にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

インチュニブ増量の効果と聴覚過敏

次女がインチュニブの服薬を初めて早数か月。

最近の服薬に関する状況について書きます。

 

次女のインチュニブ開始用量は1mgでした。

次女の体重(約20㎏)によって定められた「用法・用量」は次の通りです。

・開始用量 1mg

・維持用量 1mg

・最高用量 2mg

参考:インチュニブ患者向け医薬品ガイド

https://www.shionogi.co.jp/med/products/drug_a/qdv9fu0000015c1k-att/INT_PG201705.pdf

 

しばらく維持用量1mgのままでしたが、特性からくる問題が頻発したため年明け早々主治医の判断で最高用量の2mgへ変更することになりました。

 

増量による変化

服薬当初の変化よりも大きな変化がありました。

①集中力が上がる

一人静かに読書(絵本等)する時間や一人遊びする時間が格段に増えました。

今までだと何をやらせても早々と飽きてしまうのが常でしたが、黙々とひとつの物事に取り組むようになりました。

 

②指示が通りやすくなった

今までは「耳が聞こえないんだろうか?」と思うほど次女に指示が通ることはありませんでした。

今でもすんなり応じるばかりではありませんが、すぐに指示通り動かないにしても、指示が全く聞こえていない(または忘れてしまう)ことはなくなりました。

つまり、次女に声かけする回数が格段に減りました。

また、次女がすぐに指示通りできないと思ったら「少し待って~」と言うようになりました。

 

③過去の出来事を話すようになった

これまでは殆ど過去の出来事について話すことはありませんでした。

けれども、最近では

気になったことを尋ねる、印象深かったことを報告するようになりました。

また、思い出し笑いをするようにも!

 

先日も、次女が保育園で花の寄せ植え体験で学んだことを話してくれました。

 

「しばらくして(寄せ植えの)花が枯れてきたら、枯れているお花を切ったらお花がまた元気になるんだよ!」

私「・・・・(驚いて声が出ない)」

夫「インプットとアウトプットができてる!!(驚)」

 

服薬前、次女の世界には「過去」は存在せず、「今この瞬間」しかなかった(刹那的人生…)ことを考えると、これはもうえらい違いなのです。

ようするに、服薬前はアウトプットをするためのインプットがなかったのかもしれません...。

 

 その一方で、初めて服薬によるデメリットが出ました。

 

③聴覚過敏

ある日次女の担当保育士さんから

「(保育園の活動中)鍵盤ハーモニカをクラスで練習している時に、突然耳を塞いでポロポロ泣き出してしまったんです」

と報告がありました。

これまでも、大きな音がすると手で耳を塞ぐことがあったので、聴覚過敏が多少あるかもしれないとは考えていました。

けれども、このように音のために泣き出したことは一度もなく、とても驚きました。

 

次女に事情を尋ねると

「鍵盤ハーモニカをみんなでやると、とてもうるさいのが嫌だった。だから、カスタネットをすることにした」

つまり「自分も含めグループで鍵盤ハーモニカを演奏すると音に耐えられないので、自分は鍵盤ハーモニカを演奏するグループはやめて、カスタネットを担当することにした」

という話のようです。

泣いてはしまったけれど、自分なりに対処法を考える余裕はあったようなので少し安心しました。

 

この件を主治医に相談したところ

ADHDの子が服薬するようになると音に過敏になる例はある。これに対処するには減薬という方法もあるが、そのうち音に慣れて気にならなくなる例もある

とのことでした。

 

「なるほど」と思いました。

前述した通り次女に指示が通りやすくなったのも、今まで気づかなかった音(声)に気づくようになったからだと考えると、過敏に音に反応してしまうのも無理はありません。

 

今、次女は音のシャワーを浴び続けるというこれまでにない世界を体験しているのだと思います。

それが、ストレスとなっているのであれば、減薬による調整が必要になるでしょう。

 

脳内の情報伝達が増えた状態とは?

”インチュニブは脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられています”

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 参考:「インチュニブを飲んでいるみなさまへ」シオノギ製薬

 

このようにインチュニブには脳に情報が届きやすくなるという効果があるようですが

前述したメリットもデメリットもまさにこの効果が影響していると思います。

 

けれども、服薬を初めて数ヶ月という期間の中では

次女の脳内での情報伝達が適切に調節されている状態とはどのような状態なのか

正直わかりません。

 

でも、現在これまでにない勢いで言葉・情報を獲得しインプットやアウトプットをしていく次女を見ていると、やはりこれまでは障害(ADHD)があるために脳内に適切に情報が届いてなかったのかな?とは感じます。

 

4月になれば次女は小学生。

入学までには、薬の調整も含め

次女にとっての脳内での情報伝達が適切にされている状態がどのようなものか

ある程度答えを出したいと思います。