発達障害児の他害行為を防ぐために周囲ができること
近頃、長女は、保育園で「ちょっとしたことでお友達に手が出る(他害行為)」ため、なるべく保育士が近くにいるように配慮されているようです。
家でも、次女との喧嘩が多くなり、その度に叩いたり、つねったりするので、大きな喧嘩に発展しがちです。
本当は、お友達や次女と楽しく遊ぶことが大好きな長女。
けれども、他害行為で人間関係が拗れてしまっては元も子もありませんし、何より他害行為(暴力)はどんな場合でも許されない行為です。
そこで、長女が通所する児童デイサービスのスタッフと
「長女の怒りを他害行為に繋げないためには、どのような対応が必要か」
を考え、それを保育園へ伝えることにしました。
1 予定やルールを明確にする
長女は、ざっくりと今後の行動やルールを説明されても、経験が乏しいことについてはイメージができず、不安や拒否感を感じると共に、思い込みで自分独自のルールや判断で行動に移しがちです。
これが、トラブルに繋がることがあります。
これを防ぐためには、
これから行われる遊び、行動内容について、どのような設定(予定) またはルールなのか、事前に詳しく説明する。
→長女の勝手な行動や「思う通りにならない」という気持ちを軽減し、活動に集中できることで、お友だちとのトラブルが起こりにくくすることが目的。
2 待つ場面で待てるように、見通しを立ててあげる
どれだけ待てば良いか具体的な表現で見通しを立ててあげることが必要。
- 「〜回数えたら交代できるよ(順番がくる、出発する等)」
- 「あとこれを何回したら交代できるよ(順番がくる、出発する等)」等
このように長女に伝えると、児童デイサービスの活動でも、家庭でも長女は待つことができるので、保育園でも見通しが立てば、待つこともできるのではないかと思います。
気持ちを落ち着けて待つことができれば、イライラもせず、他害行為で気持ちを表出することを避けられるのではないでしょうか。
3 自分の気持ちを上手に相手に伝える練習をする
長女は、本来であれば、ちょっとした不満・怒りならば、相手に自分の気持ちを伝えることで解決できる年齢になっています(年長)。
しかし、その気持ちを言葉で相手に伝えることが上手にできず、一番簡単な方法=他害行為で自分の思いを伝えようとする傾向があります。
これには、
周囲の大人が本人の気持ちを代弁してあげる方法で→
・長女の気持ちを受けとめてあげる
・長女に自分の気持ちを認識させてあげる
このように、長女が気持ちを言葉にするための土壌作りが、現段階では必要です。
例えば、長女が何らかのトラブルを起こした時に、時間を置き、長女の気持ちが落ちついてから、その時の気持ちを尋ねます。
すると、こちらが予想もしなかったことを考えてることがあり、それを言葉に表すことができない長女が一番困っているのだ改めて思います。
自分の思いを実現するためには、自分の気持ちを相手に伝える・相談することが必要であることを、スモールステップで長女に伝えていきたいと思います。
4 場面を変え、クールダウンさせる
興奮の程度が激しければ、対象となる相手から引き離し、刺激のない別室で気持ちを落ち着かせる。
本人の気持ちが落ち着いた段階で、本人の気持ちを受け止めたうえで、「こうできたら素敵だね!」と問題解決の方法を伝える。
気持ちが落ち着けば、物事を理解できる能力はあるので、話を受け入れることができやすいと思います。
他害行為があった場合に、注意するだけでは、本人が「わかってくれない」という気持ちを募らせ、他害行為を続けたり、他害行為の内容が悪い方にエスカレートする可能性があります。
「だめ」と否定的な注意しかされないと、「気持ちをわかってくれない」という不満が蓄積するので、否定的な言い方は気をつける必要があります。
::::::::::::::::::::::::::::::::
今回、長女のイライラ対策を講じるために、参考にした本です。
イラストが多用されていて見やすく、事例からの説明が多く理解しやすいです。
また「イライラコントロール」の方法が初級から上級までと段階を追って、説明されているので、スモールステップで練習を積み重ねていくことができやすいと思います。
発達障害の子の「イライラ」コントロール術 (健康ライブラリー)
- 作者: 有光興記
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
怒りのコントロール
長女の特性・気質から今の短気が、成長するに従って消える....とは思っていません。
だいじょうぶ 自分でできる怒りの消火法ワークブック (イラスト版 子どもの認知行動療法 2) (イラスト版子どもの認知行動療法)
- 作者: ドーンヒューブナー,ボニーマシューズ,上田勢子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
この本は、認知行動療法の原理に基づき書かれた本です。
年長の長女にはまだ、難しかったようで、今は、理解できそうな部分を抜粋して利用しています。
*長女が、成長し、今よりも本を読む力がつけば、全体を通して読むことが出来そうです。
先日、この本に書いてあること(「怒り」は自分の役に立たない、損になる)を理解させるのに絶好の状況が生まれました。
「家族で双六遊び→長女が負けそうになった」
長女「もう、やりたくない!(怒)」
私「どうして、やりたくないの?」
長女「だって、負けるもん。」
私「長女ちゃんが、双六やめちゃったら、お母さんつまんなくなっちゃうから、もう双六しないよ。でも、長女ちゃんが、双六続けるなら、お母さんも双六する。」
長女「…(しばし考えて)まだ、双六する。」
私「うん、一緒にしよう。怒ってたら、みんなで双六できないけど、怒らなかったら、みんなで双六できて楽しいよね!」
長女「うん!」
すごろくをやりたい気持ちを思い出させることで、怒りが自分にとって損であることを長女に感じて貰えたと思います。
おわりに
先日、長女は「ちゃれんじ」の赤ペン先生への送付物で「入学したら楽しみなこと」を選択する時に、「友だちと遊ぶこと」に丸を付けていました。
現状「他害行為」の問題をクリアしなければ、お友達とのトラブルは避けられないでしょう(他にも対人面の問題はありますが…)。
それを思うと、不安な気持ちでいっぱいになりましたが、長女が「友だちと遊びたい・仲良くなりたい」という気持ちがある限り、長女が、まだまだ成長できることを信じたいと思います。