にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

得意なことを伸ばそう!と力の入っていた育児から抜けだしたこと

発達障害だから得意不得意の差が大きい。

だから得意なこと・好きなことを見つけて伸ばしてあげよう。

育児に前向きになれるこの言葉。

発達障害育児に関わっている方は聞いたことがあるかもしれません。

 

私は子どもが発達障害だとわかった当初から何度も見聞きしました。

そして、この言葉におかしな点もないと思っています。

 

けれど、この言葉を信じて我が子の育児をする時に、微妙にずれがあった話を今回はしたいと思います。

  

得意・不得意の差が大きい

うちの娘たちも「得意・不得意の差が大きい」です。

でも、何かかが微妙に違う。

 

どちらかと言えば

「できることと・できないことの差が激しい」

の方が近いと感じます。

 

自分でも不思議に思うのですが、どうしてか

発達障害児だから人より不得意なこともあるだろうけど、人より得意なこともあるはず!

と変換されてしまうのです。

ただの親の願望です(チーン)。

 

娘が発達障害だとわかってから、何か得意なこと・好きなことはないかと、いろんなことを体験させたり習い事をさせました。

しかし、目立って人より得意なこと・執着するほど好きなことは今のところ見つかりません。

 

娘が発達障害とわかってから約4年目にして、娘たちは単なるできることとできないことの差が激しい(ある意味)凡庸な子だと理解しました!

 

得意なこと・好きなことを見つけて伸ばそう!←?

前述した通り、娘たちに「人より得意なこと」は今のところありません。

では、「好きなこと」はあるのか?

一応あります。

 

けれども、精神年齢が低く反応的*1な子たちなので、「好きなこと」は継続的なこととは言えません。

そのため、好きだから「上手になりたい!」とか「いつでもやりたい!」ということもありません。

 

でも、親である私は「子どもの好きなことを見つけて伸ばしてあげたい!楽しみを見つけて欲しい!」

と変にスイッチが入ってしまうので、子どもの思いをよそに私だけが妙に熱心になってしまうのです。

と言っても、子どもが嫌がることをさせている訳でもないので子どもに迷惑がられるほどでもありません。

ただ、子どもはその場その場を楽しんでいるだけなので、私が期待するような伸びしろや継続性はないだけです(チーン)。

 

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長女に「将来何になりたいの?」と聞くと

「パティシエ」と答えます。

 

でも、これまでお菓子作りを自分からしたいと言ったことは数回です。

私の企画でお菓子作りをすることもたまにありますが、楽しんではいるけれど「やっつけ仕事」。

どうして「パティシエ」になりたいのかさっぱりわかりません。

おそらくイメージだけで言っているのでしょう。

 

中学受験勉強

 ところで、長女は中学受験をするために勉強をしているのですが、大手塾に入って勉強するのは一般的に親子ともども非常に大変なことだと言われています。

 

長女は勉強が人より得意とは言えませんが、構造化された枠組みの中で粛々と物事をこなすことはあまり苦に感じません。

また、塾の講習は講師の話が楽しいらしく3時間程度の講習も「あっという間に終わった。面白かった。」と言うのです。

興味を持つ持たないが極端な長女にそう言わせるのはすごいことだと思います。

 

けれども、まだ始めたばかりのこと。

これから3年弱受験勉強が続く訳で、長女の中学受験に対する目的意識も薄く、ほぼ親の主導とも言える受験勉強が続くのか非常に不安です。

 

そこで、長女の受験勉強や育て方について支援者に相談をしたところ、こう言われました。

 

「本人が居心地良いと感じる環境にいれば問題なしです。もともと情緒の発達が遅れているので、本人が「好きなことをする」と考えて動くのは思春期くらいだと考えていいと思います。」

 

「それに、反応的なお子さんなので自分の頑張りがテスト等で点数化されることはわかりやすくてやる気や自信に繋がりやすいと思います」

 

無理をさせなければ「大丈夫」ということですね。 

 ↑娘の中学受験を考えるにあたってこの著者のブログに大きく影響を受けました。

 

 居心地の良いと感じる環境

支援者の言葉にこれまで微妙にずれた育児をしていた自分にようやく気づきました。

前述した

発達障害だから得意不得意の差が大きい。

だから得意なこと・好きなことを見つけて伸ばしてあげよう。

 という言葉に影響を受けた育児のことです。

 

娘のために「得意なこと」や「好きなこと」を親が積極的に見つけようと、あれやこれや奔走していましたが、結局は「居心地の良い環境」を提供すれば充分だったのです。

 

 これまで、それに気づかずに随分頑張ってしまいましたが、

これからは肩の力をぬいて「楽しい〜。面白い〜。」と笑顔をみせてくれる環境があれば大丈夫だと考えます。

 

 

 

*1:「反応的」とは、「主体的」の逆であり、主体性を発揮しようとしないで、起こったこと、さまざまなその人への刺激、問題、事件、出来事に対し、そのまま感情的に反応してしまうこと