ソーシャルスキルトレーニングにおすすめの本
ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、自分の気持ちや要求を相手に伝わるように伝えたり、相手に言われたことに対応できることを目的とするトレーニングです。
相手の気持ちや自分の気持ちを理解する・察することが苦手な発達障害者でこのトレーニングを受ける方は多いようです。
長女もソーシャルスキルが乏しいために
・目先のことに囚われ、あいさつ・お礼・お詫びを忘れたり
・ゲームで勝ちたい気持ちが高まり過ぎて、自分ルールを友だちに強制したり
・わからないことを「わからない」と言えなくて、その場から離れたり
・友達と遊んでいるときに、自分のしたい遊びが友だちに受け容れてもらえなかったので、その場から離れたり等
の言動が目立ちます。
そのため、長女の対人関係には支援が必要だと支援者から言われており、家庭でできる良いトレーニング方法はないものかと試行錯誤中。
そして、もっぱら頼りにしているのが市販の本。
長女の好みに合えば一人でも熱心に読むので、最近はイラストや漫画が多用されている本を購入することが多いです。
そこで、今回はソーシャルスキルや社会常識を教える際に役立つオススメの本をご紹介したいと思います。
『マンガでわかるよのなかのルール』
対象年齢:読み聞かせする場合〜4歳程度から、自分で読む場合〜小学校中学年くらいまで
ソーシャルスキルトレーニング用に初めて購入した本です。
「世の中の常識」について「良い例」と「悪い例」2通りのストーリーを4コマ漫画で説明しているのが特徴。
ギャグ漫画で「良い例」「悪い例」を比較して
「こんなことしなければこんなことにならなかったのにね」と明るくそう思える分「世の中の常識」について理解しやすいのかもしれません。
4コマ漫画は多少言葉の意味がわからなくても面白いらしく、子どもは笑いながら読んでいることもあります。
発達ナビでもこの本を紹介しました!
『学校では教えてくれないこと 友だち関係』
対象年齢:読み聞かせする場合〜年長程度から、自分で読む場合〜小学校高学年くらいまで
自分自身を大切にすることを学び自己肯定感を高めることで、相手を大切にする心を育むと共に相手との関わり方を知るための本です。
これも全頁イラスト・マンガ付きです。
登場人物が決まっており、それぞれキャラが立っていて面白い。
どの頁も楽しく読むことができます。
この本では初めに人の気持ちの有り様についてひとつひとつ具体的な例を参考に学びます。
私もこの本に影響を受けて小学生の頃の自分の気持ちの有り様を振り返ってみました。
当時、楽しい・悲しい・イライラするという気持ちを頭いっぱい感じるだけで、このような気持ちになる理由を考えてみることは少なかったように思います。
そのため、その気持ちの波にのまれることはあっても、抜け出すことはできなかった。
けれども、その気持ちが生まれた理由を考えてみることができたら、気持ちの波におぼれることはなかっただろうし、その中から抜け出す方法を見つけだすことができたと思います。
話しはずれましたが、自分の気持ちを大切にすることが相手の気持ちを思いやり大切にすることに繋がるということはこういうことなんだ!と私もこの本から改めて学んでいます。
自分の気持ちを大切にできないと人の気持ちを大切にするという発想は生まれない。
そういうことなんでしょう。
もっと昔にこの本に出会えれば良かった!
↑自分が人と違っていても大丈夫だと学んだ後に読む「友だち関係」シリーズの2冊目。この本では相手が自分の気持ちと違ったときのことも学びます。
『ただしくつかおうことばづかい ドラえもんの国語はじめて挑戦 』
対象年齢:読み聞かせする場合〜3歳程度から、自分で読む場合〜小学校低学年くらいまで
子どもたちに絶大な人気を誇る「ドラえもん」。
長女も、最近学校の図書室で「ドラえもんの学習シリーズ」の本を借りて漢字の勉強をしているのでドラえもん様々です。
この本は「あいさつ」「お礼」「おわび」、入園・入学前に最低限知っておきたい言葉の使い方を学ぶ本です。
ドラえもんの好きなお子さんには絶対にオススメです。
『ことばキャンプ』シリーズ
対象年齢:読み聞かせする場合〜3歳程度から、自分で読む場合〜小学校中学年くらいまで
このシリーズは「聞く力・話す力」をトレーニングする本です。
個人的にはこの本が一番大好きです。
もうもう、イラストがとても可愛い!!(アマゾンで少し中身を見ることができます。)
絵本として読み応えありです。
本記事でご紹介するこれ以外の本と比べ圧倒的に文字数は少ないのですが、絵で訴える力を一番持つ本だと思います。
実地でトレーニングを受けることもできるようです。
『みんなのためのルールブック』
対象年齢:読み聞かせする場合〜3歳程度から、自分で読む場合〜小学校高学年くらいまで
『この本の50のルールは子どもたちがいきいきと学校生活を送れるように、社会にでてからも充実した人生を送れるようにとの願いをこめて』作られたそうです。
ベストセラーになったことがあるらしくアマゾンでもレビューが70以上ついていました。
作者がアメリカ人の方であるせいか、妙に具体的で説得力があります。
例えば
「何かをもらったら、3秒以内にお礼を言おう」
「食べ物を欲張ってとらない」
一瞬自分もちゃんとできていたかな?と不安になっていしまうぐらい直球で世の中のルールを説いています。
楽しく読む必要はない。シンプルにわかりやすく説明されることを好むお子さんにはぴったりの本だと思います。
おわりに
私が今回ご紹介した本を娘の療育として利用する一番の理由は、子どもが何か問題を起こしてソーシャルスキル等を指導する必要が出てきた時に、言葉を選び工夫して説明したとしても私の言葉で伝えるよりは
「この本にこう書いてるけどどうだろう?」と伝えた方が子どもが素直に受け止めてくれるからです。
この方法だと「親から注意される・怒られる」という要素がなくなるからかもしれません。
全くもって、印刷物の力は偉大。
そして、うちの娘の場合、自分が失敗した事実をある程度注意される前に理解しているので、明るいタッチの本を利用してどうすれば失敗しなかったか確認する方法が効果的なようで、もっぱらこれらの本に頼る毎日です。
★目安として各本の対象年齢を記載しましたが、「ドラえもん」と「ことばキャンプ」の本以外は広い意味でまたは子どもの障害特性によっては中学生以上の年齢の方が読んでも良いかもしれません。