にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

言葉を「字義通り」に捉える長女〜自閉症スペクトラム障害の一特性

「コミュニケーション」は、

①「言語的コミュニケーション」

②「非言語的コミュニケーション」

の二つが組み合わさることで成り立つことが多いと思います。

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 ①は言葉でのコミュニケーション

②は指さし等のジェスチャー及び表情等言葉を使わないコミュニケーション

しかし、自閉症スペクトラム障害(ASD)は上記②の非言語的コミュニケーションに難かしさがあり、結果、

*他人とのコミュニケーションがうまくいかない

*社会の暗黙のルールが理解できない

といった問題が出てくると言われています。

 

また、この「非言語的コミュニケーション」に難があるために

言葉を「字義通り」に捉える、といった特性が現れるのかもしれません。

 

否定的な言葉をストレートに受け止めてしまう問題

 長女が、家庭学習でわからない問題があり、私に教えを求めることがあります。

それが、以前にも繰り返し教えたことだったりすると、

私もつい「前にも教えたでしょ。だめだね〜」

と言ってしまうこともあります。

これは、悪い例。

この「だめだね〜」という一言を軽い調子で言ったとしても、

その言葉は、長女の心に深く突き刺さり、私は「だめな人間」なんだ…と思ってしまうことがあり得るのです。

私としては、つい発した言葉に過ぎず、長女を責めるつもりはないのですが、「字義通りに」言葉を捉える長女に、私の思いは伝わりません。

 

「だめだね〜」という言葉は、字義通りだと否定的な言葉に違いありませんが、

この言葉を、笑顔で軽い調子で言うのと、怒り顔で強い調子で言うのとでは、

話し手の思いが大きく異なります。

ところが、「非言語的コミュニケーション」に難がある発達障害当時者は、その違いを感じ取れない場合もあるのです。

  

話は戻って、長女の話。

「私はだめなんだ。。。」と長女が、私の言葉を字義通りに受け止めてしまった場合、

目に見えて不安そうな顔をします。

そういう時は、長女自身を否定した訳ではないことを説明します。

このフォローを怠ると、長女と私の関係性が悪化する可能性があります。

長女の場合、「お母さんは私のことが嫌いなんだ。。。」

とまで発想が飛躍しかねないからです。

 

親が発する言葉の、子どもへの影響力は計り知れないほど大きいものだと思います。

かといって、全く否定的な言葉を使わないで、子どもと過ごすことにも難しさがあるので、次の点を気をつけています。

  1. 言い方に工夫する(不適切な行為があっても、否定的な言葉を使わず、具体的にして欲しい行為を伝える)
  2. 否定的な言葉を使った場合、自分の気持ちまたは本人の気持ちが落ち着いた後に、本来伝えたかったことについて、説明し直す。

長女の場合、言葉の伝え方ひとつで、気持ちが大きく下降したり、大きく上昇したりします。

気持ちが大きく上昇した時は、物事に積極的に取り組み、良い結果を出すことができます

 

どのような言葉で伝えると、長女にプラスの効果をもたらすか。

感情的になり、否定的な言葉が出そうになった時に、このように思考すれば、冷静になれる時があります。

 

 

 

「あったかい言葉」と「つめたい言葉」

長女は、「状況を読まず、ストレートに感じたことを相手に伝える」特性があるため、

否定的な言葉等、マイナス要素がある言葉を「つめたい言葉」

褒める、喜ぶ等、プラス要素がある言葉を「あったかい言葉」

と説明し、「つめたい言葉」は極力使わず、「あったかい言葉」を日常的に使うように言っています。

ムスメ向け漫画 | マンガ蒲田家★定型外家族

こちらのブログに「つめたい言葉」と「あったかい言葉」についての漫画があり、長女に見せたところ、漫画の視覚的効果が大きく、理解がしやすかったようです。

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言葉を字義通り受け止める長女の姉妹喧嘩

 次女は、長女と二歳半程度年が離れており、何かと強引な長女に、一歩譲らなければならないことが多いのですが、黙って譲るような玉ではありません。

理不尽な扱いを長女に受けると、猛反発して、いわゆる「つめたい言葉」(ばか!大嫌い!等)を長女に投げかけます。

すると、長女は自分の行いが原因にも関わらず、

「次女ちゃんが、つめたい言葉を言った!」と怒り出すのです。

長女は、何故そのような言葉を投げかけられるのか、その原因・背景を全く考慮できていません。

長女の頭の中は、次女ちゃんが「つめたい言葉」を言ったから、次女ちゃんが悪い!

で占められているのです。

それを長女に理解してもらうには、

  1. まず、長女の気持ちを受け止める。
  2. 気持ちが落ち着いた後に、相手から「つめたい言葉」を言われた原因について、一緒に考える。または説明する。

これを、ことある毎に繰り返すことが必要です。

 

おわりに

字義通りに言葉を受け取る傾向は、実は、私にもあると思います。

子どものきまぐれから出る台詞をスルーできない時があります(汗)。

せっかく作った食事を子どもに

「これ美味しくない!食べない!」

と言われたら、

「あっそ。じゃ食べなければー」

と軽く流せば良いものを、

私「せっかく作ったのに、そういうんだったらもうご飯作らない(怒)」

非常に大人げない。。。

 

なんかいろいろ言ってるけど、ほっといちゃおう。

みたいな鈍感さも、親子共々必要かなと思ったりもします。