にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

長女がASDとの診断に至るまで

☆今回のブログは備忘録です。

 

病院等への予約(長女5歳8カ月、平成27年1月7日)

次女を児童精神科医に一度診せた経験から、児童精神科医に対するハードルが下がった私は長女も児童精神科医へ診せることにしました。
病院は次女が2回目に行った病院と同じで、今回も予約日に予約を取るのに電話が繋がるまで約2時間かかり、私のスマホのリダイヤル回数は600回を超えました。

 また、同時期に保健センターの「5歳児発達相談」の予約も行いました。

私が住む市では、各区にある保健センターで「乳幼児精神発達相談」及び「5歳児発達相談」を行っており、例えば健診等で言葉の遅れ等が見つかれば、すぐ上記相談窓口を紹介されるようです。
 
「5歳児発達相談」は「5歳児健診」と共に、平成26年10月から新たに始まったもので「基本的な生活習慣や社会性が身につく5歳のときに、発育や発達状況の確認をするためのもの。 安心して小学校への入学を迎えられるように、必要に応じて子どもの成長に合わせた支援を行う(希望者のみ)」ことが目的。
 
長女のように、言葉の遅れ、多動性・衝動性等目に見える形での特性がない子どもは、同年齢の子どもより、発達が遅れていると保護者が気づき始めるのは、小学校入学を意識し始める時期が多いのかもしれません。
 
 

5歳児発達相談(長女5歳9カ月、平成27年1月30日)

長女に関しては、漠然と長女の社会性、情緒面が年齢以下であるような気がする…と長年思っていただけなので、長女のどこが気になるのかを具体的に説明しようと、気になる点を文書にしました。
これを見た担当心理士から「(判断するのに)参考になる」と言われたので、もし初めて子どもの発達について専門機関へ相談する際は作成したほうが良いと思います。
この文書は、後日、児童精神科医の診断の参考資料にもなりました。
↓これはその一部です。
  1. 道を覚えることが苦手。または行き先もわからず先頭切って歩く(道をわかっているつもり?)。
  2. 「今日何する?」「これから何する?」と言うことが多い。
  3. 2つ〜3つ以上の指示が頭に入らないので、一つずつ言わなければならない。
  4. 言うことを聞いてくれる大人には命令や癇癪を連発し、横暴きわまりない。(自他の境界が曖昧?)
  5. 物にぶつかることが比較的多い。
  6. 短時間でも一人で待つことに大きな恐怖?をもつ
  7. 以前、一人で留守番すると言ったにも関わらず一人で家を抜け出し、泣きながら親を探していたことがある。
  8. 手持ち無沙汰な時は身近な物を噛む(服やその時手に持っているもの)
  9. 外出先で知らない人の顔をジロジロ見たり、近寄ったりする。
  10. 外出先で周囲の環境に配慮せずだめだと注意されてもだめと言われたことを繰り返し行う。(レストラン等ではしゃいで歩き回る等)

 

 長女に対して、私は「5歳にしては何か変だ」と日常的に感じており、それが私の文章に表れていると思います。

 

実際の相談では、長女はK式発達検査(おそらく簡略化されたもの)を受け、その結果を心理士から次のように報告されました。

 

  1. 発達検査の結果から概ね発達には問題ない。但し、検査者が積み木を並べ、その後、検査者と同じように積み木を並べるといった数回繰り返してもできなかったので、視覚で覚えるということが苦手かもしれない。
  2. 病院受診の是非については、今特に病院が必要な状態ではないかもしれないが、(私が既に予約している病院が)もともと予約が困難な病院なので取り合えず受診して将来に繋げていくと考えても良いかも。また、長女に困り感が出たとしても、それは小学校からになる可能性が高いけれど、その前に特性が強くでてくるようであれば、それを把握して小学校の担任へ伝えるなどの措置がとることが出来る。
 
発達に問題がないと言われたことに、私はほっとしつつも、疑念は全く晴れなかったので、病院の受診は予定通り行うことにしました。
 

 

受診(長女5歳10カ月、平成27年2月19日)

話はやや逸れますが、この頃姉妹の教育・療育に利用しようとiPadminiを購入しました。

早速購入したアプリが「子ども脳機能バランサー」です。

nanaio.hatenadiary.jp *こちらのブログを参考にしていつもアプリを購入しています。

 このアプリでは、ゲームの得点に応じて、発達年齢が算出されますが、これにより長女が非常に不得意とするゲームがあることがわかりました。
  • 「わたしはだれ?」〜複数のヒントを聞いて、画面に出た4つのカードから、ヒントに合致したカードを選択するゲーム→発達年齢1歳2カ月
  • 「しかくたんさく」→画面に羅列されているカードの順番通り、画面にランダムに配置されているカードをタッチするゲーム→発達年齢4歳6カ月
  • 「ブロック」→積み重ねられている画面のブロックが全部でいくつあるかをあてるゲーム→発達年齢4歳7カ月

 上記の通り実年齢を大幅に下回る結果が出る一方で、「注意力」「空間認識力」「言語力」をみるゲームでは実年齢を2歳以上、上回るという結果も出ました。

この結果から、私は長女には発達凸凹があるのではないかと更に疑うようになりました。

 

受診の際は、「5歳児発達相談」の際にも持参した長女の気になる点のリスト及び上記アプリの結果を渡し、医師からは後日発達検査を行うという告げられ、あっさり診察は終わりました。

 

診断(長女5歳11カ月、平成27年3月26日)

長女が2月下旬(検査時5歳10カ月)に行ったK式発達検査の結果は次の通りでした。
「全領域」89(5歳2カ月)
「姿勢・運動」上限
「認知・適応」87
「言語・社会」90
  • 発達凸凹が著しく出ている。
  • 発達が早い点→絵が上手。絵を描いてもらった結果、人物が良く描写ができている。描画等をする下位検査結果が7歳程度と非常に良くできており、見たことがある物の再現が得意と言える(視覚からの記憶力が強い=視覚認知に優れている)。
  • 発達が遅れている点→左右等の認識力が3〜4歳程度と劣っていることから見えないもののイメージをすることが苦手と言える。このことから、想像力が乏しく、曖昧なものに対する認識が弱いと言える。
  • 以上のことから、自閉症スペクトラム(ASD)の診断は出せる
 
見事に「5歳児発達相談」の結果は覆され、唖然としました。
また、医師からは「想像力が乏しいことから、今後対人関係でトラブルが起こる可能性がある。」と言われ、私は対人トラブルにまみれた自分の過去を思い出し、長女の未来を思うと暗澹たる気持ちになりました。
 
診断が出たとは言え、長女に言葉の遅れ等、目に見えてわかりやすい特性や本人の困り感はないように見えたので、療育のため利用するよう医師に勧められた児童デイサービスも、利用すれば長女に世間的に「障害児」のレッテル貼ることになり、長女の生活にかえって支障を来さないか心配になりました。
この疑念を医師にぶつけたところ、
医師「子どもを褒めて育てるのはとても大切だけど、親がいつも子どもを褒めることなど現実的ではない。 
それなら、その道のプロである療育機関を利用して褒めて伸ばしてもらった方が良い。
療育機関に通うことで偏見の目を向けられるかもしれないが、5〜10年前に比べればかなりマシになった。親以外の大人と多く関わった方が子どもは伸びる
 
こう医師に言われ、私は戸惑いながらも長女の療育をどのように進めるか、考え始めます。
親だけで、子どもにしてあげられることには限りがある
それは私が常日頃思っていることであり、まして担当医師がそう言うのであれば、私はそれを信じ、他機関を利用することを厭わず、長女のために行動する。
 
長女の診断は、次女とは違い、どうしても私の生き辛かった過去を思い出さずにはいられず、動揺が大きかったのですが、医師に療育の指針を示されたことで、立ち止まらずにまた次のステップに進むことができたのでした。 
 
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「5歳児発達相談」と病院との結果が何故違ったか。
 
どちらも行った発達検査は「K式発達検査」です。
私は素人なので、詳しいことはわかりませんが、検査者の違い及び長女のコンディションの違いにより検査結果が違ったのかもしれません。
いずれにしろ、長女の「発達障害」の程度はおそらく「軽度」の部類。
そのため、例えば長女と同じような特性及び特性の表れ方であれば、診断を貰う人と貰わない人と分かれると思います。
 
私の場合は、病院に繋がり、診断を貰った。
それで、良かったと思います。
この病院は、作業療法士言語聴覚士ソーシャルワーカーがおり、児童デイサービスが併設されています。
「軽度」かもしれないけれど、その後、長女は医師の主導のもと、流れに乗って、これらの人々及び施設のお世話になり、長女の具体的な困り感が明らかにされ、支援を受けることとなったのですから。
*但し、私の自治体では、医師の診断を受けなくても、児童デイサービスを利用することはできます。