にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

発達障害児の中学受験と自立支援

現在小2の長女(ASD&ADHDの診断あり)について中学受験を考えています。

まだ時期も時期なので学校見学もまだですし、本人が私立中学とは何かをさっぱり理解していない(汗)ので、実際に中学受験するかどうかは未定の段階。

それでも、本当に中学受験するのであれば長女の特性にあった塾を探したいと思い、最近中学受験塾選びを始めました。

 

大手集団塾

私たちの住む地域では中学受験をする層は非常に少なく、中学受験専門塾も多くはありません。

そして、中学受験専門塾の多くは四谷大塚と提携しており、基本四谷大塚のカリキュラムに沿って学習を進めるようです。

いろいろ調べましたが四谷大塚の「予習シリーズ」という中学受験用教材は歴史も古く中学受験の標準テキストとして高い評価を受けており、その地位を確立しているとか。

そんな優れた教材があるのであれば、仮に長女が講師や塾と多少相性が合わなくても合格に向けた学習を進められるかもしれないと思い、四谷大塚系列の塾(集団塾)の説明会へ行きました。

 

その感想→

(1) 他者意識に乏しい長女には競争意識が芽生えにくい?=学力が伸びない

集団塾の利点のひとつに「同じクラスの仲間と切磋琢磨し、時には競い合いながら学力を伸ばすことができる」という点があると思います。

そのために毎週テストがあり、テストの成績順位が掲示されるところ、他者意識に乏しい長女はその利点を享受することが難しいかもしれないと思いました。

(2) 人との距離が近い=落ち着いて勉強できない?

また、大手塾はどこもそうなのかも知れませんが、その塾の机は小さく、隣の人との距離がとても近い。

そして、今どのクラスも定員オーバー気味らしく、こんな近い距離に人がいたら長女は落ち着かないだろうし、勉強に集中できないだろうと思いました。

(3) 集団に紛れて無意味な時間を過ごしてしまいそう=集中力が途切れやすい?

そして、わからないことがあっても、集団に紛れてただただ時間を過ぎるのを待つだけの無意味な時間を過ごす様子が目に浮かぶようでした。

 

説明会の後はこのようにネガティブな妄想ばかりが頭に浮かぶだけだったので、とりあえず長女に「集団塾」と「個別塾」のどちらが良いか聞いてみました。

すると迷わず「個別塾」が良いと長女は答えました。

知らない人がいるというだけで落ち着かない気持ちになるようです。

念のため「集団塾」だと友だちができるけど「個別塾」だと友だちと仲良くなる機会はないと説明しましたが、それでも「集団塾」は漠然と抵抗があるようです。

 

 *一般的な「中学受験塾」を知るうえでとても参考になりました。

 

個人個別塾という選択

中学受験専門の個別塾で家から通える範囲の塾は3つあるかないか。

その中で合格者数や合格率をホームページで公開している塾はなんと1つしかありません。

合格者をコンスタントに出していない塾を選ぶ気にはなれませんので、そうなると選択肢となる塾はひとつに絞られます。

その塾は個人塾でブログも定期的に更新しており、塾の様子や塾長の考えをブログで知ることができます。

この塾は教科ごとの担当制でマンツーマン指導。講師は専任とアルバイト学生。

今のところ選択肢がほとんどなく、その塾は説明会もないので、思い切ってその個人塾の春期講習会に申し込みました。

 

塾長との面談

春期講習会申込後、塾で面談がありました。

面談相手は塾長と長女の担当講師。

内容は生活環境の確認と主に塾に関係する雑談でした。

その間、長女は私の隣に座り、出されたお菓子をぼりぼり食べ、話しの途中にも関わらず私に話しかけたりとひたすら「自由」!

最後に塾長は長女のことが「よくわかった」と言ってくれました(トホホ)。

 

【塾長の話の要点】

  1. 子どもの特性をみて学習内容・進度を決めていく。いつ学力が伸びるかはその子によって違う。
  2. 子どもの特性によって合う学校、合わない学校があるので、受験校選びで親に意見することもある。
  3. 同じ部屋で複数人(通常4人程度)勉強することになるが、必要に応じて個室で勉強してもらうこともできる。
  4. 塾にお菓子を持ってきても良い(長女喜ぶww)
  5. まずは塾で勉強することを楽しんでもらいたい

 

個人塾の場合、塾長の考えに共感・信頼できるかどうかが決め手になるところ、ひとりひとりの個性を尊重した教育方針をたてることを重視している点に好感を持てました。

 

一方長女は塾について「勉強するところ」という理解しかなかったところ、そこに「お菓子を持っていって良いところ」というのが加わり大喜び...(トホホ)。

 

一般的に上位校に合格させるのであれば、大手塾のカリキュラムで勉強することに間違いはないようですが、そもそも長女が目指す中学校は上位校とはならないはずなので、そういう意味でも今後大手塾を選ぶ可能性はないかもしれません。

 

中学受験と子どもの自立支援

子どもの特性に寄り添った教育方針を考え・学習計画を立てることが子どもの自立支援に繋がると考えています。

そして、その手段として「中学受験の学習サポート」があるかも知れない…と思っています。

その理由は

  1. 受験勉強をする子どもの様子・成績等を通して子どもの特性(適性)を的確に把握することで特性にあった職業選びに繋がる進路へ導きやすくなる(はず)
  2. 公立よりも私立中高一貫校の方が進路指導が手厚く(推薦入試に強い等)、キャリア教育に力を入れている→早いうちから職業意識が芽生えそう
  3. 具体的な目標を立てにくい高校受験勉強に苦労しそうなので、親がサポートしやすい中学受験をした方が、早いうちから勉強の習慣や基礎学力をつけることができ最終的に大学受験に役立つ(はず)

自分も夫も中学受験の経験はないですし(汗)やってみないとわからないことだらけなので大きなことは言えませんが、今のところ発達障害特性のある長女にとって中学受験はメリットがありそうだと考えています。

 

おわりに

これまで、長女は家でこつこつと通信教材や私が選んだ教材で家庭学習を続けてきました。

しかし、長女の苦手な読解問題や文章題については長女が理解できるよう私が教えることは難しく、わからない長女を怒ってしまうことさえあります。

これでは、親子関係が悪化するだけで中学受験をすることさえ叶いません。

そのため、中学受験はともかく長女の勉強面での良き支援者(塾)を見つけることが必要だと考えています。

 

また、塾の春期講習会の終了後、塾長から講習会のフィードバックをしてもらえることになっています。

6日間の講習会の成果は如何ほどか、塾長からはどのようにフィードバックがあるのか非常に楽しみです。