にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

生活を大きく変えたインチュニブの意外な効果〜小3長女の場合

長女はストラテラを約3カ月間服薬した後、コンサータに薬を変えました。

ストラテラからコンサータへ薬を変更した理由は大きな効果がなかったからです。

けれども、コンサータも長女の困り感を解消するような効果はありませんでした。

夫の困り感は劇的に解消したので期待していたのですが...。

ninono0412.hatenablog.com

 すると主治医は次にインチュニブとコンサータの併用をすすめてきました。

<目次>

 

コンサータとインチュニブを併用した理由

長女の薬を増やすことに気はすすみませんでした。

長期的に考えた時にADHD治療薬が心身にどのような影響をもたらすかわからないことが多いからです。

けれども、次の理由からインチュニブの服用を決断しました。

 

①今日本で認可されている小児用ADHD治療薬はストラテラコンサータ、インチュニブしかなく、そういった意味で長女にとってインチュニブが最後の機会になること

 

和歌山市の生馬医師がブログで次のようにインチュニブについて説明していたので、長女の特性にも効く可能性があると考えた

インチュニブというお薬は、集中力を高め多動衝動を改善させるだけのコンサータとは違い、それだけではない様々な効果(感覚過敏、不安、トラウマ、睡眠障害を改善させるといったような)を合わせ持ったお薬です。専門医がコンサータとすれば、インチュニブは総合医、ジェネラリストといった感じで、ADHDの薬というより、発達障害のお薬と言った方がその特性をよく表せていると思います。また、コンサータとの相性も抜群で、ドイツでアトモキセチンのシェアが減ったというのも頷けます

www.ikomaiin.com

 ③主治医の説明によれば「今コンサータをやめてしまえば、どちらの薬で効果が出たかがわかりにくくなる」とのことだった

 

④次女も既にインチュニブを服用しており、そういった意味で知らない薬ではない

ninono0412.hatenablog.com

 

インチュニブの効果

結論から言うと、大きな効果がありました。

 

長女を生きづらくさせている特性として「自分と他人との境界が曖昧」があります(詳しく知りたい方は次の過去記事をご覧ください)。

これにインチュニブが良く効いたのか、長女が穏やかな生活を送れるようになりました。

ninono0412.hatenablog.com

 

インチュニブを服薬する前は、

自分と他人との境界が曖昧であるゆえに

自分の考えは当然他人に理解されるものと考えているので、受け入れられない、理解してもらえない場合、拒絶された、責められたと考え、すぐに相手に対して悪感情を抱く。

 

他人にも都合や個々の考え方があることに気づけず、思い込みも激しいので、想定外のことを受け入れることが非常に難しく、(こちらからすれば)ちょっとした事ですぐに機嫌が悪くなる。

 

 

こちらが予想もしないところで、長女が不機嫌になり、文句を言われ、更には泣き叫ぶことが日常茶飯事でした。

いくら、長女の特性を理解し、接し方を工夫しても「限度がある...」と思う毎日でした。

 

それが、インチュニブ服用後、長女の態度は劇的に改善しました。

今までの苦労がうそみたいな日々です。

 

インチュニブ服薬前と後の比較

 長女におこった変化について具体的に書きます。

(1) 自分の願い(「夕食にオムライスを食べたい」等日常生活レベル)が叶えられなかった時、あきらめるようになった

→以前は不機嫌になり必ず文句を言った

(2) 妹に不愉快な言動をされても流すことが増えた

→以前はすぐに応戦した

(3) 勉強中問題がわからなくなると不機嫌になるものの、早めに気持ちを切り替え最後まで問題に取り組むようになった

→以前は「絶対にわからない」という気持ちに支配され不機嫌になったまま気持ちを切り替えられず勉強に何時間もかかった

(4) 自分の誤った言動により怒られたり注意を受けても、素直に受け容れるまたは不機嫌にならずに話しを聞けるようになった

→以前は不機嫌になったり、怒りだし泣き叫ぶ等して相手の話を聞き入れなかった

 

インチュニブを服薬しても長女の特性からくる言動に大きな変化はありませんが、自分の不機嫌な気持ちに支配されにくくなり、

相手の言動に対して適切な対応をとったり、気持ちを切り替える力がつきました。

 

毎日を穏やかに楽しく生活できるようになった長女

これまで長女は、毎日毎日相手の言動が許せず、不機嫌になり、怒り、泣くばかりで大変な毎日を送っていたと思います。

成長や療育の効果で「本当はこうしたい、こうあるべきだ」という思いや考えも長女にあったとは思いますが、悪感情に支配され自分自身ではどうにもできず苦しかったと思います。

 

今では、親に怒られる時間(汗)や妹と喧嘩する時間が減り、勉強も以前より早く終わるようになりました。

その分、自分のやりたいこと・好きなことをする時間が増え、笑顔も増えました。

 今はこれ↓を使ってお絵かきをして遊ぶことに夢中になっています。

かんたん! かわいい! とってもきれい!  おえかきパラダイスBOOK ([バラエティ])

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親に怒られたり・注意されたりする頻度が減ったため、親に素直に甘えてくることも増えました。

実はこんなに長女に甘えてもらえるのは長女が生まれて初めてです...。

 

おわりに

インチュニブを服薬する前は、いくら主治医がいて、療育を受けていても「特性により悪感情に支配され相手に対して不適切な対応をとってしまう」という部分は、長い時間をかけていろんな経験を積んだうえで初めて改善するものであり、まだまだ相当時間がかかると思っていました。

そして、療育や経験値で特性が改善する前に思春期に突入し、親子関係は相当こじれるのだろうと後ろ向きな気持ちでした。

 

けれども、インチュニブの効果で自分の感情に支配されず、相手の話を聞けるようになったので、これからは、これまで受けてきた療育の内容を理解できるようになったり、療育の効果が徐々に出てくるのではないかと考えています。

 

★追記★

今回のブログは長女に関するインチュニブの効果について書きましたが、けしてインチュニブが誰にでもよく効く薬という話ではなく、一個人の体験談です。

実際、特性が全く違う次女もインチュニブを服薬していますが、長女と同じような効果を感じることはありません(特性が違うので当たり前ですが)。