児童デイサービスでの療育とその意義
現在、長女と次女は「児童発達支援事業=児童デイサービス」で療育を受けており、療育を始めて次女は11ヵ月、長女は半年経ちました。
今日は、娘たちが受けている日々の療育の具体的な内容と療育を始めてからこれまでを振り返り、療育を受けていることの意義について考えようと思います。
そして、この記事がお子さんに療育を受けさせることについて悩んでいる方の参考になれば幸いです。
診断を受けた頃
私に、娘たちの療育を具体的に薦めたのは、娘たちを診断した児童精神科医です。
「娘さんには発達障害がある。そのため(病院併設の)児童デイサービスで療育を受けた方がいい。」
診断を受けたことによる動揺はありましたが「療育を受けた方がいい」という言葉は、極端ではあるけれど「薬を処方します」と言われたような感覚でした。
当時、既に発達障害は先天的なものだと知っていたので、療育を受ければ娘たちの発達障害が治るとは思っていませんでしたが「医師の勧めることであればとりあえず従う」というような感覚。
そして「何もしない訳にはいかない。前に進まなければいけない。」という思いでいっぱいでした。
診断を受け動揺している中、何もせずに悩むことの方が怖かったのかもしれません。
そして、こんな大きな問題を突きつけられて、自分が専門職を頼らずに「娘たちにとってベストな道」を歩んでいけるとは露程も思っていませんでした。
これまで受けた療育について振り返る
その後、どのように児童デイサービス(以下「児童デイ」と言います。)選んだか、通所することになった児童デイの概要については過去記事の通りです。
① 長女・次女共に通う児童デイ
★療育内容(単独通所・週2回)
↓某月の月間スケジュール
①感触遊び(粘土等)
②制作(工作等)
③クッキング(お菓子作り等)
④音楽リズム
⑤自由遊び(設定した遊びを通して、大人が介入しながら「役割」や「やりとり」を意識して遊ぶ)
⑥公園あそび(外遊び)
⑦紙遊び(折り紙・切り絵等)
⑧お店屋さんごっこ
この月は8種類の設定が組まれているので、週2回通う娘たちは毎回違う活動をすることになります。
10名程度の児童に対し、少なくとも3名のスタッフがつき、これらの活動を2時間で行います。
通い始めた頃は、このスケジュールを見ても「幼稚園や保育園と同じような活動を、各児童の特性に合わせて丁寧に行う」といったイメージしかありませんでした。
しかし、連絡帳・参観日・個別懇談等で徐々にその活動内容を詳しく知るようになり、また、私が療育についての一般的な知識を得るにつれ、これらの活動内容は丁寧かつよく工夫されていると思うように。
微細運動(手先の操作)と粗大運動(全身運動)がバランス良く様々な手法でプログラムに設定されていること、必ず視覚支援のため絵・写真カードが用意され、見通しを持って活動に参加したり、その内容が理解しやすいような工夫...。
感覚統合の訓練も取り入れているようです。
娘たちは、工作・塗り絵・クッキング等、手を動かす作業が好きですが、持ち帰ってくる作品を見る限り、数ヶ月で随分細かい作業ができるように。
↑次女が児童デイで作ったクッキー
長女の場合、毎回10分程度ある個別設定活動の中で、表情カードで他人の表情を読み取る練習もしているようです。
*表情から気持ちを読み取る練習 | ぷりんときっず(このサイトのプリントを使っていました)
このように、娘たちは様々なプログラムを体験し、楽しく取り組んでおかげで、遊びの中で、できることが少しずつ増えてますし、スタッフとの関係も良好なようです。
★保護者との関わり
この児童デイは単独通所かつ児童の送迎をしてくれるため、極端な話、こちらが積極的に関わらなければ、詳しい活動内容はわかりません。
児童デイ選びの際「児童の送迎をする児童デイは何をしているかわからず、内容が良くない所もある」とアドバイスを貰っていただけに最初は、娘たちにあった活動がされているのかを不安に感じていましたがそれは杞憂に終わりました。
要望すればいつでも個別懇談してもらえ、定期的に娘たちの保育園に出向き、特性に応じた関わり方の工夫等について担当保育士と連携してくれます。
また、保護者同士の交流会や果物狩り等のイベントもあり、双方向の繋がりを持ちやすい。
このように、何か不安な時、困った時にはいつでも話を聞き、必要があれば気軽に保護者に、関係機関に繋がってくれる存在が側にいるのといないのとでは日々の生活の安心感がまるで違ったと思う今日この頃です。
②長女が通う病院併設の児童デイ
★療育内容(親子通所・週1回)
毎回、設定された活動は一切ありません。
長女は部屋にあるおもちゃを自由に選び、担当スタッフ(心理士)とマンツーマンで遊びます(約30分)。
この遊びの中で重視されていることは、他者とのスムーズな言葉のやり取り、つまり円滑にコミュニケーションが取れるよう学ぶことです。
遊びの中で、スタッフに一方的に遊びの役割を押しつける、乱暴な言葉で指示を出す、して欲しいことを上手に頼めない等、いろいろ長女の気になる行動が散見します。
しかし、同スタッフは都度、どのような言葉を相手に発したら良いか、さりげなく長女に伝えたり、見本を示します。
それを、私はじーーーっと見て、私が長女に対しどのように関わり、導けば良いのか学ぶのです。
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↑最近の長女はスタッフとレゴ遊びを良くします。
★保護者との関わり
その後、別のスタッフがやって来て、長女と遊びます。
その間は、最初に長女と遊んでくれたスタッフ(心理士)に長女のことを相談する時間です(約30分)。
これまで、長女との関わり方についていろんなことをスタッフに相談しました。
通所したての頃は、長女が持つ特性(例:経験から自然に学び取ることが苦手等)と長女との関わり方等が中心でした。
今思うと、最初の頃は、発達障害の基礎知識を学ぶことばかりに熱心で、長女に丁寧に関わるということが具体的にどのようなことなのかと考えることは少なかったように思います。
けれども、長女にどのように関われば、凹の部分を伸ばしていけるか、問題行動を防ぐことができるか、毎回丁寧にスタッフに教えて貰うことができました。
最近では、長女の他害行為(お友達を叩いてしまう等)等のトラブルが頻発するようになり、その対策を一緒に考えてもらうことが増えています。
こういったトラブルが起こると、先行き不透明な長女の未来に暗澹たる気持ちとなるのですが、トラブルについて説明すると、ある部分については「それはいいですね!」と思いもかけず、長女を褒めてくれることもあるので、「ああ、長女もきちんと成長しているんだ!」と気持ちが救われます。
療育の意義
もし、専門職に療育を勧められ、かつ、子どもにあった信頼できる療育機関があれば、受けた方が良いと私は思います。
私は、子どもの診断を受け、こんなにわからないことばかりなのに、欲しい情報に自分だけで辿りつくことが難しく、誰にでも相談できることでもない…ずいぶんマイノリティな世界に踏み込んだものだと、孤独な気持ちになりました。
でも、療育機関と繋がり、定期的に娘たちが療育を受ける生活にも慣れると、孤独感は徐々に消えていきました。
新しい生活に慣れてきたという感覚にも似ています。
「発達障害である娘たち」に対する自分の見方や考え方がまとまってきたのもあるのかもしれません。
でも、この見方や考え方がまとまってきたのは、娘たちが療育を受け、私が学んだり、気づきを得る機会を得たからこそ、だと思います。
ところで、最近、診断を受けたときの衝撃は薄れたせいか、いろいろ心配で不安になることも減り、家庭内で行う療育についてモチベーションが下がり気味です。
でも、週に1回、必ず児童デイで娘のことを相談することが決まっており、スタッフに新たな気づきや学びを毎回得るため、下がり気味なモチベーションもそこで再び上がり、下がりきることはけしてないのです。
私にとって療育は、私が子どもに丁寧な関わり方をするための学びの場、そのモチベーションを保つ場としての機能がかなり重要。