「子どもの気持ちを受け入れる」前段階として、「子どもの気持ちに注目する」ということ
2週間に1度、姉妹二人を連れて、大学の臨床発達心理相談室へ通っています。
面談では主に、私が長女に対して日頃イライラしがちなところ、長女の健やかな成長を促すには、長女にどのような接し方をすれば良いか、担当教授からアドバイスを受けています。
*ちなみに担当教授は、認知心理学、臨床心理学、特別支援教育を専門に研究されており、研究テーマにASD(自閉症スペクトラム障害)、発達障害児を扱うことが多いようです。
面談では毎回、私が長女にイライラした時の状況及びその考察を、教授に報告します。
前回の面談では次の2つを報告しました。
①姉妹が些細なことで喧嘩を続けるので、私がストップをかける。
→喧嘩自体はやめるものの、長女が次女をからかうように笑ったり、歌ったりするので、次女がさらに怒る。
→私が長女に「そんな意地悪をして面白い?」と淡々と冷静に問う。
→それを聞き長女は「面白くない...」と言って、からかいをやめる。
②長女が、お友達を海の深い部分まで行って遊ぼうと誘う。
→海の深い部分が怖い友だちはそれを断るが、長女は強引に誘い続ける。
→私や周りの大人が「Aちゃん(友だち)は、深いところが怖いから、一緒に深いところへは行けないんだよ」と説明するが、長女は納得できない。
教授は、この報告を聞き、
「①は長女は行動をストップしたけど、②ではやめることがなかなかできなかったよね。ところで、この①と②の長女への声のかけ方に大きな違いがあるけど、どこが違うかわかる?」
と私に聞きました。
私は、考えたことを答えましたが、それは教授の意図することではありませんでした。
教授は、こう言いました。
「①では、長女の気持ちに注目をしているけれども、②では長女に注目せず、友だちの気持ちに注目をしているよね。」
「長女ちゃんは、例え①のように責められている形であったとしても、自分の気持ちに注目をされていれば、自分の不適切な行動について気づけるのかもしれない。」
さらに、教授は、長女が不適切な行動を重ねる時があるのは、親の注目を受けたいからだと言いました。
正直、私はその解釈が全てではなく、気持ちの切り替えが苦手だったり、百ゼロ思考だったりと発達障害の特性で説明できる部分があるのではと思うところもあります。
しかし、教授は、発達障害特性からのアプローチばかりではなく、心理学からのアプローチも必要だと度々説明して下さるので、全ての長女の不適切な行動を発達障害特性で説明しようとすると、見落とすことも多いのかもしれません。
子どもの気持ちに注目する
最近の長女は、いきなり怒り出すことがあります。
「歯磨きをしたら」と言っただけなのに、
「なんで!(怒)」と言うのです。
以前であれば、「何怒っているの!」と長女を咎めていたのですが、
最近は、「何で怒っているからわからないから、長女ちゃんの気持ちを言ってみて」と
尋ねます。
すると、ちょっと考え込んで、
「まだ、遊びたかったから...」とか
「早く、ママの隣で寝たかったから...」
と素直に話し、怒りが終息します。
このことを、臨床発達心理相談室の教授に話したところ、
上記①と同じように、長女の気持ちに注目しているところが凄く良いと,褒められました。
教授「長女ちゃんも、自分の気持ちに気づいていないのだと思う。だから、あなたがまず、長女ちゃんの気持ちがわからないと思えば、それに関心を持って、長女ちゃんに聞いてあげることが良いと思うよ」
確かに、私自身、急激に噴出する負の感情を自分で扱いきれずに苦しい思いをすることがあります。
幼い長女であれば、なおさら自分の気持ちを理解しないままに感情の波に流されることもあるのでしょう。
私は、自分の負の感情を吐き出せないまま、大人になり、認知の歪みから未だに苦しむことも多い。
けれども、長女は、今からこうやって少しずつ自分の気持ちを言葉にする練習を重ね、自分の気持ちを正しく扱い、他人に伝える方法、ひいては他人とのコミュニケーション方法を学んで欲しいと思います。
一方で、私は、教授が言うように「わからない対象に興味を持つ(注目する)」という方法で、長女の気持ちにアプローチしていくことが今後の課題です。
「子どもの気持ちを受け入れる」ための出発点
子どもとの関わり方について
「まず、子どもの気持ちを受け入れてあげる」とアドバイスを受けることがあります。
それには納得するのですが、現状、前述したように、そもそも長女がどういう気持ちなのかわからないことも多いのです。
そのため、「子どもの気持ちを受け入れる」ということを、普段の生活でなかなかできなかったのですが、私の場合、本人の気持ちに注目する・気持ちを話して貰うということが出発点であることに気づき、目から鱗な気分です。
ちょうど、子どもとの関わり方を学ぼうと、過去にツイッターで話題となっていた次の本を読んでいますが、
第1章は「子どもが自分の気持ちをうまく処理できるよう助けてあげよう」です。
この章を読み進めるには、まず「子どもの気持ち」が明らかになっていないと本に書かれていることにアプローチできないところ、ちょうど良いタイミングで深い気づきを得ることができました。
- 作者: アデル・フェイバ,エレイン・マズリッシュ,三津乃リーディ
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*こちらの本は、上記の本とは著者も内容もほぼ一緒であるようですが、ページ数が多く、近年出版されたものです。
子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全
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