得意なことを伸ばそう!と力の入っていた育児から抜けだしたこと
発達障害だから得意不得意の差が大きい。
だから得意なこと・好きなことを見つけて伸ばしてあげよう。
育児に前向きになれるこの言葉。
発達障害育児に関わっている方は聞いたことがあるかもしれません。
私は子どもが発達障害だとわかった当初から何度も見聞きしました。
そして、この言葉におかしな点もないと思っています。
けれど、この言葉を信じて我が子の育児をする時に、微妙にずれがあった話を今回はしたいと思います。
得意・不得意の差が大きい
うちの娘たちも「得意・不得意の差が大きい」です。
でも、何かかが微妙に違う。
どちらかと言えば
「できることと・できないことの差が激しい」
の方が近いと感じます。
自分でも不思議に思うのですが、どうしてか
発達障害児だから人より不得意なこともあるだろうけど、人より得意なこともあるはず!
と変換されてしまうのです。
ただの親の願望です(チーン)。
娘が発達障害だとわかってから、何か得意なこと・好きなことはないかと、いろんなことを体験させたり習い事をさせました。
しかし、目立って人より得意なこと・執着するほど好きなことは今のところ見つかりません。
娘が発達障害とわかってから約4年目にして、娘たちは単なるできることとできないことの差が激しい(ある意味)凡庸な子だと理解しました!
得意なこと・好きなことを見つけて伸ばそう!←?
前述した通り、娘たちに「人より得意なこと」は今のところありません。
では、「好きなこと」はあるのか?
一応あります。
けれども、精神年齢が低く反応的*1な子たちなので、「好きなこと」は継続的なこととは言えません。
そのため、好きだから「上手になりたい!」とか「いつでもやりたい!」ということもありません。
でも、親である私は「子どもの好きなことを見つけて伸ばしてあげたい!楽しみを見つけて欲しい!」
と変にスイッチが入ってしまうので、子どもの思いをよそに私だけが妙に熱心になってしまうのです。
と言っても、子どもが嫌がることをさせている訳でもないので子どもに迷惑がられるほどでもありません。
ただ、子どもはその場その場を楽しんでいるだけなので、私が期待するような伸びしろや継続性はないだけです(チーン)。
長女に「将来何になりたいの?」と聞くと
「パティシエ」と答えます。
でも、これまでお菓子作りを自分からしたいと言ったことは数回です。
私の企画でお菓子作りをすることもたまにありますが、楽しんではいるけれど「やっつけ仕事」。
どうして「パティシエ」になりたいのかさっぱりわかりません。
おそらくイメージだけで言っているのでしょう。
中学受験勉強
ところで、長女は中学受験をするために勉強をしているのですが、大手塾に入って勉強するのは一般的に親子ともども非常に大変なことだと言われています。
長女は勉強が人より得意とは言えませんが、構造化された枠組みの中で粛々と物事をこなすことはあまり苦に感じません。
また、塾の講習は講師の話が楽しいらしく3時間程度の講習も「あっという間に終わった。面白かった。」と言うのです。
興味を持つ持たないが極端な長女にそう言わせるのはすごいことだと思います。
けれども、まだ始めたばかりのこと。
これから3年弱受験勉強が続く訳で、長女の中学受験に対する目的意識も薄く、ほぼ親の主導とも言える受験勉強が続くのか非常に不安です。
そこで、長女の受験勉強や育て方について支援者に相談をしたところ、こう言われました。
「本人が居心地良いと感じる環境にいれば問題なしです。もともと情緒の発達が遅れているので、本人が「好きなことをする」と考えて動くのは思春期くらいだと考えていいと思います。」
「それに、反応的なお子さんなので自分の頑張りがテスト等で点数化されることはわかりやすくてやる気や自信に繋がりやすいと思います」
無理をさせなければ「大丈夫」ということですね。
↑娘の中学受験を考えるにあたってこの著者のブログに大きく影響を受けました。
居心地の良いと感じる環境
支援者の言葉にこれまで微妙にずれた育児をしていた自分にようやく気づきました。
前述した
発達障害だから得意不得意の差が大きい。
だから得意なこと・好きなことを見つけて伸ばしてあげよう。
という言葉に影響を受けた育児のことです。
娘のために「得意なこと」や「好きなこと」を親が積極的に見つけようと、あれやこれや奔走していましたが、結局は「居心地の良い環境」を提供すれば充分だったのです。
これまで、それに気づかずに随分頑張ってしまいましたが、
これからは肩の力をぬいて「楽しい〜。面白い〜。」と笑顔をみせてくれる環境があれば大丈夫だと考えます。
発達凸凹で得意不得意の差が大きい。だからこそ「得意なことを伸ばそう!好きなことをやらせよう!」という思いに囚われていた。
— にのの (@ninono0412) 2019年4月10日
「本人が居心地良い環境にいれば問題なし!」と支援者に言われて、肩の荷が下りた気持ち。
うちの子はまだ目の前のことしか見えない・考えない子だもの。そんなんで充分。
*1:「反応的」とは、「主体的」の逆であり、主体性を発揮しようとしないで、起こったこと、さまざまなその人への刺激、問題、事件、出来事に対し、そのまま感情的に反応してしまうこと
「皆が知っていることを自分だけ知らない」と思う生き辛さ
私には「皆が知っていることを自分だけ知らない」と思いこむ特性があるようです。
★今回のブログ内で「知っていること」とは、学習や知識の分野ではなく主に「集団内のある場面で知っていること」に限定されます★
これは「暗黙のルールを理解しにくい」ということにも関係があると思います。
私の生き辛さ
この特性は私の心をザワザワさせ、非常に居心地を悪くさせたり、不安にさせます。
そんな特性を抱えてしばらく生き長らえてきたけれど、いい年の大人になってから「大抵の人」は
・知らないことがあっても大きく気にしない
・知らないことがあっても物事に大きく影響しなければ知っているフリをすることもある
・知らないことがあってもその場で臨機応変に対応する力がある
・自分が今はっきりと分からないことについて無理に知りたがる傾向にある
ことに気づきました。
その時「なんだ。そうだったのか。随分と自分は生き辛い特性を持っているんだな」と残念な気持ちになりました。
けれど「大抵の人」のように考えれば、楽チンには違いないので真似をするようにしたら、少し楽にはなりました。
でも、良いことばかりでもありません。
常に自分が困らないように、不足のないよう計画を立てたり、準備を入念にしていたところ、そうしなくなったら何だか随分自分が怠け者になったようで、それはそれで自分の長所が失われたようで微妙な気分です。
「自分が知らないことは他の人も知らないことがあるし、困った時は人に聞けば良い」とは頭では理解しているけれど、不安は完全に無くなることはありません(臨機応変に対応する力が不足しているから)。
不安な時は、努めてやり過ごすようにはしていますが、今でも慣れることはありません。
長女の場合
残念ながら長女もこのような特性を持っているようです。
また「過去の経験を次に活かす」という力が少し弱いらしく、余計自分が分からないことについて不安に感じやすいようです。
私はつい、
「今あなたにわからないことがあっても同じことがわからない人は必ずいるし、今はっきりと答えがでないこともある。困った時には人に確認すれば大丈夫だよ」
と自分が大人になってから知った真実を長女に説明します。
でも、当然のことながら長女の不安は軽減しません。
自分の知りたいことは全く明らかにされていないので当然です。
時間はかかるけれど、長女が知りたいことについて一問一答で対応していくことがベスト。
と夫に教えられました。
長女が知りたいことについて丁寧に回答し、今答えられないことについては、何故自分は答えられないのかも説明しなければならない。
なぜなら親子の信頼関係に関わるから。
全くもって夫の言うことは正しい。
なぜなら、幼い頃の自分は
「自分が分からなくて不安に思っていることについて親が何も対処してくれない。親は私の不安を理解しようとせず適当に私を扱っている」
と思っていたのです。
今では親子関係がおかしくなった原因は自分の特性にあると理解したので、随分と救われた部分があります。
「親が自分を適当に育てていた」
という思いはおそろしく重荷でしたから。
夫の場合
夫「僕は自分の知らないことはみんなも当然知らないとずっと思って生きてきたんだよ。実際は自分の知らないことを他の人は知っていることも多いけど。」
私「そういう風に考えていたら、何かの時に準備不足にならない?」
夫「そういうこともあるだろうけど、準備不足とは考えず、今分からないことは人に聞いたりして解決すれば良いと考えるんだ」
初め私は夫が何を言っているのかよくわかりませんでした。
なぜなら
・私には「皆が知っていることを私だけが知らない」と思い込む特性があること。
・夫は非常に視野が狭く、自分の興味のあることにしか知識や関心を持たない傾向が人よりも強いので、そう思うことが不自然に思える。
からです。
随分と正反対の特性を持つ者同士が結婚したものです。
しかし、いずれにしろ私の特性は生き辛いけれど、夫の特性は生き辛くはありません。
(こう文字に表すとまた自分に残念な気持ちになりますね…。)
正直夫が羨ましい。
けれど、私や娘の特性について理解し、不満を持たないレアな人物は夫ぐらいしかいない気もするので、私は残念な人かもしれないけれどそれなりに幸運なんだと思います。
ついでに娘をサポートする私も予定がはっきりしなかったり、予定変更が苦手なので親子で右往左往とする残念な事態になりがちで、臨機応変に対応する人たちが本当に羨ましい!
— にのの (@ninono0412) 2019年2月24日
残念ながら娘と似た特性を持つ私が予定がはっきりしない状況や予定変更にこまる娘を安心させる言葉を見つけられない。
— にのの (@ninono0412) 2019年2月24日
「分からないことは人に確認すれば大丈夫だよ。なんとかなるよ。」と娘に伝えるけど、その言葉は全く娘の安心に繋がらないことも知っている。
「反応的」な言動をとる発達障害児
いつのまにかブログの更新から遠ざかっていました。冬真っ盛りです。
長女がインチュニブを使用するようになり、これまで一番悩んでいたことが改善された安堵感もあってか、療育は続けているものの、一時期「発達障害」について考えることが減っていました。
「特性」からくる日々のトラブルがなくなったという訳ではありませんが、長女も次女も成長と共に身辺自立し、そういう意味では楽になったので、特性にもとづく配慮を強く意識せずともやり過ごしていました。
ところが、そういう日々は長くは続かず、この2カ月間長女について苛立ちを感じることが増えてしまいました。
「反応的」な言動
長女には、全ての言動が「反応的」という特性があります。
「反応的」という言葉は長女の特性について説明する言語療法士から初めて聞きました。
「反応的」とは、「主体的」の逆であり、主体性を発揮しようとしないで、起こったこと、さまざまなその人への刺激、問題、事件、出来事に対し、そのまま感情的に反応してしまうことです。その反応には、何の論理的、倫理的、ビジョン的判断も介在しません。ただ瞬間的・感情的に反応しているだけの状態であり、その反応に対して自己が責任を負う準備はできていません。
参照:
反応的な子は我が育つのが遅いという傾向があるそうです。
その場その場で深く考えず反応し、そのままその出来事を流してしまうため、「自分」というものが育ちにくく、行動が般化されにくい。
そのため、大切なことは「習慣化」する手助けが必要になります。
さらに長女の場合、目に見えないものについては「反応」しないので、言葉の裏の意味や、過去の出来事についてはその「反応」に全くもって影響しない。
長女にとっては、今目の前に見えているものが全てなのです。
当然、多くの人たちは、これまでの経験や過去の出来事を含めて物事を判断したうえでの言動をとりますから、長女とコミュニケーションをとりにくい状況が起こります。
そして、残念ながら私もその中の1人であるため、長女のわからなさにイライラしてしまうのです。
さすがに2年前であれば「まだ1年生だから特性もあるし、しょうがないだろう」と思えたことも、3年生になっても習慣化されないことがあると、唖然とする時もあります。
「発達障害児だから当たり前」と言われればその通りです。
発達障害児の特性はころっと治るものではありませんし、成長のスピードもゆっくり目です。
けれども、毎日水やりをして、日光にあて、肥料をあたえと丁寧に育てても、育たない植物があれば、がっかりして気落ちするのは人間として当然の感情だと思います。
だからこそ、発達障害児の親は支援者と繋がって育児の難しさについて相談し、気持ちを整理することが大切だと思います。
反応的な子への愛情表現
今回言語療法士さんから、私に対してひとつリクエストがありました。
実は、私は愛情表現をするのもされるのも苦手という特性があります。
言語療法士は、以前長女が私に抱きついた時の私の反応が薄かったので、それを改善する必要があると考えたようです。
長女は、ただでさえ、「目の前にみえたものが全て」なので、私が自然に長女を抱き返さなければ、長女に対する愛情がないと判断しがちなので、長女が甘えてきた時は、積極的に反応してあげる必要があるとアドバイスされました。
けれども、長女自ら甘えてきた時だけ反応が必要なのであって、例えば、長女が求めて居ない時に、愛情表現しても効果が薄いとも言われました(猫みたい)。
支援者の存在はまだまだ必要
しばらく子育てがうまくいかない苛立ちを抱えていましたが、支援者に相談することでだいぶ整理ができました。
私は特に、結果がみえないことに不安をもってしまいがちなので、ネガティブな感情が増えたら支援者に相談することが必要です。
私にとって発達障害児育児は、自己対峙の連続であることがしんどいですしね。
そろそろ、次年度の療育の頻度や日程を調整する時期です。
昔は、4年生は療育を減らしていく時期だと漠然と考えていましたが、長女も相変わらず特性バリバリ(古い)ですし、私もアドバイザーを必要とする状態なので、次年度も今年度と同じ頻度で療育をお願いすることになりそうです。
生活を大きく変えたインチュニブの意外な効果〜小3長女の場合
長女はストラテラを約3カ月間服薬した後、コンサータに薬を変えました。
ストラテラからコンサータへ薬を変更した理由は大きな効果がなかったからです。
けれども、コンサータも長女の困り感を解消するような効果はありませんでした。
夫の困り感は劇的に解消したので期待していたのですが...。
すると主治医は次にインチュニブとコンサータの併用をすすめてきました。
<目次>
コンサータとインチュニブを併用した理由
長女の薬を増やすことに気はすすみませんでした。
長期的に考えた時にADHD治療薬が心身にどのような影響をもたらすかわからないことが多いからです。
けれども、次の理由からインチュニブの服用を決断しました。
①今日本で認可されている小児用ADHD治療薬はストラテラ、コンサータ、インチュニブしかなく、そういった意味で長女にとってインチュニブが最後の機会になること
②和歌山市の生馬医師がブログで次のようにインチュニブについて説明していたので、長女の特性にも効く可能性があると考えた
インチュニブというお薬は、集中力を高め多動衝動を改善させるだけのコンサータとは違い、それだけではない様々な効果(感覚過敏、不安、トラウマ、睡眠障害を改善させるといったような)を合わせ持ったお薬です。専門医がコンサータとすれば、インチュニブは総合医、ジェネラリストといった感じで、ADHDの薬というより、発達障害のお薬と言った方がその特性をよく表せていると思います。また、コンサータとの相性も抜群で、ドイツでアトモキセチンのシェアが減ったというのも頷けます
③主治医の説明によれば「今コンサータをやめてしまえば、どちらの薬で効果が出たかがわかりにくくなる」とのことだった
④次女も既にインチュニブを服用しており、そういった意味で知らない薬ではない
インチュニブの効果
結論から言うと、大きな効果がありました。
長女を生きづらくさせている特性として「自分と他人との境界が曖昧」があります(詳しく知りたい方は次の過去記事をご覧ください)。
これにインチュニブが良く効いたのか、長女が穏やかな生活を送れるようになりました。
インチュニブを服薬する前は、
自分と他人との境界が曖昧であるゆえに
①自分の考えは当然他人に理解されるものと考えているので、受け入れられない、理解してもらえない場合、拒絶された、責められたと考え、すぐに相手に対して悪感情を抱く。
②他人にも都合や個々の考え方があることに気づけず、思い込みも激しいので、想定外のことを受け入れることが非常に難しく、(こちらからすれば)ちょっとした事ですぐに機嫌が悪くなる。
こちらが予想もしないところで、長女が不機嫌になり、文句を言われ、更には泣き叫ぶことが日常茶飯事でした。
いくら、長女の特性を理解し、接し方を工夫しても「限度がある...」と思う毎日でした。
それが、インチュニブ服用後、長女の態度は劇的に改善しました。
今までの苦労がうそみたいな日々です。
インチュニブ服薬前と後の比較
長女におこった変化について具体的に書きます。
(1) 自分の願い(「夕食にオムライスを食べたい」等日常生活レベル)が叶えられなかった時、あきらめるようになった
→以前は不機嫌になり必ず文句を言った
(2) 妹に不愉快な言動をされても流すことが増えた
→以前はすぐに応戦した
(3) 勉強中問題がわからなくなると不機嫌になるものの、早めに気持ちを切り替え最後まで問題に取り組むようになった
→以前は「絶対にわからない」という気持ちに支配され不機嫌になったまま気持ちを切り替えられず勉強に何時間もかかった
(4) 自分の誤った言動により怒られたり注意を受けても、素直に受け容れるまたは不機嫌にならずに話しを聞けるようになった
→以前は不機嫌になったり、怒りだし泣き叫ぶ等して相手の話を聞き入れなかった
インチュニブを服薬しても長女の特性からくる言動に大きな変化はありませんが、自分の不機嫌な気持ちに支配されにくくなり、
相手の言動に対して適切な対応をとったり、気持ちを切り替える力がつきました。
毎日を穏やかに楽しく生活できるようになった長女
これまで長女は、毎日毎日相手の言動が許せず、不機嫌になり、怒り、泣くばかりで大変な毎日を送っていたと思います。
成長や療育の効果で「本当はこうしたい、こうあるべきだ」という思いや考えも長女にあったとは思いますが、悪感情に支配され自分自身ではどうにもできず苦しかったと思います。
今では、親に怒られる時間(汗)や妹と喧嘩する時間が減り、勉強も以前より早く終わるようになりました。
その分、自分のやりたいこと・好きなことをする時間が増え、笑顔も増えました。
今はこれ↓を使ってお絵かきをして遊ぶことに夢中になっています。
かんたん! かわいい! とってもきれい! おえかきパラダイスBOOK ([バラエティ])
- 作者: ミニカ
- 出版社/メーカー: 東京書店
- 発売日: 2018/07/21
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
親に怒られたり・注意されたりする頻度が減ったため、親に素直に甘えてくることも増えました。
実はこんなに長女に甘えてもらえるのは長女が生まれて初めてです...。
おわりに
インチュニブを服薬する前は、いくら主治医がいて、療育を受けていても「特性により悪感情に支配され相手に対して不適切な対応をとってしまう」という部分は、長い時間をかけていろんな経験を積んだうえで初めて改善するものであり、まだまだ相当時間がかかると思っていました。
そして、療育や経験値で特性が改善する前に思春期に突入し、親子関係は相当こじれるのだろうと後ろ向きな気持ちでした。
けれども、インチュニブの効果で自分の感情に支配されず、相手の話を聞けるようになったので、これからは、これまで受けてきた療育の内容を理解できるようになったり、療育の効果が徐々に出てくるのではないかと考えています。
★追記★
今回のブログは長女に関するインチュニブの効果について書きましたが、けしてインチュニブが誰にでもよく効く薬という話ではなく、一個人の体験談です。
実際、特性が全く違う次女もインチュニブを服薬していますが、長女と同じような効果を感じることはありません(特性が違うので当たり前ですが)。
夫のコンサータ服薬効果と家族への影響
夫がコンサータの服薬を始め数カ月が経ちました。
幸い副作用がなく夫のQOL(生活の質)は大きくあがりました。
コンサータの効果が効いている時は、特性から凹んでいる部分がカバーされるためか、夫は以前と比べ充実した時間を過ごしているようです。
また、このような夫の変化は私たち家族にも影響し、以前より家族で良い時間を過ごせるようになりました。
今回のブログでは、コンサータの服用の効果を夫目線と私目線から詳しく紹介したいと思います。
<目次>
夫本人が感じる薬の効果BEST3!!
それでは、どのように生活の質が向上したのか?本人の話をご紹介します。
第3位 やりたくないことを先延ばししなくなった
夫談
これまでは仕事でやりたくないことは全て先延ばしし、気分が向く仕事から取りかかっていた。
そのため、期限が迫ってから大慌てで先延ばしにした仕事を行うため、効率が悪く、結果仕事に時間がかかっていた。
それが、コンサータ服薬後は一切なくなり、先延ばしをやめると共に優先順位を考えて仕事に取り組むようになったため、1日平均2時間位仕事時間が減った。
第2位 人と話している時にトリップせずに話を聞けるようになった
夫談
服薬前は別のことが気になり出すと相手の話が耳に入らなくなりトリップしていた。その結果会話についていけなくなることが多かった。
そして、騒がしい場所や電話だと声の大きさに関わらず相手の声が聞き取りにくくなっていたところ服薬により改善され、相手の話がよく聞こえるようになった。
第1位 意味なく漫画やゲームをする時間が減り、有意義な時間の使い方ができるようになった
夫談
以前は暇な時間があればスマホで漫画やゲームをしていたけれど、今ではまったく興味がなくなった。
ただ、時間つぶしにしていただけだったんだと思う。
今は、料理をしたり、子どもと遊んだり、家族と団らんしたり、DIYにも興味が出てきたので以前と比べはるかに充実した生活を送れている。
自分の子ども時代(小学生〜高校生)はマンガだけに没頭する無為な日々を過ごしていたので本当に時間がもったいなかったと思う。
妻が感じる夫の変化BEST3!!
次は、私目線での話になります。
第3位 活動的になり家の雑事や家族のお出かけに積極的になった
夫は「やらなくても何とかなるけどやったら良いこと」に取り組むようになりました。
例えば、物置の片付けやDIY等です。
以前は片付けやDIYを行うスキルが全くないのでやらないのだと思っていたけれど、1番の原因は本人曰く「やる気が起きない」ということだったようです。
また、以前は家族で旅行したりキャンプに行くこともありましたが、行くまでが大変……。
計画も準備も夫が加わることはなく、関心もスキルも持たないので私が全て担っていましたが、今は積極的に手伝ってくれるようになりました。
第2位 キレなくなった
普段は概ね温厚な夫。
けれど、自分が理不尽な扱いをされている、納得がいかないと強く感じた時に別人のようにキレて暴言を吐いたり家を出ていくことが服薬前は度々ありました。
それが、薬の効果がある時は、自己理解が進んだためか怒りを感じる場面でもかなり冷静に物事を考えられるようになり、キレることはほぼ無くなりました。
↓↓↓
夫婦喧嘩は激減しました。
第1位 会話ができるようになった(笑)
以前は、刺激に弱い、耳からの情報認知だけだと理解が大きく遅れる等の特性に配慮するため環境調整しないと会話が継続し難かったです。
このように大事な話を聞いてもらうことだけでも大変なので夫婦間のたわいない雑談などする気もおこりませんでした。
(夫が自宅ではスマホで漫画やゲームばかりしていたという事情もあります。)
その結果、夫と和やかな会話をすることは全くなかったのですが、コンサータ服薬後はそんなに苦労せずとも会話が成り立つようになったので気軽に話しかけ雑談することもできるようになりました。
どんな特性にも効果がある訳ではない
夫の場合、薬の服用により生活の質が大きく改善されましたが、その効き方や副作用に関しては個人差が大きいと思います。
ちなみに、長女もコンサータを服薬していますが効果が小さかったので、現在も薬の内容や量を主治医の指示に従い調整しています。
そして、どんな特性にもはっきり効くという訳でもありません。
例えば、夫は衝動性が高いという特性をもちます。
そのため、服薬前は衝動性から「不必要な物をたくさん買う」ことに困らされました。
服薬後は「必要ない訳でもない物をたくさん買う」という前よりはましレベルの変化です笑。
けれども夫曰く、適正な量を判断する力は服薬後からは経験により改善されるはず!(服薬前は経験値がアップすることはなかったらしい...)ということなので今後の経験値の積み重ねに期待したいと思います。
頑張れ夫!!
子どもの服薬に関する夫の意見
夫曰く
「おそらく自分は子どもの頃もADHD特性バリバリだったと思うので、その頃も服薬していたらもっといろんな経験を積んだり等良い時間を過ごせたと思う。
だから、特性上必要があり、心身に問題がなければ子どもがADHD治療薬を使うことに反対する理由はない。」
このような話を聞くことや、子どものADHD治療薬の服用の是非について考える時に夫の当事者としての意見は非常に参考になります。
夫は服薬していない時の自分と服薬している時の自分の違いを話すこともできるので。
もちろん父親がこうだから子どもも同じだとは言えず、子ども本人を見ていくことが最も大切なのですが、ADHD治療薬を服用する家族3人全員(夫+娘2人)薬の副作用が殆どないところ、やはり親子で似通う部分があるのを感じる時があります。
おまけ
子どもに関してADHD治療薬は対処療法的な扱いで、放課後デイ等の療育機関の利用と日々の家庭内での療育的関わりがメインになります。
特に家庭内では苦労が多いのですが、親が言うよりは大好きな漫画を読んでくれ!と最近は次のような学習漫画に療育的効果を期待することもあります。
★このブログはけしてコンサータの服用を一般に勧める趣旨はありません。あくまでも1個人の感想・記録となります。★
月480円で手軽に使える子どもみまもりサービスが便利!
今春次女が小学校へ入学しました。
時間通りに通学路を通り登校できるのか?
予定通り学童保育や習い事等へ行っているのか?
心配はつきません。
子どもの安全管理のためにキッズ携帯を利用されるご家庭も多いと思います。
けれどもうちの場合、大手携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク)と契約をしておらず(格安SIM利用中)大手携帯電話会社のキッズ携帯を利用することができません。
そもそも不注意な次女に携帯持たせたら1週間以内に失くすか落とすか、学校で見せびらかして問題になるかのどれかに決まっています(学校は携帯持込禁止)。
ですからそもそも携帯電話を契約するという選択肢もありません。
それではどうすればいいか?
いろいろ調べたところ「GPS BoT」というGPSみまもり端末を利用したみまもりサービスを見つけました!
★目次★
年縛りなし!月480円のみまもりサービス
端末費用が4800円かかりますが、その他かかる費用は月480円の利用料のみです。
大手携帯電話会社のように複雑な料金形態ではなく明朗会計です。笑
あとは見守る親が「GPS BoT」のアプリを使えるスマホを持っていればOK!
端末は5センチ四方、高さ2センチのコンパクトなサイズのため子どものランドセルに入れても邪魔になりません。
あまりにシンプルな形態で何かもわからないので子どもが取り出して遊ぶこともないでしょう。
★公式ホームページより画像をお借りしました。
移動履歴を調べられる機能が便利!
子どもの現在位置や移動履歴がどのように自分のスマホで確認できるかは公式ホームページからお借りした動画をご覧頂ければと想います。↓
https://www.bsize.com/bot/gps/video/sample.mp4
子どもが何時頃どの位置を通ったのかおおよそ把握することもでき、約1週間分さかのぼって確認することもできます。
子どもの位置を示す地図をタップするだけでGoogleマップのストリートビューに移動する機能も便利です。
ところでうちの場合、通学に30分程度かかることもあり、子どもの安全確保のため、絶対に通学路を通って通学することを子どもと約束しています。
ところが「GPS BoT」の移動履歴で通学路を通っていないこともわかります(汗)。
通知スポット機能
滞在する場所についたこと、滞在する場所から去ったことを通知する機能があります。
この機能を利用するには「通知スポット」を「GPS BoT」のアプリ内で登録する必要があります。
また、AI学習機能により、通常、一週間程度で自宅や学校を特定し、週一回の塾や習い事などは一ヶ月程度で特定するので、特定後、良く行く場所を特定したとして、「GPS BOT」のアプリから通知スポットとへの登録を勧める通知がきます。
自動的に自分のスマホに通知がくるのはとても便利です。
例えば、通知スポットとして登録した習い事から送迎バスで出発したタイミングで通知がくれば、ちょうど良いタイミングでバス停にお迎えに行くことができます。
時間通りに習い事に行ったかどうか、何時までそこにいたかを把握できるのは本当に便利です。
現在地の特定機能はそこまで高くない
「GPS BoT」では現在地を特定する頻度のモードを選択することができます。
「頻度優先」モードを選択した場合、最短1~2分間隔で特定します。
また、「バッテリー優先」モードの場合は、で最短3分間隔で特定するので、その分1回の充電でより長い期間使用できます。
(私は通常「バッテリー優先モード」を利用しており、約3日間に1度の割合で充電をしています。)
このように、「GPS BoT」は最短でも1〜2分間隔で現在地を特定するため、現在位置は子どもが移動中の場合、確認したその瞬間の子どもの位置ではないことに注意しなければなりませんが、それを理解した上で利用すれば特に不便はないと思います。
移動履歴も正確な移動履歴ではなく特定した現在位置を線で繋いだものです。
また、位置情報の精度については、環境によって数メートルからから数十メートルの位置ずれが発生しますので、その精度はそこまで高くはありません(公式ホームページによれば、一般的なGPS端末では難しかった屋内や地下での位置特定も可能であるとのことで、他のGPS端末よりも高性能なようです)。
けれども、以上のような問題は購入前に公式ホームページの「よくあるご質問」(https://www.bsize.com/support)で確認しており、それを前提に利用していれば特に不便は感じません。
小学3年長女の利用方法
その日、私は仕事でどうしても長女の習い事のお迎えに行くことができませんでした。
けれども、長女の習い事から私の職場までは歩いて10分程度。
そこで長女に1人で歩いて私の職場まで来てもらうことにしました。
事前に習い事から職場までの行き方を教えましたが、長女は方向音痴なので安心できません。
習い事を出発した通知は「GPS BoT」から来ましたが、なかなか長女は職場にあらわれません。。
心配になり「GPS BoT」の移動履歴を確認すると象の歩みで道を外れることなくこちらに向かっていることはわかります。笑
無事長女は私の職場へ辿り着きましたが、やはり方向音痴のためこの道が合っているか不安になり、ゆっくり確認しながら進んで来たそうです。笑
でも、「GPS BoT」のおかげでこのような挑戦させることができ、長女の自信にも繋がったと思います。
まとめ
子どもは携帯電話を持っていないけど、簡単に子どもの位置情報が知りたい
方に超絶オススメです!!
ちなみに中国電力で同内容の「みまもりサービス」を提供しており、平成30年10月31日まで端末がお得な値段で購入できるキャンペーン中です!
相手の言葉を字義通りに受け取めてしまう発達障害特性とは
発達障害の一特性として「言葉を字義通りに受け取る」という特性があります(発達障害に関わる診断があってもこの特性が無い人もいますし、その程度にも個人差があります)。
「言葉を字義通りに受け取る」とは、例えば長女の場合
食事中、テーブルの下にぽろぽろ食べ物を落としていた時に
「そんな赤ちゃんみたいな食べ方するのをやめなさい」!」と私が注意したとします。
要は「食べ物を落とさないよう気をつけて食べてほしい」と伝えたいところ
「私は赤ちゃんじゃないもん!」と相手の真意と外れた回答をするのです。
このように例えを用いた表現等を使って長女に物を言うと、真意が伝わらないばかりか、相手の言葉の気になった部分にだけ反応するという傾向があります。
そのため、常に言いたいことを具体的かつ簡潔に伝えるよう気をつける必要があります。
長女に「言葉を字義通りに受け取る」特性があることは約3年前から気づいていたことですが、最近改めてこの特性について考えさせられた出来事がありました。
覚えられなかったダンス
長女があるダンスのイベントに参加した時の出来事です。
そのイベントでは、始めに参加者全員で講師からダンスを習い、最後にそのダンスを発表します。
約1時間半で初めて習ったダンスの振りを覚えなければならないため、最後の発表までに習った踊りを覚えられる子もいれば覚えられない子もいます。
長女は残念ながら発表までにそのダンスを覚えることができなかったようでした。
最後のダンスの発表では、長女を含め踊った子どもたちは20名ほどおり、観客席に向かって前列に10名、後列10名に並びました。
長女はダンスの前半部分、後列に並んでいたため、ダンスを覚えていなかったとしても前列の子たちが目に入るためか順調に踊っていました。
そしてダンスが後半に入ると、前列と後列が入れ替わり長女が前列となりました。
そのとたん、長女の踊りが遅れがちになり、時折立ちつくす場面が出てきました。
長女以外にもダンスを覚えきれなかった子たちはおり、その子たちは隣の子に目をやりその動きを真似ています。
その時私は長女は何を考えているのだろうと不思議に思いました。
言葉を字義どおりに受け取った長女
後から長女に発表の途中にダンスをやめてしまった理由を聞きました。
長女「先生がダンスは必ず覚えて人の真似をしてはダメだと練習の時に言ったの」
なーるーほーどー。
先生が真剣に練習に取り組んでもらうために生徒に言った言葉を、長女は字義通りに受け取ってしまった。
そのため、人の踊りを見て真似をしなかったんだ。
大体、発表の場で踊りをやめてしまうよりは、横目に人の踊りを見ながらでもダンスを続けた方が真剣に取り組んでいるようにも見える場合もある。
そして、何より発表の場で1人ダンスをやめてしまうことは目立ってしまう。
そういったことを大多数の子たちは感覚的にわかるのだろうけど、長女は言葉を字義通りに受け止めてしまうため、その場にふさわしくない行動をとってしまったのでしょう。
長女には、
- 先生が人の真似をしてはダメだと言った本当の気持ちは「一生懸命に覚えるよう頑張ってほしい」という気持ちだったこと
- 本番までに振りを覚えられなかった子もたくさんいて、そういった子たちは人の真似しながら踊っていたこと
- 途中で動きをとめるとかえって目立ってしまうこと
- 真似しながらでも最後まで踊れば「頑張っている」と周りは思うこと
を伝えました。
以上のこと全てを長女が理解し、今後に活かすことができるほど「言葉を字義通りに受け取る」という特性は扱いやすいものではないけれど、
大人の言うとおりにできなかったとしてもなんとかなる!!
という感覚を徐々に身につけていってほしいと思います。
同じ特性をもつ私の過去
実は私も長女のように子どもの頃から「言葉を字義通りに受け取る」特性をもっていました。
その特性がほんの少しずつ緩和されて人とのズレを感じることが少なくなったのはここ8年ぐらいのこと。
そして、今長女の特性を原因とする不思議な言動を目の当たりにして、生きづらかった過去に特性が関わっていたことに気づき、胸がしめつけられる思いをすることもあります。
長女のダンスの一件では、大学時代の部活のある出来事を思い出しました。
私は球技系の部活に入っており、ある試合の大事な場面で点数を取り損ねるという大きなミスをおかしました。
それに腹を立てた監督に「お前は真剣に取り組んでいない」と叱責されました。
私は、真剣に取り組んでいるのに「真剣に取り組んでいない」と言われたことにものすごく腹を立て監督に抗議しました。
今思えば「私は真剣に取り組んでいた」と真剣に訴える私を見て監督は「きょとん」とした顔をしていました。
監督はその試合で負けたことに対して憤りを感じていて、その勢いで大事な場面で点数を取れなかった私にその怒りを「真剣に取り組んでいない」という言葉を使ってぶつけたのでしょう。
その言葉を字義通りに受け止めて抗議する私に監督は「何を言っているのだろう?」と不思議に思ったのでしょうね。
(過去の私。イタスギル。)
私は過去にどれだけのことを字義通りに受け止めて、悩んだり怒ったり苦しんだりしてきたんだろう。。。
(考えるだけでオソロシイ。)
言語療法士の話
このダンスの一件を長女を担当する言語療法士に話すと、
「普段はマイペースに自分のやり方で行動するけど、構造化された場面で上の立場の人が言うことはそのまま受け止めるんだね。ダンスは向いているかもしれない。」
と言われました。
長女が居心地が良いと感じる構造化された環境では、この字義通りに受けとめるという特性が良い方向に働き、長女の成長を促す可能性があるかもしれません。
今回の件では、発表の場面で踊りを覚えていない姿を堂々とさらしても、あまり気にならないようなので、言葉を字義通りに受け止めることで被るデメリットにも案外へこたらないのかな?
おわりに
「言葉を字義通りに受け止める」という特性があった場合、相手の言葉や表面的なルールに縛られた言動をとりがちで、それが人とのズレを生み出してしまうことがあります。
そして、本人はそのズレがどこから生じたものか理解することは難しく、対人関係で問題を抱えるのはある程度避けられません。
そのため長女には、
自分が相手の言葉を聞く前から感じていた気持ち、やりたいことを大切にすることで相手の言動を真に受けず、良い意味で流す術を身につけて欲しいと考えています。
これができれば、トラブルがおこった時に生じるネガティブな気持ちや迷いを軽減することが多少できると思うのです。
長女がこの特性を自己理解する日はまだまだ通そうだけど地道に伝えていこう!!
ADHDの子どものとっさの嘘と嘘をつく理由
娘たちは不注意の傾向があるため、忘れ物対策は常に講じています。
毎日のやるべきことについては紙に書いて壁に張り、それでも忘れるので大事なことは何度も注意喚起をする等していますが、それでも忘れ物はします…。
忘れ物しないためには私が全て隅々までチェックすれば良いことなのですが、そんなことしていたら本人の成長の妨げにもなるでしょうし、私が大変過ぎる…。
なので忘れ物があることについて親はある程度「しょうがない」というスタンスを取っていた方がストレスがたまらないと考えています。
と言うのは前振りの話しで実際にはいろいろ問題が起きている...というが今日の内容。
子どもが嘘をついたら...
例えば子どもの忘れ物について親がフォローするのは、子どもの困りごとを軽減しようという目的があるのですが、最近それが子どもの「嘘」で妨げられることが増えています。
基本的に忘れ物をした事実については子どもを叱らないよう努めています。
しかし、子どもが嘘をついた事実については怒ったり、罰を与える時もあります。
嘘をつくことに何もメリットはないことを子どものうちから学んで欲しいからです。
嘘をつけば私がしてあげるべきフォローもできないですし、人からの信頼を失うことに繋がります。
それを理解してもらおうとこれを何度も子どもに説明してきました(特に年齢的に長女)。
長女の嘘
長女も次女も嘘をつくことは度々あるのですが、「そんな嘘をつかなくても…」と呆れてしまうことが多いのは長女です。
先日学校から長女の視力検査の結果が返ってきて仰天しました。
なんと「矯正視力が0.3以下」!!!
私も夫も目が悪いので長女の視力については遺伝的要素があるだろうと気にしていません。
ただ、この数カ月眼鏡をかけている長女が自宅の壁時計の針を読めない様子があり、その度に長女に「前より良く見えないのかな?」と確認していました。
しかし、その度に長女は「見える」と答えていたので、そこで嘘をつくことはないだろうと長女を信用していたのです。
でも、実のところ視力はかなり下がっていたんですね…。
0.3以下では黒板の字も良く見えないし、日常的に視覚的な要素から判断すべき場面で不便を強いられることも多かったでしょう。
しょっちゅう何かにつまづくのも視力の問題もあったかもしれません(不注意の問題もあるだろうけど)。
長女に何故見えないことを話してくれなかったのか聞くと
「目が悪いことは悪いことだと思っていた」
と意味不明…。
何度話を聞いても明瞭な答えは返ってこない。
そこで「黒板が見えないと授業で何をやっているかわからないことも出てくるけど、それはどう思っていたの?」と聞いても返事はなかったけれど、こちらが何故怒っているのか少しわかってきた表情を見せました。
そこで「視力が悪いことで起こる不便」について長女に説明したところ、やっと視力が下がったことを放置していたことで起きていた問題を理解したようです。
これも特性に関わるものなのでしょう。
あるマイナス要素についてこの先起こりうる結果や影響を予想するのが苦手なんでしょうね。
*今度絵本を利用して子どもと「うそ」について考えてみたい。
叱られることがストレス
ところで普段子どもを感情的に叱らないように努めていますが、実際は理想通りにいくことは正直少ないです…。
感情的に叱ってしまった時は、せめて叱っている理由を子どもに説明はしていました。
でも今思えば、子どもにとっては叱っている理由を説明されても、叱られているだけでストレスを感じていっぱいいっぱいになっているのに、私の話なんて頭に入っていなかったのでしょう。
だから、何か失敗したと感じた時は叱られることから身を守ろうと、とっさに嘘をついてしまうんでしょうね。
そして今回の場合、自己判断で視力の低下を怒られる要素だとした長女はこれを親に隠すことでしばらく0.3以下の視力で毎日を過ごしてきてしまったのです。
「子どもに嘘をつかれたくない」という想い
子どもには「嘘をつくことにメリットはない」ということを伝えたく、嘘をついた子どもに厳しめに接していたのですが、身を守ろうととっさの嘘をつくようになってしまいました...。
そこで、子どもの発達や困り事について支援するためには何が大切なのかを考えてみました。
もしかしたら子どもの嘘に怒りを感じるのは「自分の子には嘘をつかれたくない」という自分の想い(理想)があったのかもしれません。
↓
けれども「叱られること」が子どもが嘘をつく原因に。
↓
そして、子どもに嘘をつかれると子どもに適切な支援ができないことがある。
↓
そうならないためには
「自分の想い」と「嘘をつく原因」、「支援しなければならない問題」を自分の中で分けて考え整理したうえで、子どもの嘘に対処していく必要がありそうです。
なんだか自分で熟考して出した答えとは言え、こう書くと小難しいのですが
要は子どもの失敗を怒っても、嘘で誤魔化す習慣がついてしまうのでやめよう!
ということですww
夫が初めてADHD治療薬コンサータを服薬した日
詳細は省きますが、どっちが良い悪いは置いといて私たち夫婦の関係は夫の発達凸凹を原因としてあまり上手くいってはいませんでした。
いろいろ話し合いを重ねたこともあったけれど、関係は改善されることはなく悪化するばかり。
最後の手段として夫は受診し知能検査等を受けた結果、コンサータの服薬を決断しました。
後から夫に聞きましたが、服薬をしなければ更に私との関係が悪化するし、効果がなければやめれば良いと考えていたそうです。
大きな凸凹
夫が受けた検査は「WAIS-3」。
WAIS™-III成人知能検査 | 検査詳細 | 心理検査 | 日本文化科学社
下位検査のうち特徴的な数値を表した項目がありました(下位検査項目の数値は、19 が満点、10 が標準値)。
⑴「絵画完成」は視覚刺激に素早く反応する力、視覚的長期記憶力を調べる検査です。夫の数値は3。
この数値が夫の日常生活にどのような影響を及ぼしているかと言うと
- 例えば「あの〇〇見て」と夫に言った時、見てもらいたい〇〇を夫が見つけることは対象物との距離が近くてもまずできない
- 運転中、交通標識も大概認識できない
- 高速道路で目的の出口を通り越すことがよくある
- 運転中気づいたら対向車線を走っていたことがある
- 目的までの道は数十回以上継続的に通えば覚えることができるかもしれない...
- ナビがあっても目的地にたどり着くことができない時もある
- 物を探し出すことが苦手 etc
⑵「知識」(一般的な事実の能力)の得点も他項目と比べて低く、医師からは興味のないことは覚えない傾向があると説明されたそう。確かに夫の一般知識の乏しさに驚くことしょっちゅう。
⑶「理解」(実際的知識を表現する力、過去の経験や既知の事実を正確に評価する力)は満点の19。
また、医師からは「衝動性」が高いために、衝動的に物事を選択しがちなので失敗が多いのかもしれないと言われたそうです。
*夫と一緒に行動すると「何故そう考える!」「何故そういう行動にいきなり出るの!」と思うことが日常茶飯事です。
そして最終的に日常生活のクオリティを上げるためとしてコンサータの服用を勧められたそうです。
*夫とコミュニケーションが取りにくいのは認知特性の相違からくるものかと思っていたけれど、そういう訳ではなかったらしい。
コンサータの効き目
初日から良く効きました。
夫が今までできなかったことでできるようになったことは次の通りです(夫談)。
- 行動する前に事前準備ができる
- 耳からの情報がもれなく入り、私との会話で「聞いたふり」がなくなった
- 指さしやこそあど言葉、会話上等で相手が指示、対象とした事物が何かわかる
- 何か行動を起こす時に選択肢が頭に浮かぶ
- 文章を一回読んだだけで頭に入るようになり、読み返しする必要がなくなった
- 衝動的にやりたいと思ったことについて私に反対されても怒りを感じずに引き下がることができる
この効き目に夫は驚愕し、自分がいかに不便な状態であったか実感したようです。
夫「服薬していない時は曇った眼鏡とヘッドフォンをしているようだ!」
もちろん、私もいつもの夫との違いに驚きました。
夫の謝罪
服薬した日の晩。夫が私に言いました。
「これまで、喧嘩はにのの(私)が半分、自分が半分悪いと思っていた。自分に凸凹の特性があるとはある程度自覚していたけれど、自分は自分と思っていたし、にののが言うほど凸凹だとは思っていなかった。
でも、薬を飲んだ効果で今まで途中で頭から抜け落ちていた情報が脳に適切に届くようになり、今までできなかったことがすんなりできるようになって本当に驚いた。
特に3の部分(知能検査「絵画完成」のこと)については自分がいかに知覚統合ができていなかったか自覚できてショックを受けている。
結婚以来、本当に苦労をかけて申し訳なかったと思っている。本当にごめんね。」
私も結婚以来、夫の言動には本当に苦労したと思い出され泣けてきました。
正直、この状態だと最後まで夫と添い遂げることは難しいと考えていました。
もちろん、夫が発達凸凹であるという事実が耐えられないのではなく、原因はどうあれコミュニケーションが円滑にとれない相手と同居することにどういう意味があるのだろうと考えずにはいられなかったからです。
おわりに
夫はこれまで特性からくる困り事について
「それが当たり前だったし、最終的にはなんとかなったので何とも思っていなかった」と言いますが、今後当たり前だったことが当たり前じゃなくなり、仮に服薬をやめたとしても、自分の言動について今までよりも客観的に見ることができるようになると思います。
また、今まで夫の特性のために夫との会話が円滑に進まず、相談おろか雑談・単純伝達もままならなかったところ、これからは改善されそうなので、私は再び夫を人生のパートナーとして一緒に生活を共にしようという気持ちが戻ってきました。
今まで本当に辛い思いもしたけれど、大きな決断をした夫に感謝したいと思います。
↓最近夫が買って読んでいた本
箸の正しい持ち方を子どもに教えるための三点支持箸
ある日、小2長女も年長次女も箸を正しく使うことができないことに気づきました(泣)。
正しい箸の使い方ができれば大概の家庭料理を箸で口に運ぶことができるので便利だと思います。
けれども、娘たちは箸がうまく使えないのでスプーンを使うことが多いですし、ひどい時にはお皿から直接料理を掻きこむこともある...(泣)。
これまでにも家で正しい持ち方を教えたことはあるし、保育園でも練習したことがあるはず。
でもたまに練習するだけでは身につかないのが娘たちのデフォ。
次女は「エジソンのお箸」を使ったこともあり、とても気に入ってはいたけど何故か正しい持ち方は身につかなかった…。
↑日常生活の基本的事項を学ぶための良書。写真や絵が大きくとても見やすいし、幼児から小学校高学年位までは役に立つと思う。箸の持ち方も掲載されている。
なるべくご飯の時にうるさく言いたくないとは思っても、ご飯の時に箸の持ち方を教えるとどうしてもうるさく言ってしまい食卓の雰囲気が悪くなるのには困りました。
三点支持箸
そこで何か便利な物はないかと探して見つけたのが三点支持箸!!
この箸は 、マークに従い所定の位置に指をおけば正しく箸を持つことができるように作られています。
そのため、持ち方を教える時も決められた使い方通り指示するだけなので、子どもにも非常にわかりやすいです。
娘たちの場合、既に自己流の箸の持ち方が身についてしまっているので、なかなか矯正は難しい状態でした。
けれども、この矯正箸は正しい位置に指があるかどうか一目瞭然なので正しい箸の持ち方を意識しやすいせいか、小2長女は1週間程度で正しい持ち方に直すことができました。
一方の次女は、まだ苦戦中ですが正しい持ち方ができていなくても、具体的に指の置き場所を説明するにとどめるようにしたので、食卓の雰囲気が悪くなることもなくなりました。
言われてやるよりは自主的に
箸の持ち方に限らず教えることに関して素人の私が、特性もちの娘に何かのやり方を教えても、残念ながらスムーズにいくことはありません(泣)。
私もすぐイライラしてしまうし...。
これまでにも朝のおしたく表を作ったり、タイマーを使ったりして娘らが行動しやすい仕組みを作ったことはありました。
私が口答指示するよりは、補助的に道具を使って子どもが自主的に取り組みやすい仕組みを作った方がはるかに上手くいきました。
つまり、箸の持ち方も三点支持箸を利用して、子どもが自主的に取り組む気持ちが育つまで待った方が良さそうです。
箸の持ち方が下手でも本人はさして不便に感じてないですしね。