日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査&日本感覚統合インベントリー
先日次女が「日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査」を受けました。
作業療法の訓練内容に反映させるために年に1~2回受けています。
この検査は、感覚運動、言語、非言語的認知能力など、発達全般にわたる全26項目の評価項目によりなる就学前幼児(2歳9カ月~6歳2カ月)を対象とした発達スクリーニング検査です。
その結果、項目により結果の差異は非常に大きく出ました。
苦手なこと
特に低かったのは「巧緻性」の検査で、2歳程度の結果だったようです。
詳細は分かりませんが、積木を積上げる検査で次女は非常に少ない数の積木しか積み上げられなかったそう。
手先の器用さ、巧みに指先を使う能力、集中力、判断力etc…について顕著に凹んでいるとのことでした。
また、他の検査項目から同時並行作業が著しく苦手であることも判明しています。
上記の結果は、前回の検査結果と大きく変わらないとのことだったので、これまで作業療法で重点的に訓練しても大きな発達はなかったようです(はぁ~)。
改善したこと
眼球運動能力が向上したそうです。
以前は指示される方向に眼球だけ動かすことができなかったところ、指示される方向へ眼球を動かせるようになったそうです。
眼球運動能力もできるできないがあるんですよ。
知ってました?
確かに、私も寄り目をすることは苦手なところ、簡単に寄り目や白目ができる人がいることを考えると不思議ではないのかも知れません。
今後の訓練と服薬
作業療法士の話によれば
「現在は、本人の特性の関係で落ち着いて訓練に取り組むことが難しいため、本人が苦手とする訓練は行っていない。
けれども、ADHD治療薬の効果が出てくれば、特に苦手な分野について訓練ができると思う」とのこと。
現在就学前で様々な学びの時期であるところ、次女は何かを学んでもすぐ忘れてしまいその場限りになっている可能性がある。けれども薬を使う事によって学んだことを定着化させる効果がある。
という主治医の説明が投薬に踏み切った理由の一つではあるけれど、直截的に「薬を使えば訓練できる」と言われるとモヤモヤします。
薬の効果が出て、落ち着きを取り戻せばスムーズに訓練はできるかもしれないけど、その訓練の効果は将来的に服薬の有無に関わらず定着するのか?
そんな疑問が頭に浮かんだりもしますが、服薬の効果も含めて何事もやってみないと分からないのがこの世界の話なので、とりあえず様子を見ていこうと思います。
JSI:日本感覚統合インベントリー
上記検査と同時期に「JSI:日本感覚統合インベントリー」という発達障害児を対象とした感覚統合検査を受けました。
この検査は、発達障害児(者)の感覚情報処理の問題(感覚統合障害)を評価するために開発した行動質問紙に保護者等が回答記入する形式の検査です。
簡単に言うと本人のどの感覚(前庭感覚、体性感覚、視覚等)が過敏または鈍感なのかを評価する検査です。
評価は「Green」「Yellow」「Red」の三段階評価です。
Green:典型的な状態(健常児の約75%に見られる状態)
Yellow:若干、感覚刺激の受け取りに偏りの傾向が推測される状態(健常児の約20%に見られる状態)
Red:感覚刺激の受け取り方に、偏りの傾向が推測される状態。すなわち、ある刺激に対して過敏だったり鈍麻である状態(健常児の約5%に見られる状態)
*サマリーシート
次女の評価は、8項目のうち2項目がRed、残りの項目がYellow。
約1年前に同じ検査をした時はRedの評価は1項目でした。
総合点も20点程度増え、感覚過敏の程度が上がっているようです。
感覚的な問題が次女の行動に影響を及ぼし、服薬という主治医の判断に繋がったのかもしれません。
この検査はネットから検査の書式をダウンロードすることができ、三段階評価も行えます。
質問用紙
http://jsi-assessment.info/jsi-r2002.pdf
サマリーシート(スコア換算表)
http://jsi-assessment.info/summary2002.pdf
評価することで医学的な判断はできませんが、感覚的な特徴や特性を捉えるために使用しても良いかもしれません。
おわりに
次女のミラー幼児発達スクリーニング検査、日本感覚統合インベントリー双方の結果はあまり喜ばしい内容ではありませんでした。
検査結果というのはシビアですね。
「発達障害は治らない」という現実を突きつけられます。
現状を把握するための検査なので当然なのでしょうが。
「(検査結果をみると)入学したら、体育や図工はなかなか難しいかもしれません」
と作業療法士に言われました。
「そんな言い方しなくても…」と思います。
スキーだって上手だし、かけっこも早くはないけど一生懸命走れる。
なわとびもそんなに上手ではないけど楽しんでいる。
絵もそれなりに上手に楽しんで描ける。
苦手なこともあるけど、得意なことだってあるのだから次女なりに楽しく学校生活を過ごせるのではないかと考えています。
インチュニブ1週目
次女がインチュニブ(ADHD治療薬)の服用を始めて1週間が経ったのでその経過について書きます。
1日目
インチュニブは「傾眠」(眠気が出る)の副作用があるため、1日1度の服薬は夕食後です。
そのため、服薬1日目と言うのはこの記事では服薬開始日の翌日ということになります。
この日は夕方に近所の友だちが自宅に遊びに来てくれました。
次女が友だちと遊ぶ時はいつも、仲良く遊びたい気持ちが高まるあまりハイテンションになり、行き過ぎたちょっかい行動をしてしまうことがあります。
この日も2人が仲良く遊べるか心配で見張っていたのですが、終始仲良く迷路遊びをしていました。
友だちの帰宅後、次女の気配がないことに気づき様子を見てみるとお昼寝中!
自宅で夜以外に寝ることは、この何年もなかったので、「傾眠」の副作用が現れたのかもしれません。
2日目
長女の用事の付き添いで車で待機中に昼寝。
これも「傾眠」の副作用か?
眠気のため気だるそうな様子はありますが、自分の要求を伝える時は一方的でいつも通り。
3日目
担当保育士に服薬を始めたことを伝えました。けれども保育園では特に変わった様子はないとのこと。
本人によると保育園での昼寝はできたそう。
次女は保育園での昼寝では、なかなか寝ることができず、騒いでしまい注意されることが度々あるようです。
そのために保育園に行き渋りがあることを考えると「傾眠」の副作用は現時点ではかえって好都合。
この日は帰宅後も眠そうな様子がありました。
でも、自分の要望を主張する時の「状況の読めなさ」「説明の通らなさ」は変わらず。
4日目
服薬後初めて行った児童デイサービスでは特に変わった様子はないとのこと。
自分の要求を叶えるために強い主張することは変わらず。
5日目
服薬前は朝のお支度がなかなか終わらせることができない日も多かったけれど、服薬後は何度も注意しなくても終わらせることができています。
保育園での昼寝も1時間半程度したとのこと。
これまでの経過から「傾眠」の副作用は確実に出ていると思います。
保育園の帰り、遊びの途中で帰ることが納得できず、玄関で帰りしぶりし、先生の助力で何とか玄関を出ることができました。
また、自宅での姉妹喧嘩は相変わらず激しいけれど、姉へのちょっかい行動は多少少なくなったかもしれません。
6日目
自宅での朝学習は積極的に取り組みました。
けれども「やった分だけおこずかいが貰える!」モードにスイッチが入ると服薬前にも勉強への集中度が格段に上がることはしばしばあったので、薬の効果と言えるかどうかはわかりません。
保育園では、昼寝をして夢を見たと話すので今日もよく寝れたようです。
けれども、具合悪いところはないかと次女に聞くと、頭がドクドクするとのこと。
服薬と関係があるかはわかりません。
今日も姉妹喧嘩は相変わらずひどい…。
7日目
この日は病院で作業療法、言語療法を行う日です。
それぞれの療法士によると、大きな変化は特になかったとのことでした。
診察ではインチュニブを継続することが決まり、2週間分処方されました。
と言うのも、たまたま次女が廊下で主治医に話しかけられた時に、緊張した面持ちで主治医に挨拶をしました。
主治医
「(以前と比べ)随分変わったね~。前は誰に対しても態度が変わらなかったじゃない。
情報が頭の中に留まるようになったんだよ。」
と、薬の効果を感じているようでした。
居眠りや昼寝等をするようになったので「傾眠」の副作用が出ているかもしれないと主治医に報告したところ、
主治医
「今まで、寝る暇もなく過活動な状態であったけれど、薬のせいで落ち着いたってことじゃない?」
「傾眠」の作用は、血圧が下がることが原因だと理解していたのですが、それとは意味合いが違うような?
1週間を振り返って
インチュニブは服薬後1~2週間後に効果が現れる薬と知っていながらも、日々次女に変化はないかと気にする毎日でした。
結果的に、明らかに変化が認められたことは「傾眠」しかなかったので、引き続き様子をみていくことになります。
幸い次女は薬の服用が好きなようですし、1日1錠夕食後に飲むため親子ともに負担 は大きくありません。
しかし、どんな変化があるかとドキドキしながら様子を見た1週間。
たいした変化もなく拍子抜けしました…。
6歳の子がインチュニブ(ADHD治療薬)飲み始めました
次女(ADHD診断あり)が6歳になりインチュニブを飲み始めました。
①何故服薬することになったのか
②インチュニブはどんな薬?
③服薬後の本人の変化(次回以降に書きます)
等について書いていこうと思います。
★目次★
成長と共に特性の表れ方が目立ってきた
今年の夏頃から次女の様子が大きく変わりました。
これまですぐ忘れていたことが記憶に残るようになり、またこれまで気づかなかったことに気づくようになりました。
そのせいか、特性が原因と思われる問題がぐんと増えました。
どんな問題が増えたのか?
(1)人との関わり方が一方的なため、友だちや姉とのトラブルが増えた
(2)感覚過敏の程度が大きくなり頻繁に何らかの不快感を示す(偏食等)
(3)ひとつのことに集中できる時間が短くなったため、朝のお支度ややるべき事を最期まで終えることができない
(4)刺激に弱く、すぐに別のことに気を取られるので指示が通りにくく、また状況を無視した行動をしがち
これらの問題について主治医に報告したところ、主治医はADHD治療薬を勧めるようになりました。
けれども、次女は、発達障害に理解を示す保育園に通園しているためか、前よりトラブルは増えたものの本人が大きく困っている状況とも思えませんでした。
そのため、保育園の担任、児童デイサービスのスタッフにも相談しましたが、投薬を勧める意見はなく一旦判断を保留することに。
とは言っても、全体的に次女の生活の質は落ちていく一方でしたし、週1度行う作業療法、言語療法では「(次女が)前より訓練に集中しなくなった」と言われるようになりました。
主治医が投薬をすすめる理由
作業療法士等から主治医へ、次女の最近の訓練状況が詳しく報告されたのをきっかけに、主治医がはっきりとADHD治療薬を勧めてきました。
【主治医】
(1)一般的に就学前は、いろんな分野で学びや体験を深め入学に備えるものだけど、今の次女ちゃんの状態だと、何かを学んでもすぐ忘れてしまいその場限りになっている可能性がある。
けれども薬を使う事によって学んだことを定着化させる効果がある。
(2)おそらく就学後は服薬の必要性が今以上に出てくる可能性が高い。
薬の効き方には個人差があるので、本当に困る状況になってから服薬するよりも、今から服薬を始めて、適切な使い方を見極めていった方が、就学後に始めるよりも余裕をもって対応しやすい。
(3)お友達との関わりでトラブルが頻繁におこると評判も悪くなり、次女にとって過ごしにくい環境が生まれてしまう。
という説明を受けました(大意)。
現在、次女は就学後に苦労しないようにと作業療法、言語療法を週1回受けています。
そして、週2回児童デイサービスに行き、主に小集団内でのソーシャルスキル等を学んでいます。
また、注意力や集中力のコントロールに困難のある次女は学校の授業に付いていけない恐れがあるので週1回学研教室に通い、国語と算数の先取り学習を行っています。
こんなに次女が毎日頑張って学習・訓練をしているのに、これらの成果が出ずその場限りになってしまうのは、大きな問題だと思いました。
投薬を決断した理由
ADHD治療薬に関することはこれまで散々調べてきました。
発達障害の子への支援の1つとして欠かせないものだと認識しています。
けれども、薬を使うことは本人の心身に大きな影響を及ぼすことです。
仮に投薬することによって大きなメリットがあったとしても、副作用というデメリットもあります(もちろん総合的にメリットの方が大きいケースが多数だと思います)。
それを本人の意向を確認できない状態で決断することは、不安が大きく、とても勇気のいることでした(現在次女は自分の状態を言語化することは難しいです)。
けれども、次女の主治医及び医療関係者(作業・言語療法士)が使った方が良いと方向性を示す中で、曖昧な理由で判断を保留し続けることは意味がないことだと判断しました。
そして、毎日のように療育等を受けている次女が、特性のために極端に学びの効果が小さい状況に陥っているのであれば、それについて支援が必要です。
インチュニブとは?
小児のADHD治療薬の選択肢として
がありますが、次女は「インチュニブ」を服薬することになり、1週間分処方されました。
インチュニブとは?
【参考】「インチュニブを飲んでいるみなさまへ」シオノギ製薬他2017.5
- 小児のADHD治療薬で、「不注意」「多動性」「衝動性」の改善が期待されます。
- 1日1回の服薬(決まった時間)
- 脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられている
- 1㎎と2㎎の2種類の錠剤がある
- 血圧低下・低血圧や叙脈による自覚症状があらわれることがある(「頭が痛い」「ふらつき」「めまい」等)
- 眠気による自覚症状があらわれることがある(「眠くなる」「体がだるい」「ぼーっとする」)
参考にした上記資料によれば、
ADHDの人は、脳内での情報伝達が適切に調節されていない可能性がある
↓
インチュニブは脳内での情報伝達を増やす作用があると考えられており、これにより、ADHD症状の改善が期待される
と書かれていました。↓
また、主治医の(ざっくりとした)説明によると、
飲み始めてから効き始めるまでの期間は
ストラテラ(1カ月位)<インチュニブ(1週間位)<コンサータ(すぐ効く)
と、真ん中ぐらいの効き方だそうです(個人差有り)。
おわりに
服薬を始めてから、まだ3日目とあって次女に大きな変化は今のところみられません。
けれども、眠気があらわれているようで、1日目2日目の両日、隙間時間に昼寝をしました(この数年昼寝は滅多にしたことがないのに!)。
今後、大きな変化が出たら記事をアップしようと思います。
★なお、この記事は発達障害の治療としてADHD治療薬を積極的に勧める趣旨の記事ではなく、あくまでも個人的な記録として書いています。
とうとう次女がADHD治療薬を使うことに。
— にのの (@ninono0412) 2017年10月14日
たまたま使い始めた日に髪を切った次女が節子っぽくなったため、副作用のせいか眠気でウトウトしている様子が、もう死期が近い節子とダブってめちゃくちゃ切なくなってしまったけれど、それ違うから!という…
朝の準備ができないADHDな次女に「朝のしたく表」再び...
お久しぶりです。
久しぶりの記事更新。
今回は、ここ1カ月でメキメキと困り事が増えてきた次女(ADHDの診断有)についてです。
次女は年長になり、就学を意識せざる得ない年齢となりました。
ところが、
・友だちと上手く遊べない。
・ルーティンワーク(朝のおしたく等)にものすごく時間がかかる。
・常に落ち着かず、着席すべき時にじっとしていられない。
という状態で、これまでになく日常生活での困り事が増えました。
3カ月前までは違いました。
就学後通級への入級を考えているけど「審査からもれるかもしれない...」と心配するくらいに(今思えば信じられない)困り事が少なかった。
今なら余裕で通級審査は通る気がします(自治体によって審査内容・基準は異なります)。
先日の診察では、久しぶりに次女の困り事について15項目箇条書きしたものを作成し、主治医に渡しました。
そして、15項目のうち2項目説明した時点で、こう言われました。
主治医「つまり、ADHDの特性が強くなっているということね」
(チーン)
一言でまとめられてしまいました。
さらに、ADHD治療薬の投薬について打診され...。
これから、少しずつ支援者と相談し、かつ次女の様子を見ながら投薬の是非について考えていくつもりです。
朝のしたく表
なんとこの記事を作成したのが2年前!
この「朝のしたく表」のおかげで長女も次女も毎朝の登園前の準備(したく)を自主的に取り組むことができるようになりました。
そのため、もう1年以上使う機会もなく、欲しい方に譲ろうかと思っていたぐらいです。
けれども、次女がこの「朝のしたく表」を使う必要が再びきたのです!
これまでも、朝のしたくを何も声かけせずに次女ができるとまではいきませんが、1〜2度声かけすれば、したくを進めることはできていました。
今はもう、1つのしたくに声かけすること5回以上。
しかも以前と違って「つい忘れてしまう」とかではなく、
・すぐに別の刺激に囚われてしまい(おもちゃで遊び始める等)おしたくへと気持ちを切り替えることができない。
・したく自体面倒でどうしてもやりたくない気持ちになっている
という状態。
そこで、今更とは思いましたが「朝のしたく表」を使ってみることにしました。
この「朝のしたく表」は
朝のしたくが1番から順番に記載されており、1つしたくが終わるごとに、フラップ(ふた)を閉め、「できた!」という表示にする
という仕組みになっています。
正直あまり期待していませんでした。
ところが、「朝のしたく表」のおかげで、次女が(まあまあ)スムーズに朝のおしたくを進めることができるようになったのです。
「朝のしたく表」様様!
↓ライフスキル(社会生活をおくっていくうえで必要なさまざまな技術)トレーニングについて書かれた本。
本記事の「朝のしたく表」もライフスキルを高めるためのトレーニングの一貫です。
なぜ「朝のしたく表」を使えば、おしたくできるのか?
「朝のしたく表」のフラップを閉じることが目的となり、「朝のしたく」が目的ではなくなるからなのかもしれません。
つまり、
- 遊び感覚でしたくを進められる。
- 最後までしたくを終わらせるとしたく表が全て「できた!」マークとなり、達成感が生まれる。
- したく表にやるべきしたくが一覧になっているため、見通しがたちやすい
- もし、したくが途中までしか進んでいたなくても私が「早くやりなさい!」と言うのではなく「(したく表が)どこまで終わった〜?」と声かけすることができるので、声かけ自体もしたくが目的とならない。
といったところが、朝したくがスムーズにいく原因なのかもしれません。
この「朝のしたく表」は
子どもにとってこれまでとは違い、「朝のしたく」を遊び感覚で取り組めるという素晴らしいシステムです。
もし、お子さんの「朝のしたく」がスムーズにいかず悩んでいる場合は、ぜひ「朝のしたく表」を使ってみて下さい。
★作り方は上記過去記事子どもの朝のしたく表を作った!〜朝の準備をスムーズに - にののシステム科学講座)に載っていますのでご興味のある方はどうぞ!★
夫が「発達障害」だと言う母に困っています
孫が発達障害であると知ってから、私の母は「発達障害」に関心を示し、「発達障害」について学んでいるようです。
最近では、NHKで発達障害をテーマとした番組が増え視聴する機会も多く、それも影響しているのかも知れません。
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu
テレビの影響力は絶大(弱小ブログとは比較にならない)。
だからこそ、NHKには発達障害を知らない人たちに発達障害について正しい理解を得られる番組を作って欲しいです。
夫が「発達障害」だからといって嫌いになるな
私の夫は、発達障害の傾向があるように見えます(本人も認めている)。
けれども、本人は日常生活の中で大きな困り事がなく、本人なりの対処法で日々過ごしています(いろいろ危なっかしいけれど)。
そのため、今のところ「発達障害」について病院にかかる必要性はありません。
けれども、家族で外出すると、突然、多動な子どもたちを私がワンオペでみなければならない状況に陥る時があり、困ることがあります。
なぜワンオペ状態になるかと言うと夫は聴覚過敏、視覚過敏の傾向があるため特に外出先では、突然聴覚・視覚が通常通り機能しなくなることがあるからです(例えば、聴覚過敏であるために騒がしい環境で人の声が聞き取りにくくなります)。
そういう状況になったことを、母に愚痴ったこともありますし、夫に発達障害の傾向があるかも知れないと話したこともあります。
*今では私なりに対策・予測をたてることで次第に困った状況になることも減りました。
そんなある日のこと、母がおかしなことを言い出しました。
母「最近TVで発達障害のことやってるでしょ。B君(夫)と似ている人も出てたよ。」
(これは特に気にならない。)
母「B君(夫)が発達障害だからって、嫌ったりするんじゃないよ」
はぁ(゚Д゚≡゚Д゚)?
この発言にすごくモヤモヤしました。
発達障害の夫
以前は、夫の愚痴を母に話しても母は「良い人なんだからそういう風に言ったらだめだ」と聞く耳を持ちませんでした。
けれども、母が夫を「発達障害」とみなしてからは、私の夫に対する愚痴に寛容になりました。
さらに「発達障害だからと夫を嫌うな」との発言まで出てくるときた。。
夫は今も昔も何ら変わらないのに、母が夫を「発達障害」だと思っていない時は、私の愚痴は聞き入れないけど、「発達障害」とみなしてからはその愚痴を許容するのは、私からすれば大きな違和感がある。
夫にはある部分に発達障害の傾向がみられるけれども、「発達障害の夫」ではない。
だけど、中途半端な知識と自己流の解釈で母は夫を「発達障害」とみなし、私が「発達障害の夫」に愛想をつかすことを心配している。
母は夫を「発達障害」だけど、真面目に働き子どもも可愛がる良い父親だから、娘が離婚すると言い出さないか心配になったのでしょう。
私たち夫婦が仲良くやっていくことを願っているんでしょうね。
母は、夫を「発達障害」とカテゴライズしながらも、(母の思うところの)夫の特性が大きく社会生活・家庭生活に影響していないことは知っている。
そのくせ、「発達障害」が夫婦破綻のきっかけになり得ると考えている。
それなら、夫本人の特性による困り事とそれが家庭生活にどう影響するのか想像しても良かろうに。
そして、「発達障害の傾向はあるけれど、そのために生活に支障をきたすことはない」夫を「発達障害」の枠組みにはめるのなら、私も母も同じようにその枠組みに入れることに気づいていないのが滑稽。
「発達障害」は人それぞれ
話は変わります。
有名人が発達障害だとカミングアウトアウトしてから加速度的に「発達障害」という言葉は知られるようになってきました。
けれども、人によって特性の表れ方が千差万別で、当事者の困り事も人によって異なるのが「発達障害」。
広く「発達障害」の特性について知ってもらうことは大切ですが、「発達障害」は前述したように人によって特性が全くバラバラで、大きく3つ(自閉スペクトラム症、注意欠如多動性障害、学習障害)に分けることは出来るけど、この3つのうちいずれかを併存するケースもある。
けれども、私の母は自己流の解釈で夫を「発達障害」とカテゴライズしてるに過ぎません。
私の母のように「発達障害」という言葉を安易に使う人が今後増えていくんじゃないのかな。
それだけ、「発達障害」の困り事(特性)が、いわゆる定型発達に分類される人たちも程度の差はあれ、持つものだから理解が得られにくいということなんだろうけれど。
ちなみにそんな困った母には
「発達障害の傾向があったとしても、例えば亭主関白で家事育児一切しないという困った人に比べれば大した問題ではないし、発達障害の傾向があることは夫の一側面に過ぎない」
と話しておきました。
どう訴えれば配慮してもらえるのか
私の母は、テレビ等で「発達障害」の知識を多少得ており、そのうえで、夫を「発達障害」扱いし、また孫が「発達障害」であることを否定まではしません。
けれども、母の思う「発達障害」は、一般にありがちな困り事がちょっと多いだけの人。
もしかしたら程度の酷い人もいてその人は大変なこともあるかもしれないけれど、いろいろ工夫すればなんとなかなるでしょ。
そういう人たちを「発達障害」って言うんでしょ?
といった理解なのだと思います。
こういった理解の人たちに、「発達障害」の人は困り事の程度・内容に応じて配慮が必要だと理解してもらうためには、どう説明すれば良いのだろう。
浅い知識で特定の人を「発達障害」とカテゴライズする人を増やさないためにはどうしたら良いだろう。
すごく難しい問題だ。
少なくとも私が個人的に考えていることは次の2点。
・「発達障害」と診断されていなくても、発達障害の傾向を持つ人は程度の差はあれいるのだから、「発達障害」であることを前提に配慮を求めても理解されにくい(つまり得策ではない)。
・適切な配慮があったり、適応しやすい環境に置かれれば、特性による困り事を軽減できることを相手に理解しやすい方法で伝えていく
しりきれとんぼな内容ですが、今回はここまで。
放課後デイサービスでの療育と親が家庭で行う支援の違い
以前、長女の放課後等デイサービス(以下「放デイ」といいます。)の個人支援計画について、放デイスタッフの考え方に賛同できない部分がありモヤモヤしたことがありました。
長女の個人支援計画にある「相手の気持ちに気づく」という目標。
放デイからは、この目標達成のために
「(放デイスタッフが)他人の気持ちを代弁することで他人の気持ちに気づいてもらい、その積み重ねで受け答えのパターンの引出をふやせるよう指導している」
と説明され、納得がいかなかったのです。
続)けれども、自他の別がついていない、かつ自分のやりたい(関心のある)方法で物事を進めたいという気持ちに支配されるので、引き出しが増えても、支配される気持ちを抑えることができないかぎり、「他人の気持ちがわからない」と言われる状況は変わらないと思うんだよな。
— にのの (@ninono0412) 2017年3月9日
引出を増やし、受け答えのパターンを増やすことも必要だけれど、
*他人は自分と違う考えを持っていること
*自分の考えが少数派であること
これを長女が理解したうえで、他人の気持ちと自分の気持ちに折り合いをつけなければ、いくら引出を増やしても一般的な社会ルールを逸脱しない言動を取れるようにならないんじゃないだろうか...
放デイでの療育と家庭で行う療育
後日、前述の私の考えを放デイのスタッフへ伝えたところ、最近の活動(小集団でのゲームが中心)について説明してくれました。
- 活動中、長女の思いと違う方向にゲームが進行したり、急にゲーム展開が変わった場合、それによってどういう変化があるのか、その変化の内容について言語化し、長女に確認することで、長女の不安・動揺を軽減する。
- 長女にとってマイナス方向にゲームが展開した場合は、「どんまい」と声かけし、「負けても次があること」を確認し、百ゼロ思考になりがちな長女がゼロに気持ちが振り切らないように声かけをする。
- 長女が負けた時は、勝った相手に「おめでとう」と声かけをしてもらい、その言葉に相手が喜んでいることに気づいて貰う。
確かに、活動を通して長女が学ぶことは多いだろうと思いました。
そして、放デイスタッフからこのような提案が...。
- こちら(放デイ)では、「社会のルール」をデイの活動を通して長女ちゃんに理解して貰うという役割をもつので、ご家庭では、長女ちゃんの特性理解を促したり、長女ちゃんの特性そのものを受けとめるという役割をされるということで、棲み分けすれば良いのではないでしょうか。
確かに、小集団療育の場で、個人的に長女に特性理解を促すのは難しい。
けれども、集団での社会ルールを理解しなければ、本人の生き辛さに繋がるので、長女にはそれを理解する必要がある。
その手助けをできるのは、実践的に小集団で療育をできる放デイの役割。
そこで 私は、長女の特性を理解してあげられるからこそ、相当な年数がかかるであろう長女の自己理解を支援する役割を担う。
一件落着。
放デイの役割と自分の役割が明確にできて良かった。
*放デイでのゲーム療育では、チーム対戦でストラックアウトをすることが多いようです。
長女の成長
放デイスタッフによれば、長女は1年生の時と比べてかなり成長したとのこと。
★成長がみられる部分★
(1)ゲーム中の作戦会議
- (以前)何をすればわからず上の空で、会議に参加しなかった(T_T)
- (現在)作戦会議中、人の話を聞くようになった(^o^)
(2)ゲーム中に作戦を忘れた場合
- (以前)相手チームに聞こえるような大声で作戦内容を確認した(T_T)
- (現在)こっそり近くのチームメイトに確認するようになった(^o^)
このように、長女は「自分中心の世界」を少しずつ広げ、他人を意識した行動をとれるようになってきているようです(汗)
おわりに
療育は無理に家庭で行う必要はないですし、信頼できる所があれば、むしろ外部に任せるだけで良いと思います。
私も、長女に関してはトレーニング的な家庭療育を行っていませんが、子どもの特性については一番の理解者でありたいと思います。
そんなこと言うほど余裕がない時もあるけど。
発達障害児の親のプロ化の話。私はプロじゃないけど、ある意味自分の子どもの特性については誰より一番知っている。一般的な病気であれば主治医の方が病気について知っているだろうけど、発達障害に関しては主治医や支援者である専門職より熱心な親の方が子どもの特性を理解しているという特殊な世界。
— にのの (@ninono0412) 2017年5月16日
忘れ物を防ぐ機能的でオシャレなランドセル
来年入学の次女のためにランドセル選びをしています。
「ラン活」という言葉が産まれるほど、年々人気あるメーカーほど売り切れる時期が早期化し、購入が難しくなっているようで、遅くとも6月下旬には決めたいものです。
実は、当初どのランドセルも大きな違いはデザイン位で機能的にはどこも変わりないだろうと考えていました。
とーこーろーが、よくよく調べると機能面でも様々な工夫をこらしたランドセルがあるんです。その1つが
「忘れものを防ぐ機能的なランドセル」
続きを読む「百ゼロ思考」と嘘の関係
最近長女が毎日のように嘘をつくので困っています。
嘘の内容はほとんどが取るに足らない内容です。
「嘘は子どもなら誰でもつくよね」と思う方もいるとは思います。
けれども、長女の場合、生来的に「嘘をつかない方が、状況が悪化しない」ことに気づきにくいため「嘘をつかなくて済む方法」を教えようと日々奮闘しています。
パターン1「つい忘れる」
例えば、帰宅後に手を洗っていないのに「洗った」と嘘をつくことがあります
けれども、広い家に住んでいる訳ではないので手を洗ったかどうかは水を流す音がしたかどうかでわかります。
「洗ってないから洗って」と否定的に言うよりは、「洗った?」と聞いた方が良いと思うのですが、結果嘘をつかれ、嘘は良くないと注意する羽目になる。
声かけの方法は難しいですね。
この場合、娘に「手を洗いたくない理由」は特にありません。
ただ、忘れていただけ。
帰宅直後はいろいろやることが重なるので忘れてもしょうがないので、それで長女を責める気はさらさらない。
ただ、長女に気づいて欲しいのは、
①長女の嘘で相手を誤魔化すことは難しい
②「忘れてた!今するね。」と言えば済む
ということ。
今は、「忘れていたら、今からすれば済むことなんだよ」と繰り返し伝えているけど、なかなか「今するね!」の一言を言う事自体が難しいようです。
忘れていても「忘れていた!今するね!」と言えば解決するという成功体験を積み重ねられるよう導きたいと日々奮闘中です。
パターン2「勉強をやりたくない」
何らかの理由で「勉強は大変だからしたくない」という気持ちが長女に起こることは理解できます。
けれども、「やった」と嘘をついても、やったかやっていないかはテキスト等を確認すればわかること。
「(勉強を)やりたくなければその気持ちや理由を話したり、お母さんに相談して欲しい」と伝えています。
自分の気持ちを言語化することが苦手な長女にとって、これは難易度が高い。
けれども「自分が困った状況の時に相手にそれを話すことで、解決できることもある」ことを学ぶことは大切です。
そこで、今は長女にやりたくないことがあるのであれば、妥協案(後から勉強する、量を減らす等)をいくつか出し、長女にそれを選択させるようにしています。
*スマイルゼミがお気に入りの長女。勉強した分だけ専用タブレットの付属アプリ等で遊べるという目的があると勉強ははかどります。
嘘は「百ゼロ思考」が原因?
例えば、長女がタスクをスムーズに行うためにタスク表を作って、視覚的に理解させることも一つの方法だけれど、長女の場合は別の特性の問題が大きいと考えています。
それは「百ゼロ思考」の問題。
①やるべきことをしなかった=自分はダメな人間」(ゼロ)
②やるべきことをした=自分は良い人間(百)
長女はこの二択しかない「百ゼロ思考」。
ゼロに陥ることをおそれる長女は、嘘をつくことで百の人間でいようするのかもしれません。
そのため「謝ったり、やらなかった理由を言えばどうにかなることもある」という中庸的な考えが浮かばない。
さらに、メタ認知がついていないために「嘘をつくことで自分や相手に与える影響」を考えることができない。
メタ認知は一般に10歳位までにつくことが多いようです。
長女は今8歳なので、メタ認知の問題についてそこまで焦る必要はないのですが、おそらくその育ちはゆっくりだと思うので、今から支援者の助けもかりて、サポートしていきたいと思っています。
メタ認知(メタにんち)とは認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。それをおこなう能力をメタ認知能力という。
おわりに
百ゼロ思考を解きほぐすには「中庸的な考えや方法をとっても(自分にとって)問題なかった」という経験を積み重ねることが大切。
時間のかかることだとは思いますが、通所する放課後デイでもいろいろ長女の弱さを熟知しサポートしてくれています。
最近の長女の放課後デイではちょっとした失敗があった時「ドンマイ!」というのが流行っているらしい。
— にのの (@ninono0412) 2017年5月9日
いーぞ、いーぞ!百ゼロ思考な長女に身につけて欲しい概念だ。
今後 家庭では、長女が物事をやったかやらないかで自己評価しないような声掛けを工夫していきたいと思います。