2度目のK式発達検査〜その結果と報告書
先日次女は2度目の「新版K式発達検査2001」(以下「K式発達検査」と言います。)を受けました。
一度目は次女が3歳2カ月の時に、今回は4歳5カ月の時です。
一度目は発達障害の診断をするための参考として受けたものであり、今回は個別療育を受ける際の参考資料とするために行われました。
その結果は次の通りでした。
*発達指数( )内の数値は前回(3歳2カ月)の検査結果
『新版K式発達検査2001』とは
1.検査は「姿勢・運動領域」「認知・適応」「言語・社会」の3領域から本人の発達を把握します。
2.検査結果は、検査時点での発達状況を年齢に換算した『発達年齢』と、生活年齢と『発達年齢』との比率である『発達指数』で表されます。『発達指数』は、その年齢の平均を100で表されますが、実際にはある程度の幅があります。
3.『発達指数』は、その領域の能力や力を測定するためのいくつかの課題の結果を平均したものであり、実際には課題ごとの内容や取り組みの様子などから考えていくことが大切です。
4.次のブログがK式発達検査について理解を深めることに役立ちました。
発達相談と新版K式発達検査――子ども・家族支援に役立つ知恵と工夫
- 作者: 大島剛,川畑隆,伏見真里子,笹川宏樹,梁川惠,衣斐哲臣,菅野道英,宮井研治,大谷多加志,井口絹世,長嶋宏美
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2013/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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*この本のレビューで発達検査を受けたお子さんの保護者の方が我が子を知るのに役立ったと書いています。
検査結果数値を知らされても我が子を知ることはできない
前述のブログで言及されているように、K式発達検査で注意しなければならないことは次の点だと思います。
数値の高低だけではなく、得意・不得意のアンバランスさを含めた日常生活における困難や、検査場面における行動観察の結果を十分に考慮するということが大切です。
【参考】
ところで、次女の1度目のK式発達検査に関し、主治医から報告されたことは次の通りです。
- 検査数値(検査結果)
- 検査結果からわかった次女の得意不得意
- それから推測される次女の困り事
もちろん主治医がこの検査の検査者ではありませんから「検査結果が記載された用紙を見てそこから読み取れる内容を話した」ということになります。
ですから、主治医の特性説明も一般論に過ぎず、話を聞きながら「これまで読んだ発達障害本に書かれた障害特性と同じことを言っているな〜」というのが感想で、実際に「困り事を抱えている次女」の具体像がよくわかりませんでしたし、私が日々の生活でどのように次女の困り事に対応していくかの具体的なアドバイスはありませんでした。
後日、検査機関によっては頼まなくとも検査者の心理士等から詳しい検査結果報告がされたり、所見を作成してくれると知りました。
そこで、私は病院に有料でしたが検査報告書の作成を心理士へ依頼しました。
1回目の検査報告書の内容
できあがった検査報告書には次の内容が書かれていました。
- 結果数値
- 検査結果から言えること
- 日常生活配慮していただきたいこと
例えば上記2の「検査結果から言えること」で書かれていたことですが
検査者が言った数字を同じ順番で繰り返す課題では、1つの数字を繰り返すことが限界である様子が見られています。
このように、相手からことばのみで働きかけられる状況では、検査者のことばに注目を向けること自体が難しい、または「何が求められているのか」がわからないと考えられます。
また、上記3の「日常生活に配慮していただきたいこと」では、次女に対する配慮・対応の方法が具体的に書かれていました。
大人が見ている物に(次女)さんの注目を向けて貰うのではなく、(次女)さん自身が”今・現在””その時に”目にしているものや耳にしているもの、手に取っているものなどに対して、「◯◯があったね」「◯◯と聞こえるね」というように要点をまとめた簡潔なことばをつけていく。
このように、大人に関心を合わせてもらうのではなく、(次女)さん自身が関心を向けている物に大人が寄り添い、ことばをかけていくことで(次女)さんにとって、把握しやすく、覚えやすい状況となるよう意識していく。
但し、上記に書かれていたことを私が理解するには、しばらく時間がかかりました。
次女の場合、よくわからないこと・意に沿わないことについては前述の例の検査のように「話した内容のうち1つしか覚えない」。
一方、次女が感心を向けているものについては簡単に2〜3は覚える。
このようなギャップが次女にあることを理解したうえで、前述の報告書のように配慮し、日常生活に活かしていくコツを私が身につけるのには数ヶ月かかったように思います。
「次女が感心を向けている物に私が寄り添う」ということは次女が感心を向けているものが何なのかに着目するということ。
これを私は「しているつもりではあったけれどしていなかったし、次女が関心を向けていることとその範囲に気づくことも最初は難しかった」からです。
2回目の検査報告書の内容
2回目の検査結果は、おそらく依然と大きく変化がないだろうと予想していました。
(けれども、それは素人の考えでもしかしたら、発達指数が伸びているかもしれない...という淡い期待があったのも事実ですが...)
結果は冒頭に記載したとおり、全領域では前回発達指数88であるところ今回は81の結果です。
前回と同様に心理士へ報告書の作成を依頼しました。
今回は前回と比較して次女がどのように成長したか、その違いも報告書に記載されおり比較検討することができました。
「認知・適応領域」で前回の結果と比較すると数値的には大きくダウン。
さらに前回の検査では次女にとっての得意・不得意の差異がなかったところ、今回の検査では差異があり、他の領域よりもバランスが悪かったようです。
親としては、「言語・社会領域」では困り事が多くても、「認知・適応領域」は困り感が少ない!ここを伸ばしていこう!と考えていたところ、数値が下がってしまったのは少なからずショックでした。
数値を下げる原因となった不通過の課題は、手本を覚えて再現するという課題。
次女は見ることに集中する力、手本を記憶する力が弱いようです。
そして、1回目も全体の中で数値が低めだった「言語・社会領域」。
前回との比較が報告書にありました。
検査者の言った数字を同じ順番で繰り返す課題では、2つまで正答できており、さらに短い文章も覚えて復唱することができるようになっています。
まだ年齢相応には至っておらず、一度に覚えられる量としては2つ程度と思われますが、前回は数字1つだけしか正答することができなかったことを考えると、一度に覚えられる情報量が増えたと言えます。
数値が 低めなりにも成長しているということを気づかせてくれる文章を書いてもらえたことは嬉しかったです。
*Kindle版だと323円とセール中のようです(単行本は1080円なのでお得!)。
おわりに
集中することが苦手な次女が約30分かけて行うK式発達検査。
それが、こちらから病院に検査報告書の作成を依頼しなければ、やりっぱなしで終わってしまう。。。
それは本当にもったいない。
大げさかもしれませんが結果数値を知るだけでは発達障害の一般的特性しか明らかにならないように思います。
検査中の本人の行動観察からわかることは沢山あるため、それを日常生活の配慮にいかせるよう、今後も各検査ごとに報告書の作成を依頼していこうと思います。