子どもを待たせる技術と母親の表情・応答が赤ちゃんに与える影響を調べる心理実験
集中して一気に片付けてしまいたいことがある時に、子どもに邪魔をされて、片付けたいことを中断しなければならない...。
このようなことは、乳幼児がいる家庭では日常茶飯事かもしれません。
けれども、日常的に「このタイミングで、どうしても片付けてしまいたい!」と思う用事はあります。
そんな時はできれば子どもに邪魔はされたくない...。
特に、頭をフル回転させて思考にふけっている時は、私の(少ない)頭の容量を使い切っていることも多く、邪魔をする子どもの気持ちを考える余裕など残されておらず、イラッとすることさえあります。
けれども「ちょっと待ってて。」という言葉がけだけでは、娘は待つことができません。
そこで、どういう工夫を重ねていったのか。
というのが今回のお話。
見通しを持たせる
娘が家にいる時の大きな関心事は、私や夫と遊ぶことです。
できるだけたくさん遊びたい!
常にその気持ちに満ちあふれていると言っても過言ではありません(そのキラキラ感はまさに子犬のよう...)。
けれども、いくら強い気持ちで訴えられても、どうしても済ませたい用事がある時は待って欲しい。
そこで作ったのが「やくそくチケット」。
娘に遊びたいとせがまれた時、自分の用事が終わる時間にプラス10分ほど多めの時間をこのチケットに記入し、娘に渡します。
このチケットがあれば、見通しも立ちますし、確かに約束をしたという安心感が生まれるようで、素直に待ってくれることが多くなりました。
比較的短時間で、済ませたい用事が終わりそうな時は、タイマーアプリを使います。
時間の経過とともに、ケーキが減っていき、時間の概念を理解していなくても、時間が少なくなっていくことがわかります。
残り時間がケーキの量で視覚化されており、見通しが立ちやすいと思います。
タイマーは、待って欲しい時間の見通しを立てるだけでなく、娘に次のような行動を求める時にも使います。
例えば、
・30分間アニメを見ても良い。
・あと10分でお風呂に入る。
・あと10分で遊ぶのをやめる。
私の口から、終わりの時間を告げるより、タイマーの音で終了時刻を知らされたり、随時残り時間を視覚的に確認できた方が娘もあきらめがつきやすいようです。
↓シンプルでより残り時間の見やすさを求めるのであれば、こちらがお勧めです。
無表情・無応答で母親が赤ちゃんに接した時の赤ちゃんの反応
これまで私が用事を済ませるまでの間、娘に待ってもらうために、様々な工夫を重ねてきましたが、1〜2分で用事が終わるときは、「やくそくチケット」に記入したり、タイマーのセットをしたりすることが面倒に感じます。
そこで、何もせずに「ちょっと待ってね。」とお願いする時もあるのですが、長女はどうしても待てずに自分のしたいことを訴え続けることもしばしば。
それは、ほんの少しの時間も見通しを持てないと落ち着かないせいだと、考えていたのですが、別の理由を一つ思いつきました。
もしかしたら、私は「ちょっと待ってね。」と娘に伝える時に、優しい表情で伝えることができていないのかも...。
そして、無表情で最悪イライラしている顔をしているかもしれない...。
そのため、長女は私の態度に不安を感じために落ち着きがなくなり、私の気持ちを確かめるべく、自分の要求を訴え続けるのではないか?
ところで、ある興味深い心理実験があります。
優しく情緒豊かに赤ちゃんに接する母親がいます。
ところが、突然その母親が赤ちゃんに対し無表情・無反応になる。
それを見た赤ちゃんがどのような反応をするか?という実験です。
赤ちゃんは、無反応になった母親の様子にすぐに気づき、なんとか母親の気を引こうと笑ったり、指さしをして母親の応答を引き出そうとしますが、それに応えない母親に次第に落ち着きがなくなり、しまいには泣き出します。
赤ちゃんがいかに母親の表情や応答を見ているのか、母親の無反応・無表情によって受ける赤ちゃんのストレスの大きさがよくわかる実験でした。
Still Face Experiment: Dr. Edward Tronick - YouTube
話しは戻ります。
この実験動画を見て、私は普段娘に笑顔を向けているのか、娘の気持ちに寄り添った応答をできていたのかと考えさせられました。
「ちょっと待って。」の一言も、きっと笑顔で優しく伝えることができれば、娘も不安に思うことなく、素直に待つことができたのかもしれない。
私が娘に安心感を与える応答をしてあげることで、娘もこちらの求めに応じた行動が自然にできるようになるのかもしれません。
おわりに
最近、娘を保育園に迎えに行く前、「素」(仕事モード)の自分から、お母さんモードに切り替えるために、気合いをいれます。
子どもに対しできる限り笑顔で情緒豊かな応答するために「気合いをいれる」と言ったら大げさかもしれないけれど、気持ちの切り替えをすることは、私に必要な子育て技術の一つだと考えています。