気持ちに感謝しています。

 

 義母の場合

義母には「専門家から娘たちの発達が遅れている部分があると言われている」と、簡単に伝えました。

その時義母は、「明るく素直にすくすく育っているけどね〜」と納得しない様子ではありましたが、それから、特にこのことについて話題となることは殆どありませんでした。

 

そして、つい先日の話。

義母から大まじめに

「(娘たちが)発達障害であれば、私にはすぐわかる。そういうところが全くないもの。」

と言われました。

義母は何十年も医療職に携わっており、この経験からくる発言だと思いますが、発達障害に関わる医療機関に勤めたことはありません。

そのため、特に義母の発言は気にとめませんでした。

 

けれども、義母はADHD風味の夫を自尊心が高い人間に育てた人です。

夫の自分自身を尊重し、認める強さはどこから出てくるのかといつも驚きます。

*夫は、専門機関で調べたことはありませんが、ADHDと診断されるかどうかは別として、ADHDの特性を持つ可能性が高いと思います。

義母は、育児をするうえで、大事な所とそうでない所は見分けることができる尊敬すべき人だと思います。

 

夫の自尊心が高い理由

少し話はそれます。

先日、私はうっかり、義母の寛大さに油断して、夫のADHD特性を原因とする(かもしれない)行動について不満を漏らしてしまいました(うっかりにも程がありますね...)。

勿論、夫がADHDであると言ったわけではないのですが、

「(夫が)あまりに気がきかないので、私の日頃の苦労が多い。」

「でも、それは夫の産まれ持った性質だと思うので、それを私がカバーするのは仕方のないことだと思っている。」

という話を義母にしてしまったのです。。。

義母は「私の育て方が悪かったと言われているようで傷ついた」

と言いました。

(この後、私がどれくらい動揺したかご想像にお任せします。。)

 

ところで、義母の発言から、夫のADHD特性からくる(かもしれない)、管理能力のなさ、衝動性、忘れっぽさ等々があるとすれば、それを義母は、自分の育て方に由来すると考えたのでしょうか。

 

いえ。そんなことは考えないはずです。

今まで、義母は夫のADHD特性を原因とする問題行動は、男子にはありがちな行動だと捉え、気にとめたことはないのでしょう。

義母は私の失言を愚嫁の愚痴だと考えており、「傷ついた」というよりは寧ろ「聞きたくない」ということだったと思います。

 

夫は、これまで数多くの心配を義母にかけたとは思いますが、それについて、義母は夫自身を否定することはせず、必要以上に心配もしなかった。

けれども、子ども(夫)の気持ちに寄り添うことだけは忘れなかったのだと思います。

それが、夫が自尊心の高い人間に育った一番の理由だと改めて気づかされた出来事でした。

 

おわりに 

これまでお話しした通り、けして娘たちが「発達障害」であることについて、母たちから理解されているとは言えませんが、母たちの行動が娘たちにとって、マイナスになることはなく、母たちが娘たちの大切な存在となっていることは間違いないので、私と娘たちは恵まれているのだと思います。

 

そして、母がハートネットテレビを視聴して、「発達障害」について理解したことはこれまでとは違った大きな助けになるとは思います。

きっと、私の口から説明するだけでは、「発達障害」について理解することはなかったとは思うので、ハートネットテレビは今後も何かの時に利用できるかもしれません。

 

また、義母の夫への溢れんばかりの愛情と細かいところを気にしない性格は会う度に気になるところではありました。

親にそのままの自分を認められるという形での愛情を存分に受けて育ってこなかった私にとって、義母の夫への愛情は過剰にも見えたのですが、それが夫の自尊心が高い理由であり、私が娘たちのために見習うべきところなのだと思います。

 

↓本記事とは全く関係ありませんが、祖母と孫が主人公の私の大好きな絵本です。

涙無しでは読めません。

ぶたばあちゃん

ぶたばあちゃん